本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (395ページ)
- / ISBN・EAN: 9784891768638
作品紹介・あらすじ
実在の「狂人」たちをテーマに『不正確科学百科事典』を執筆するシャンベルナックとブルジョアの一家、リモン家。二つの世界が交錯し、突飛な「狂人」たちの言行が、破局へ向かう時代の空気を照らし出す。人間の愚かさを根源的に問う、クノーの知られざる傑作。
感想・レビュー・書評
-
作家のクノー自身が手がけた狂人研究調査「不正確科学百科事典」を組み込んだ作品。この18〜19世紀の狂人研究部分と現代(両世界大戦間のフランス)のリモン家の物語が互いに共鳴する構造になっている。クノーの他の作品同様、登場人物は皆、何らかの象徴を背負っている(このへんの謎解きのある巻末解説はとても楽しい)。
前半から中盤は共鳴する構造が非常に効果的で、心地よいスピード感がある。しかし、後半に入ると分量を増す狂人パートのくどさがリズムを損ねていて残念。そもそも狂人パートは創作ではないらしいのだが。いっその事、狂人のエピソードも魅力的な創作にしたらと思ってしまいました。
最後の落ちはグッド。
刊行から時間がかかってしまったが、これでクノーコレクション全13巻を全て読了。手の込んだ構成や歴史の知識が必要だったりと、とっつきにくい所もあるクノーの作品だが、語り口のうまさとユーモアは今でも若い読者を獲得する魅力が十分あると思う。楽しかった。 -
クノーのマトリョーシカ作品。とてもおもしろかった。
全3件中 1 - 3件を表示
羨ましいなぁ、、、
羨ましいなぁ、、、