ボンバストゥス博士の世にも不思議な植物図鑑

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  • Amazon.co.jp ・本 (48ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784890139460

作品紹介・あらすじ

午前零時までに収穫すべき「馬車カボチャ」、自分をめでる鏡のついた「鏡スイセン」、「気球洋ナシ」「ラッパ銃オリーブ」……。
200年あまり前、すぐれた植物学者にして、自然哲学博士のボンバストゥス・ドゥルシメールが、これまでだれも思いつかなかったアイディアによってつくりあげた幻想植物図鑑。
2011年、第23回BIB(ブラティスラヴァ世界絵本原画展)金牌受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 架空の植物を描いた愉しい絵本。
    柱アカンサス、迷路ヒバ、馬車カボチャ……
    中でも気に入ったのは、音楽フランスギクというキク科の植物である。Leucanthemum musicaleという学名までついている。
    本書掲載のすべての植物に学名がついている。

    これは音感が鋭いフランスギクだ。
    この花は楽譜の花をつける。
    紹介されているエピソードも皮肉がきいている。歌の下手な騎士が、ある朝「四声のフーガの花」が咲いているのを見つける。

    「あわれみを、どうか、あわれみを
    この驚きに、どうか終止符を
    これほど調子はずれの歌が
    この世の中にあろうとは」

  • これは素晴しい!
    気になる方は、ご本人のblogをごらんください。

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    「午前零時までに収穫すべき「馬車カボチャ」、自分をめでる鏡のついた「鏡スイセン」、「気球洋ナシ」「ラッパ銃オリーブ」……。
    200年あまり前、すぐれた植物学者にして、自然哲学博士のボンバストゥス・ドゥルシメールが、これまでだれも思いつかなかったアイディアによってつくりあげた幻想植物図鑑。
    2011年、第23回BIB(ブラティスラヴァ世界絵本原画展)金牌受賞作。」
    Iban Barrenetxea
    http://ibanbarrenetxea.blogspot.jp/

  • ボンバストゥス博士が発見した植物26種をA~Z順に紹介した植物図鑑絵本。
    といっても実在する植物ではなく、奇妙奇天烈・摩訶不思議な植物ばかり。レトロ感溢れるイラストもユニークで空想が捗ります。実はページを隔てて少しずつ登場人物の繋がりが見えるのも楽しい工夫です。
    永遠に咲きつづける、世界でただひとつの花“指輪イモーテル”は本書掲載のシチュエーションでプレゼントされたら心ときめきますねぇ・・・。

    以下、個人的お気に入り。
    Cucurbita currus(馬車カボシャ)
    Pyrus aerostatica(気球洋ナシ)
    Urtica tiara(ティアラ イラクサ)
    Viscum candelabrum(蝋燭ヤドリギ)
    Xeranthemum anulus(指輪イモーテル)

  • 空想の植物図鑑。
    緻密で美しくユーモラスなイラストに引き込まれました。
    それぞれのページは独立していながら、よく見ると、別のページとつながっていたりして、ずっと楽しめます。

  • きれいな本だった〜
    不思議な植物のAtoZ
    わくわくいたした〜

  • きれいで楽しい「植物図鑑」。
    またたくまに成長して誰も出られない迷路を作り出してしまう「迷路ヒバ」や、それぞれの木に一つだけ、その木になるクルミを開く鍵の形の実をつける「宝箱クルミ」。ピクニックに最適な「ジャムスグリ」「籠ヤナギ」「ティーバッグシナノキ」や仕事熱心な「案山子ユッカ」などなど。
    ぜひ庭に育ててみたい植物ぞろいですが、「靴下ワタ」が地味に欲しいかな。
    見開きで描かれた緻密でユーモラスなイラストは、ただ植物を紹介するだけじゃなく、ひっそりと物語をちりばめています。
    青い鳥の動向、橋から落ちた老人のその後、あのページの男性とこのページの女性が…など、細かく見るのも楽しい1冊。

  • 奇妙な植物の絵と紹介文。これだけでも充分面白いが、それぞれのページの繋がりに気付いた時はさらにニヤリとしてしまう(特にコルクガシ!)
    隅々までじっくり見たい、遊び心にあふれた絵本。

  • 「19世紀の植物学者、ボンバストゥス・ドゥルシメール博士が考えだした、奇想天外な植物がアルファベット順にならぶ不思議な植物図鑑」という設定の本。
    きちんと学名も載っている。

    0時までに収穫しないとどてかぼちゃになってしまう馬車かぼちゃ、太陽光を集めて夜家の中が暖かくなるソーラーパネルひまわり、水中を見るのに便利な望遠鏡オオカナダモ、泥棒除けになる鉄柵ヒイラギなどなど。
    物+既存の植物図鑑。

    「不可能博物誌」という本に載っている生き物との関連も見られる。
    もちろんそんな本もない(はず)。

    絵も皮肉っぽくて面白みがある。
    ノームの図鑑などに比べると創作であることは分かりやすい。

  • このユニークな植物はいったいどこに生育しているのでしょう。
    世界の片隅でひっそりと芽を出し、花を咲かせ、実を結んでいるのを見つけてしまったら、秘密にしたくなるような植物がこの図鑑には載っているけれど、どれも植物らしからぬ植物です。21世紀の科学技術も敵わないだろう19世紀の植物たちは知性を持っているようで、便利だけど扱いづらく、人間が振り回されたりします。
    ボンバストゥス博士は草陰からそれを窺って、にやりと笑っているのかもしれないね。

    ジャム スグリ、籠ヤナギ、ティーバッグ シナノキを囲んでお茶会をしたいな。

  • ジャムスグリ、籠ヤナギ、ティーバッグシナノキの生えた丘でお茶会をしながら本を読み昼寝したい。馬車カボチャを育ててフェアリーマザーの真似事をするのも面白そう。ボンバストゥス博士の研究がどこかでまだ続いていたら良いなぁ。

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著者プロフィール

イバン・バレネチェア…1973年、スペイン・バスク自治州のエルゴイバル生まれ。グラフィックデザイナーをへて、2010年より物語の挿絵や絵本の分野で活躍する。国内外での受賞多数。新進気鋭のイラストレーター。

「2014年 『ボンバストゥス博士の世にも不思議な植物図鑑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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