皇帝政治と中国 (白帝社アジア史選書 1)

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  • 白帝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784891746339

作品紹介・あらすじ

2000年以上続いた中国の皇帝政治は、この国の歴史に停滞をもたらし、諸悪の根源ともいわれる。しかしあの広大多様な中国を一つに纏める求心力として、それは厳然と機能してきた。本書は、これまで誰もが踏みこみ得なかった皇帝政治という視座から中国史の本質に迫り、皇帝政治が再生産され続けてきた「カラクリ」をわかりやすい筆致で解き明かす。中国史のみならず今日中国を知るための必読の書。

感想・レビュー・書評

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  • 皇帝政治を大別し、漢族王朝と非漢族王朝、唐宋変革前後の4つに分けている。漢族王朝の維持発展させてきた皇帝制度に、非漢族王朝の個体発生的制度が系統に統一され、清朝にて大成するという大きな流れ。
    中国は氾濫旱魃の多い黄土大地で生きるために農民の家族的共同体意識が強く、その価値観を体系化した礼・儒教が皇帝制度の下敷きとなっていると主張している。

    秦漢代の九卿は家政機関が国家規模に拡大されたもので、国家官制が変遷しても清朝まで残った。皇帝の郎党たる大夫・郎を統べる郎中令・コウロククンと、宮廷内職務の中書・門下・尚書の原型を抱える少府は、後の皇帝政治に与える影響が大であった。
    孝廉は挙孝が儒教的徳目、察廉が法家的行政について問うた選挙制度。

    単純な誤字や事実関係の誤認が目に付いた。校正はきちんとしてほしい。。。

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著者プロフィール

梅原郁(うめはら・かおる):1934-2020年。京都市生まれ。1957年京都大学文学部史学科東洋史学卒業。62年同大学院文学研究科博士課程単位取得退学。京都大学名誉教授。文学博士。専門は中国宋代史、法制・制度史。著訳書に『宋代官僚制度研究』(同朋舎出版)、『宋代司法制度研究』(創文社、日本学士院賞)、沈括『夢溪筆談』(平凡社東洋文庫)、朱熹編『宋名臣言行録』(ちくま学芸文庫)など。

「2022年 『文天祥』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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