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- Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
- / ISBN・EAN: 9784891767501
感想・レビュー・書評
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「e」抜きで書かれたフランス語のテキストを、「い」行抜きの日本語にうつしかえるという、苦行めいた翻訳本。ということは、あらかじめ知ってたのですが、読んでみると、フランス語の「e」は文字だけど、「い」行というのは音なので、言語の構造もちがうんだよなあと、あらためて思ったり。しかし「い」音がつかえないというのは、なかなかに苦しいもので、知らない言葉による言い換えがたくさん出てくるので、私は『広辞苑』を傍らに置いて読みました。まあ、むずかしい漢語への言い換えくらいはいいのですが、英語でカタカナ書き(飛行機→エアクラフト)しちゃうのは、きびしすぎないだろうか。その他、文中で引用されるフランス語の詩のテキストを西条八十や中原中也に置き換えちゃうなど、翻訳の概念を超えたすご技もみられます。でも、どうだろう、これほどこだわった形式にみあった中身かというと…むしろナンセンスな内容だから意味がある? これがナチスのユダヤ人絶滅計画をリファーしてるという解釈は、ちょっと深読みにすぎるんではと、私は思いましたが。
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