想起のかたち―記憶アートの歴史意識

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著者 : 香川檀
  • 水声社 (2012年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784891769208

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想起のかたち―記憶アートの歴史意識の感想・レビュー・書評

  • 面白かった。クリスチャン・ボルタンスキー目当てで読み始めたが、表紙のジークリット・ジグルドソン《静寂の前に》、レベッカ・ホルン《逆向きのコンサート》に惹かれた。一言で「記憶アート」といってもさまざまな形態のものがあると思い知らされた。ドイツにおけるホロコースト記念碑論争、女性アーティストによる作品のジェンダーに関することなどに興味を持つきっかけとなった。記憶アートについての重要な部分が一冊にまとまっている本。

  • 以下引用

    造形芸術はその昔から、出来事の記憶を刻んだり、死者を弔ったりするための像や碑として、過去の想起に関わってきた

    通常の歴史記述とは異なるイメージ表象ならではの歴史意識の可能性を探る

    人間の記憶は、言語としてよりも非論理的なイメージとして心的装置内に保存されているものであり、その意味では文学などの言語藝術よりも絵画や写真、映画などの視覚芸術との親近性を持っている。

    記憶の核となるような要素は、手触りや匂い、音、空間感覚などといった視覚以外の非論理的な身体感覚に根ざしており、そうした感覚の大半は、立体作品や空間インスタなどの造形芸術が探求する世界にほかならない。そこでは現実を透明に再現ー表象するのではなく、むしろそれを拒むような不当眼jな物質性を帯びたイメージが生み出されていく

    現代は、アートがいままで以上に根源的なやり方で社会の抱える負の記憶に向き合い、死者を弔う行為と交差している時代ではないだろうか

    歴史を客観的叙述、記憶を主観的叙述と区別し、対立しあうものとする考え方はできない

    場所のアウラ

    歴史の記憶を、アートで見せる

    アートが記念碑やアーカイブといった既成の記憶装置を批判的に模倣し、対抗的な記憶の場を創出する事例

    想起のための場所

    ★リクールは、最晩年の歴史・記憶研究のなかで、「書かれた史料的痕跡」と、「印象としての心的痕跡」を区別する必要であろう。と述べた。

    →これだな、これがやりたい。

    ★過去の出来事を再構成しプロット化する歴史叙述とは異なる、情感としての書き込み→イマージュの持続

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想起のかたち―記憶アートの歴史意識の作品紹介

ナチズム/ホロコーストという負の記憶を自らの作品に据え、イメージの"想起"をうながす"後から生まれた世代"の4人の美術家たち-ボルタンスキー、ゲルツ、ホルン、ジグルドソン。彼らの作品がもつ構造、意味作用の分析を通して美術家たちによる"歴史の表象"への扉をひらく。図版多数収録。

想起のかたち―記憶アートの歴史意識はこんな本です

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