ちいさなあなたがねむる夜

  • 西村書店
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (34ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784890139781

作品紹介・あらすじ

北の国のしずかな夜、子守歌のように神秘的な美しさを見せてくれる大自然。雪がそっと降りはじめ、動物たちが姿をあらわし、いつしか空には星が輝きだします。大自然の鼓動を感じながらあたたかな室内でねむる子どもを見守る母…魔法のようなすばらしいひとときをリズミカルに、みずみずしく描きます。ニューヨーク・タイムズ最優秀絵本賞、カナダ総督文学賞をダブル受賞。イザベル・アルスノーの絵本。

感想・レビュー・書評

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  • 息子が寝ている間、息子を想って描くものがたり。イラストはイザベルアルスノー。優しくてきれい。最後のページの男の子の後ろ姿がかわいい!

  • 母親が、まだちいさいお子さんが眠りについた後に描き始めた、お子さんの為の絵。
    それは、こんな始まりだった。

    はじめは ちいさなちいさな ひとひらを。
    あなたみたいに
    かわいくて
    とくべつで
    たいせつな ひとひらを。
    それはすぐ ふたつになり
    みっつになって、
    かぞえきれないほど舞いはじめ
    夜空いっぱい かがやきながら
    やさしい大地に降りつもり
    とうとう世界は
    あなたみたいに
    ふんわりした毛布につつまれた。

    表紙の柔らかな絵を見た後に、開いて読み始めると、それとは全く異なる、白と黒を基調とした、幻想的で静謐に満ちた、寂しさを思わせる大自然の夜景に、やや戸惑いを覚えたが、それに上記の文章が加わることで、母親の思いを知る。

    そうだ、私には寂しげに見えた雪のひとひらにしても、母親にしたら、お子さんのような、世界にまたとない、大切な、大切な積み重ねの始まりだった。

    そして、ページをめくるに連れて、新たな自然と動物たちの姿が現れるとともに、静謐な美しさはそのままに、白と黒以外の瑞々しい色が、少しずつ現れてくる展開には、ちょうどお子さんの興味をそそるような、愉しく詩的な表現と、お子さんと大自然の素晴らしさを讃える文章、それぞれが上手く重ね合わさり、まるで、お子さんと大自然が一体化したような、同等の大切さであることを、母親が表現しているように感じられ、母親が子を思う気持ちの限りのなさに、心を揺さぶられる思いでした。

    また、そう思わせたのは、前回読んだ「アンナとわたりどり」とは、全く表現の異なる「イザベル・アルスノー」の静謐な美しい絵柄も大きく、終盤の、青をふんだんに使った大自然の雪の光景は、また新鮮に思われて印象的でした。

    おそらく、描かれた舞台は、作家の「ジーン・E・ペンジウォル」が、カナダのサンダーベイ在住ということで、スペリオル湖周辺かと思われるが、この美しさのようだと例えられるお子さんは、さぞ嬉しく感じるのではないでしょうか。

    北の国の、素朴で派手さこそないが、物語の内容として、読み聞かせにぴったりだと思われます。

  • 子供が眠ると私は絵を描いた。「北の国の しずかな夜」で始まる美しい夜の自然が次々に表現されていきます。目をさました子供がかわいい。

  •  柳田邦夫氏が大人へのお薦めの絵本。しんしんと雪が降り積もる情景が美しい。文も絵も夢のある想像力を掻き立ててくれる。こころが静まり、落ち着く1冊だ。三好達治の「太郎を眠らせ雪降り積む…」を思い出させる。

  • 大好きなイザベル・アルスノーが描く、北の国のしずかな夜。
    まっしろな大自然の中に、しんしんしん…と雪が降る音や、カサカサカサ…、ザザーッ、ヒューッと、動物たちが遊ぶ音が聞こえてきそう。
    くりかえし「北の国の しずかな夜…」ではじまるテクストは情感にあふれ、自然描写とアルスノーのイラストの組み合わせが、もうなんともポエティックで美しい。
    眠っているちいさな子どもを見守り、しあわせを願うお母さんの愛にふれて、平和でやさしい気持ちになったよ。

  • 北の国の静かな夜、というフレーズから描かれはじめる雪の夜の情景。「あなた」への深い愛が文章の端々から伝わり、読み手もそっと包みこまれ撫でられているような暖かな気持ちになります。眠る前、気持ちをときほぐしたいとき、ひとり静かに過ごしたいときにゆっくり読んでこころに染み渡らせたい、そんな一冊です。

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