極東日本のサバイバル武略

著者 :
  • 並木書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784890632800

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  • 近年日本の尖閣諸島沖で中国船による領海侵犯や領空侵犯、威嚇行動が問題になっているが、本書はそんな迷惑な隣国である中国が何の目的を持ってそんなことをしているのかという問いに答えている。中国は日本だけに意図的な嫌がらせ行動をとっているのではなく、全方位の周辺国と衝突を繰り返している。例えばフィリピン、ベトナム、インド、マレーシア等々の国々である。しかし中共の本当のねらいは貧弱なガス田しか存在せぬ、尖閣諸島のEEZを含めた「東シナ海」などにはない。それは第一義的にボルネオ島(カリマンタン島)なのであり、ボルネオにある油田を支配するための足掛かりとしてのスプラトリー(南沙)諸島なのである、と筆者はいう。スプラトリー(南沙)諸島は位置的にボルネオに隣接している。このため中国はベトナムやフィリピンと小競り合いを起こしている。ボルネオ油田はとうぶんは枯渇しない第一級の優良資源であるし、有事に液体燃料の「ブロケイド(搬入封鎖)」を敵国や国連から受けたような場合には、自国領土内で原油が採掘できることの価値は、政治的にプライスレスでしょう。つまり何のことはない太平洋戦争中の日本と同じ発想で最終的にボルネオ島の油田がほしいのである。もしいきなりスプラトリーの南東縁を中国が軍事的に制覇しようとすれば、間違いなく米英両国との戦争になってしまう。かりに、優良油田が関与しない係争地に中国軍が侵略しても、米国はそれを傍観する可能性がある。しかし、優良油田がそこにあるのならば、米国は見逃さない。ボルネオのマレーシア領とブルネイ国にはその上、英軍(グルカ兵など)も駐留しているのである。優良な地下資源など存在しない尖閣海域との、ここが大きな違いだと筆者はいう。詳細→
    https://takeshi3017.chu.jp/file10/naiyou29905.html

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著者プロフィール

昭和35年、長野市生まれ。陸上自衛隊に2年勤務したのち、神奈川大学英語英文科卒、東京工業大学博士前期課程(社会工学専攻)修了を経て、作家・評論家に。既著に『米中「AI大戦」』(並木書房)、『アメリカ大統領戦記』(2冊、草思社)、『「日本陸海軍」失敗の本質』『新訳 孫子』(PHP文庫)、『封鎖戦――中国を機雷で隔離せよ!』『尖閣諸島を自衛隊はどう防衛するか』『亡びゆく中国の最期の悪あがきから日本をどう守るか』(徳間書店)などがある。北海道函館市に居住。

「2022年 『ウクライナの戦訓 台湾有事なら全滅するしかない中国人民解放軍』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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