魔術的リアリズム―二〇世紀のラテンアメリカ小説 (水声文庫)

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著者 : 寺尾隆吉
  • 水声社 (2012年10月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784891769185

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魔術的リアリズム―二〇世紀のラテンアメリカ小説 (水声文庫)の感想・レビュー・書評

  • 寺尾隆吉『魔術的リアリズム』(水声社)刊行記念イベント
    ラテンアメリカ文学の魅力
    寺尾 隆吉(フェリス女学院大学准教授)×鼓 直(法政大学名誉教授)
    ■日時:2012年11月8日(木)19時30分 ~
    http://www.junkudo.co.jp/tenpo/evtalk.html#20121108_talk

    水声社のPR
    「コンパクトなラテンアメリカ文学の入門書が新たに登場!
    『グアテマラ伝説集』のアストゥリアスから、
    『この世の王国』のカルペンティエールまで、
    ルルフォの『ペドロ・パラモ』から、
    ガルシア・マルケスの『百年の孤独』、
    そして現代のラテンアメリカ作家たちまでも視野に入れ、
    ラテンアメリカ文学の象徴とも言える「魔術的リアリズム」の手法を明らかにするラテンアメリカ文学ファン、そして外国文学愛好家必携の書。

    想像力による世界の変革。
    ボルヘス、ガルシア・マルケス、アジェンデ、バルガス・ジョサ……
    数々の作家を世界に送り出し、一世を風靡したラテンアメリカ小説には
    《魔術的リアリズム》という手法があった。
    その重要な諸作品を歴史的背景とともに辿りながら、
    物語に社会変革の希望を託した作家たちの手法を明らかにする。

    《魔術的リアリズムの作家たちは(…)書く行為を現実と並存する
    空想世界の構築と結びつけ、そこから現代世界の置かれた状況を
    新たな目で捉え直すことで、変革への道標を示そうとする。(……)
    その意味では、危機に生きる辺境のエネルギーを原動力とした文学作品こそ、実は世界変革の可能性を内に秘めているのかもしれない》(本文より)」

  •  ラテンアメリカ現代文学の代名詞でありながら、その定義がいち読者にはもう一つ分かりづらい「マジックリアリズム」をラテンアメリカ諸国の文学史のみならず歴史を俯瞰的に解説した優れた評論本。明解かつコンパクトでもありおすすめ。
     が、入手困難なドノソの「夜のみだらな鳥」はともかくマルケス「百年の孤独」「族長の秋」の詳細な内容も触れられているので未読の方は要注意。私は未読だったので失敗しました(笑)。実のところ、先にあらすじとかを知っても気にならない方なのでそれほどがっかりはしていない。初心者にも分かりやすいだけに自分のように「ラテンアメリカ文学に詳しくなくて、あらすじ紹介とか先に知っても苦にならない」人向けとかややこしいことを言いたくなってしまう(笑)。
     それから現在Amazonではいきなり入手困難で高額な古本が出ているけど、他のオンラインショップで買えるみたいなのでそちらをどうぞ(笑)。

  • 巻末のブックガイドを参考に、いよいよ読み出そう。

  • ガルシアマルケスの「百年の孤独」と「族長の秋」をメインとして、魔術的リアリズムと呼ばれるジャンル(特に、ラテンアメリカ作家のもの)の中身や歴史を解説している。

    魔術的リアリズムの定義やその中身については、読んでてそこまで分からなかったので面白かったし、ボルヘスらとの違いやガルシアマルケスの「模倣者たち」との違いも知識として勉強になった。

    序盤は知識の羅列ぽくて退屈かと思ったが、ガルシアマルケスの話あたりから本領が発揮され始める感がある。

  • ラテンアメリカの小説=“魔術的リアリズム(マジック・リアリズム)”という印象は何となくあったけれど、実際「魔術的リアリズム」はどんな定義なのか、という疑問が氷塊する好著だと思う。
    記述のスタイルは多少学術的な感じがするけれど、ガルシア=マルケス、ボルヘス、カルペンティエール、バルガス=リョサ(本書では“ジョサ”と表記)、ドノソといった作家の作品を読んだことがあったり、ラテンアメリカ文学そのものに興味があればなんのことはないはず。
    魔術的リアリズムの始原から、ブーム、大衆化という時系列的な流れでたどるので、その順番に色々な小説を読みたくなってしまう。ブームの頃をオンタイムで味わっていないし、これまでそこまで身近にラテンアメリカ小説があったわけでわなかったので、その辺りの事情を把握するにはうってつけかもしれない。
    さて、肝心な魔術的リアリズムの本質だけれども、著者が一言でまとめている箇所によれば

    非日常的視点を基盤に一つの共同体を作り上げ、そこから現実世界を新たな目で捉え直す

    としている。
    もちろんこの部分だけ読んだってそこまでピンとくるわけではないから、アストゥリアス『グアテマラ伝説集』やカルペンティエール『この世の王国』からアジェンデ『精霊たちの家』までさまざまな小説を取り上げながら論じているわけだけれども。
    結びでエルネスト・サバトが提起していた「フィクションの矛盾」についての言葉が引用されているが、それをここでもそのまま引用しておく。

    良い小説の特徴は、読者を作品世界に引きずりこんで現実から切り離し、まわりを忘れるほど夢中にさせてしまうところにある。にもかかわらず、それが身の周りの現実をしっかりと暴き出していることに変わりはないのだ。

    シンプルだけれど、まさしくそうだと首肯かざるをえない。
    最後に、本書で挙げられている「魔術的リアリズムを理解するためのブックガイド」の本を列挙しておく。なお、本にはそれぞれの作品に解説が添えられている。

    *ミゲル・アンヘル・アストゥリアス『グアテマラ伝説集』
    *アドルフォ・ビオイ=カサーレス『モレルの発明』
    *ホルヘ・ルイス・ボルヘス『伝奇集』
    *アレホ・カルペンティエール『この世の王国』
    *フアン・ルルフォ『ペドロ・パラモ』
    *カルロス・フエンテス『済みわたる大地』
    *マリオ・バルガス=リョサ『都会と犬ども』
    *ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』
    *ホセ・ドノソ『夜のみだらな鳥』
    *ガブリエル・ガルシア=マルケス『族長の秋』
    *レイナルド・アレナス『夜になるまえに』

    ちなみに個人的にはドノソ『夜のみだらな鳥』、マルケス『族長の秋』をものすごく読みたくなったのだけれど、前者は古本でしか手に入らない上、けっこうな値段がついている…。

  • 初めてラテンアメリカ文学に出会ったのは、学生時代なのでかれこれ20年くらい前だろうか。
    魔術的リアリズムとは何とも不思議な表現だ。魔術ねぇ。
    この魔術的リアリズムって、ラテンアメリカ文学固有だと思っていたらそうでもないらしく、日本では安部公房辺りも該当するらしい。
    ラテンアメリカ文学、読みたくなってきた。

  • 魔術的リアリズムを定義し、かなり窮屈なしばりをかけているように感じた。ガルシア=マルケスの『百年の孤独』を代表とする正統的な魔術的リアリズムと、『精霊たちの家』のイザベラ・アジェンデやパウロ・コエーリョ、ルイス・セプルベダらをはっきり区別し、後者を魔術的リアリズム的な作品とし、魔術的リアリズムの商業的ブームに乗ったベストセラーだと位置づけている。筆者の考える魔術的リアリズムに該当する作品はほぼ言及されており、翻訳書の有無も分かるので、魔術的リアリズムに興味のある向きは参考にされるといいだろう。

  • 極めて曖昧なマジックリアリズムの定義をはっきりさせてくれる一冊。

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魔術的リアリズム―二〇世紀のラテンアメリカ小説 (水声文庫)の作品紹介

ボルヘス、ガルシア・マルケス、アジェンデ、バルガス・ジョサ…数々の作家を世界に送り出し、一世を風靡したラテンアメリカ小説には"魔術的リアリズム"という手法があった。その重要な諸作品を歴史的背景とともに辿りながら、物語に社会変革の希望を託した作家たちの手法を明らかにする。

魔術的リアリズム―二〇世紀のラテンアメリカ小説 (水声文庫)はこんな本です

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