「坂の上の雲」では分からない旅順攻防戦

  • 並木書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784890631698

作品紹介・あらすじ

国民的ベストセラー『坂の上の雲』で、日露戦争を知った人は少なくない。この本で司馬遼太郎は、乃木司令部が旅順戦ではまったく無能で、児玉源太郎と参謀本部で釆配して攻略できたという。「乃木の無策で多数の人間が死んだ」と批判するが、果たしてそう言い切れるのか?旅順を落とすには、より多くの敵兵を短期間に殺傷するしかない。消耗戦では、どこを攻めるかではなく、どの地点で効率よく敵兵を殺傷できるかが問題なのだ。現在のヒューマニズムの観点から批判しては、軍人の評価はおろか、その時代を理解できない。司馬の作品は、当時の軍事常識の観点がすっぽり抜け落ちている…。203高地戦の真の狙いと、その後の戦いに影響を与えた乃木司令部の革新的戦術を明らかにする。

感想・レビュー・書評

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  • 「坂の上の雲」読んでませんし、日露戦争に詳しくもありません。
    でも結構目からウロコがぽろぽろ落ちました。

    「日本は神の国だから…」の神の国発言。
    元々は、この戦争から言われたようなんですけれど、その趣旨は思っていたものと全然違いました。
    銃などの武器が、全員に行きわたるほど用意できなかったようなんですね。
    なので、兵たちのモチベーションをさげないように口から出まかせというか…苦肉の策だったようです。
    つまり、この発言をした人は、「神の国」だから負けるはずはないなんて微塵も思っていなかった。

    ではなぜ武器を調達することができなかったのか。
    まず武器の性能がどんどん良くなり、1分間に発射する弾丸数がとてつもなく増えてしまった。
    それによって製造が追いつかなくなってしまう。

    製造が追いつかない?
    それは日本には原材料がなく、戦争によって輸入できなくなったから?
    と思ったらさに非ず。
    工場の生産ペースに追い付かない。日本の技術力では増産できない。
    だから弾丸をヨーロッパの国々からかき集めて日露戦争に備えた、と。

    あと戦闘中は相手にどれだけのダメージを与えたかはわからないので、どうしても攻め込みすぎてしまうものらしい。
    それが自軍の被害拡大になることもある…というか、往々にしてなる。
    実はとっくに勝負がついていた、と知るのはあとになってから。

    戦争ってこういうことかって考えを新たにする部分も多く、勉強にはなったけど、いかんせん文章がなっていない。
    助詞がいい加減。
    主語がない文章が続く。
    接続詞のタイミングとチョイスが意味不明。

    これはもしかして暗号か!?っていうくらい文意が読み取れなくて、本当に苦労しました。
    なけなしの自由になる時間で、なんでこれほど苦しまねばならないのか。
    義務じゃないんだからもうやめたら…と心の声に唆されつつ読了。
    ああ、辛かった。

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