戦う者たちへ

著者 :
  • 並木書房
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784890632534

感想・レビュー・書評

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    天皇の御位と万世一系の世襲は残されたことで、国体は守られたとも解されているが、それが戦後保守派の甘えとなり、占領政策からの脱却が遅々として進まず、むしろ深く定着してしまった原因となっているように思われる。23
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    『冷戦が終わり、そして日本は消滅した』

    「……脅威でなくなった日本がこうも退屈で凡庸な存在と化したのはいかにも残念だ」(N・クリストフ、ニューヨーク・タイムズ東京支局長)31
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    ソロス氏はさらに「資本主義が、これまでマルクスが『共産党宣言』で指摘した悲惨な状態にならなかったのは、公共の利益を重視する民主主義によって阻止されたのだ」とも言っている。34

    冷戦構造の考えのままの人は民主主義と資本主義はイデオロギーとして一体だと勘違いしているようだ。35
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    そこに、日本人の価値観がある。

    いかに智謀・武力に優れた強者が現れようと、その者は上の座を侵すことなく、上の意を汲んで、その知能・実力を社会に奉仕することを良しとしてきた。46
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    「スパルタの戦士が、この精神をいかに養成したかの手がかりはすでに失われた」

    「ドイツ人とゲルマンの神々とのつながりは途絶えてしまった」

    「正義、倫理、道徳」といったものが失われ、人の心が荒廃しているという問題認識にある。

    憂慮すべきことに、こうした問題を解決するための有効な思想が、近世以降世界をリードしてきた西欧の社会思想の中にはもはや見い出せないと言うのである。59
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    「正しさ」は心の状態であって概念ではない。78
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  • 著者の経歴と本書の記述から、彼は非常に厳しく自分を律している方だと推察されます。


    しかし明確な定義づけがないまま「武士道」という言葉をやたら濫用している感があり、少々疑問に思います。内容的には面白かっただけに残念です。

著者プロフィール

荒谷 卓(あらや・たかし)
元特殊作戦群群長。昭和34(1959)年、秋田県生まれ。東京理科大学卒業後、陸上自衛隊に入隊。第19普通科連隊、調査学校、第1空挺団、弘前第39普通科連隊勤務後、ドイツ連邦軍指揮大学留学。陸幕防衛部、防衛局防衛政策課戦略研究室勤務を経て、米国特殊作戦学校留学。帰国後、特殊作戦群編成準備隊長を経て特殊作戦群群長。平成20(2008)年退官。明治神宮武道場「至誠館」館長を経て、平成30年、国際共生創生協会「熊野飛鳥むすびの里」を開設。著書に『戦う者たちへ』(並木書房)、『自分を強くする 動じない力』(三笠書房)などがある。

「2023年 『日本の特殊部隊をつくったふたりの“異端”自衛官 - 人は何のために戦うのか! -』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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