煙滅 (フィクションの楽しみ)

  • 147人登録
  • 4.00評価
    • (5)
    • (7)
    • (2)
    • (0)
    • (1)
  • 16レビュー
制作 : Georges Perec  塩塚 秀一郎 
  • 水声社 (2010年1月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784891767501

煙滅 (フィクションの楽しみ)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 「e」を使わずに書かれた小説を、日本語では「い、き、し、ち、に、ひ、み、り」を使わず翻訳した1冊。
    この試みを知って、言語にとても興味のある身としては絶対読みたいと思っていました。すごい!の一言。もっと多くの人に読まれるといいなあ…!

    あとがきを先に読む癖のある人、どうかこの本ではやめて下さい。あとがきを普段読まない人、どうかこの本では読んで下さい。
    おおほんとに使ってない、とか、イ段使えたらこっちの語を使いたかったんだろうなあ、とか考えながら読むのもちょっとはいいけど、まるっきりそればかりで読むのはおすすめしません笑 あと内容も難解になってるから、必死で理解しようとしながらっていう姿勢じゃなくてもいいと思う。おぼろげなイメージを自分の中で形成できる程度で(それが間違っててもあんまり気にしない方向で)読まないと、いろんな意図を全部汲むことなんてできないので分からなさに疲れてしまうと思う。
    ふわふわと読んだなら、あとがきを読んで、「何となくそんな部分もあったけどそんなところまで意図があったのか!」とびっくりしてほしい。イ段の不使用は一要素に過ぎないのがわかる。勿論中心となる要素だけど。

    英語だったら原著も読んでみたかったけど、フランス語、かあ…!ハードル高い!これほどフランス語ができたら、と思ったことはありません。でもいつか原著も手に入れたいなあ…

  • 全編eを使わないで書かれた小説を、”い”段抜きで訳したもの。
    登場人物たちが何かの欠落を感じて様々な解釈、捜索を行い、その正体に気づくと次々と消えていくというストーリーだが、普通の小説と思って読むとかなりハチャメチャで難解。「eの不在」を楽しむ作品なのだろう。
    そのあたりのことが訳者あとがきに詳しく書いてあって、本書の凄さや訳者の苦労がよくわかった。よく書いたしよく訳したものだと思う。

  • 『e』を使わずに書かれた小説。邦訳では『い段』を使わないという制約が課された。
    翻訳についての苦労話は巻末のかなり長いあとがきに詳しい。また、解説としてもかなり踏み込んだところまで書かれている。

  • あとがきのみ。
    翻訳者のいうよくいる読者のひとりとしての読み方ではあるが、
    あとがきだけでも面白かった。
    念入りな仕掛けと、その翻訳に際する悪戦苦闘具合がよく伝わってくる。

  • 第1回(2011年度)受賞作 海外編 第4位

  • 唸るどころか文字通り言葉を失うほどの労作。言語が語り得ることと語り得ぬこと、ことばの限界、翻訳とはなにか…などの問題意識に対して、気の遠くなるくらいの正攻法で、力業で示唆を与えてくれた。うへえ。
    物語と叙述のスタイルとが不可分に絡み合っている稀有な書。寓話的な側面も強くておもしろかった。
    もちろん読むのはしんどかった。
    あと音読するとア段やオ段の連続にたびたび出くわすためつんのめりやすくて楽しかった。
    それから、漢字は複数の文字を持っているので、一瞬禁じられた読みを想定してしまい、直後にその音を「煙滅」させる、というプロセスが頭の中で起こって、それは日本語ならではだよなあと思った。

  • い行がなくなった!?
    実験に実験を重ね多層なる和語を使い廻す(舞わす)。言葉とはサピアウォーフ仮説に従いここにある。いかに欠損した世界でそれを伝えるかが問題である。その手段とメソッドはどうでもいい。ジュルジュ・ペレックはだからこそおもしろい。

  • もともとのeを使わないフランス語の小説をい段を使わないように日本語に翻訳し、言葉遊びも工夫しているのはすごいのだけれど、難解でせっかくの遊びを楽しめる余裕がなかった。

  • 「e」抜きで書かれたフランス語のテキストを、「い」行抜きの日本語にうつしかえるという、苦行めいた翻訳本。ということは、あらかじめ知ってたのですが、読んでみると、フランス語の「e」は文字だけど、「い」行というのは音なので、言語の構造もちがうんだよなあと、あらためて思ったり。しかし「い」音がつかえないというのは、なかなかに苦しいもので、知らない言葉による言い換えがたくさん出てくるので、私は『広辞苑』を傍らに置いて読みました。まあ、むずかしい漢語への言い換えくらいはいいのですが、英語でカタカナ書き(飛行機→エアクラフト)しちゃうのは、きびしすぎないだろうか。その他、文中で引用されるフランス語の詩のテキストを西条八十や中原中也に置き換えちゃうなど、翻訳の概念を超えたすご技もみられます。でも、どうだろう、これほどこだわった形式にみあった中身かというと…むしろナンセンスな内容だから意味がある? これがナチスのユダヤ人絶滅計画をリファーしてるという解釈は、ちょっと深読みにすぎるんではと、私は思いましたが。

  • [ 内容 ]
    “い”段がない!?
    失踪した男と失踪した“文字”をめぐる、前代未聞のミステリー。

    [ 目次 ]


    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

全16件中 1 - 10件を表示

ジョルジュ・ペレックの作品

煙滅 (フィクションの楽しみ)を本棚に「読みたい」で登録しているひと

煙滅 (フィクションの楽しみ)の作品紹介

"い"段がない!?失踪した男と失踪した"文字"をめぐる、前代未聞のミステリー。

ツイートする