空海曼陀羅

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著者 : 夢枕獏
  • 日本出版社 (2004年3月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784890487615

空海曼陀羅の感想・レビュー・書評

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  • 空海にかんする評論、エッセイ、漫画などが色々集められていたし、あらゆる角度から空海が語られていた。だから「曼荼羅」なんですね。

    みんな空海が好きなんだなぁって感じた。

    印象深かったのは空海が徹底した言葉の人であったということ。聖書的には「始めに言葉ありき」のところ、密教思想においては言語と声音エネルギーの作用で宇宙が形成される。声は意思であり即ちそれが真言。
    当時は話し言葉は日本語でも書き言葉は漢文でしたから、なるべく書にも心が表れるよう、空海は漢字にアレンジを加えていたんですね。
    詩においては「暗」「冥」など漢字の使い分けや「生れ生れて」「死に死に死に」と大げさと言えるほど言葉の繰り返しを多用するなど、こうした文章表現のセンスは現代の日本人に受け継がれているものでしょう。
    空海はコミュニケーション大好き人間だから人の中に飛び込んで実務も色々経験したんじゃないかなって思った。最澄に文字ばかり読んでいてもどうしようもないよと言い放ったのも対話を求めたからでは。

    空海は「錬金術師」という呼称がなんだかしっくりきた(実際は錬丹術か)。高野山は水銀鉱脈だしね。道教を密かに取り入れて水銀キメてたんじゃないかっていう推理も面白かった。

  • はじめは夢枕獏氏個人の著作かと思いましたが、読み始めてみると、10名の様々な知識人が語る空海像のアンソロジーとなっています。
    一口では語れない平安時代のカリスマに、さまざまなアプローチ法で近づいていく興味深い試み。

    冒頭は松岡正剛氏。博学多才な知識の豊富さで安定した文章となっています。
    空海と日光の結びつきについてこれまで意識したことはありませんでしたが、日光を拓いた勝道上人を彼は深く畏敬していたとのこと。
    日光のような霊山を高野山に見つけたのかもしれないという意見が述べられています。

    日光の戦場ヶ原は、もともと中禅寺の千手観音にあやかった千手ヶ原という地名であったものが、いつしか本来の意味が失われ、字も変わったとのこと。
    日光は二荒から、そして二荒山は補陀落にちなんだ地名だったそうです。
    地名からして仏教的な意味合いの強い場所なのだと、改めて感じます。

    二十年の留学予定を、二年修行しただけで帰国したという驚きのスピードに目が向けられがちですが、つまりは密教のすべてを師の恵果から学び取り、留学生でありがら、帰国時には密教八代目の祖になっていたという信じられない状況。
    密教の六代目の祖、不空まではインド人だったのが、恵果で中国人、そして空海で日本人になっていったというわけです。
    国際的にも秀でた恐るべき力を秘めた日本人だったということでしょう。

    つい忘れてしまいがちですが、空海は東寺講堂の立体曼荼羅の完成を見ないうちに入定しています。
    彼が取り入れた立体曼荼羅については、最後まで心残りだったことと思われます。

    また、日本では大師信仰が非常に盛んですが、これと釈迦信仰の兼ね合わせがよくわからずにいたところ、「釈迦の思想はよくわからなくても、それを伝える聖者様はありがたい存在だから拝んでおこうという宗教心」と表現されており、民衆の支持を受けた信仰なのだと理解出来ました。

    数々の伝説を世に生み出した空海ですが、幼名は真魚(まお)。
    さかなちゃんという意味だと知り、かわいいなと思います。

    ジョージ秋山の劇画調の漫画まで載っていたのには驚きましたが、清水義範氏の文章はクリアで、荒俣宏氏は突飛な意外性を打ち出した論を展開しており、内容はなかなか難解ながらも、それぞれの著者の色がよく出ている、飽きさせない構成になっている一冊です。

  • 2004年に買った本、やっとさっき読み終わりました。空海を多角的に見ることができる、そう言う点では面白い。いろんな意味で入り口の本なんだな〜、って思いました。すんなり頭に入らない部分もあり、全てが全て、興味深かったわけでもないと思うと、平均点かな?

  • 2005/6/11 \1,680

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