闘戦経 (武士道精神の原点を読み解く)

著者 :
  • 並木書房
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784890632831

作品紹介・あらすじ

今から九百年前に書かれた日本最古の兵法書『闘戦経(とうせんきょう)』。日本に古来から伝わる「武」の知恵と「和」の精神を簡潔にまとめた書物である。「孫子」をはじめとする古代シナの兵法が、戦いの基本を「詭道」として権謀術数を奨励するのに対し、『闘戦経』を貫く基本理念は「誠」と「真鋭」である。「孫子」と表裏をなす純日本の兵法書『闘戦経』の全訳。

感想・レビュー・書評

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  • 孫子と比較した文武の日本人のあり方。
    このような書があること自体が驚き。
    陰陽の世界観の視点から生き方を問われる良書。
    楠木正成が実戦したと思われるエピソードもおもしろい。
    自分は日本人であるという誇りにもつながる。
    骨から生まれ骨で死す話がお気に入り。根っこを鍛えて根っこを世に残したい。
    何度でも読み直したい良書。

    ただ、闘戦経の元ネタを読まないと実際どうなんだ?となったので、鵜呑みは難しい。

  • 孫子の兵法はそれなりに知ってたんですが、どうも卑怯くさいな~という感じがして、これ一辺倒では生き方として良くないよね、と思ってました。

    そのモヤモヤ感を見事に打ち砕いてくれたのがこの本です。

    「戦国大名たちは、領国の生存と繁栄を賭け、敵国との過酷な諜報戦や心理戦を戦い、謀略を駆使し、身内に潜む敵を常に警戒し、疑心暗鬼の中で戦いに明け暮れる~ 『孫子』に心酔しすぎると、赤心を対者の腹中に置くことができず、親子以外には心を許すことのない、「和」を尊ぶ日本人の統帥からはかなり異形の人間になることから、古来日本では、「孫子読むべし、読まるるべからず」と言われてきた」

    「真の兵勝の術とは、実力と自信に裏付けられ、自然の摂理に則り、常道を守りつつ、智と仁の限りを尽くして戦略・戦術を創出し、運を天に任せて勇猛果敢に本然の任務を果たすことである。」
    「「天地を貫く至誠真鋭」を最も尊び、常に正々堂々と闘う日本の兵法のほうが優れている」

  • 難しい内容でしたが読んで面白かったです。
    日本人の心意気というか…
    そういうのが何となくわかった気がします。

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著者プロフィール

兵法研究家。防衛大学校卒。北海道の普通科や機甲科部隊にて小銃手、戦車小隊長、情報幹部、運用訓練幹部として勤務。その後、方面総監部兵站幕僚、戦車中隊長、陸上幕僚監部教育訓練幕僚、偵察隊長、幹部学校戦術教官、研究本部員を歴任。第一線の歩兵・戦車兵から部隊運用、兵站、教育訓練、研究開発まであらゆる軍務を経験。退官後は日本兵法研究会会長として、戦略・戦術・戦法、武士道精神、古代史等を研究しつつ、広く国民に普及する活動を展開している。

「2022年 『現代語で読む 林子平の海國兵談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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