別れ (フィクションのエル・ドラード)

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制作 : Juan Carlos Onetti  寺尾 隆吉 
  • 水声社 (2013年10月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (163ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784891769536

別れ (フィクションのエル・ドラード)の感想・レビュー・書評

  • 傍観者に過ぎなかったはず「私」が、ほんの一瞬だけ主人公に切り替わる瞬間が鮮やかでにハッとした。

  • どのページも独創的に寒々しく陰鬱で、窒息させられそうですばらしい。治らない傷をわざわざ触って痛みを確認するような読書体験ができる。

    『はかない人生』も読みづらかったけれど本書も負けない読みにくさ。もしかしたらスペイン語ならそれほどでもないのかもしれないけれど、オネッティ先生は「このとおり僕らは分かり合えないのです」と言っているのではないかと。どの話でも、無気力なディスコミュニケーションのなかで静かに絶望しながら人が倒れていくのだから。

  • 「別れ」、「この恐ろしい地獄」、「失われた花嫁」と中短編で構成されている。以下自信がないので、ネタバレ機能発動します。









    「別れ」はもうすぐ死を迎える男をバーの店長の目を通して描いている。悲しくもあり、むなしさが伝わる一編。
    「この恐ろしい地獄」は男に対する復讐劇で、なぜという疑問を展開しつつ進んでいく。
    「失われた花嫁」は同性として切ないものを感じた。

    無駄を一切排除した乾いた語り口は、却って読む側の好奇心をくすぐられた。こうした語り口は中南米作家に見られる独特のものなのか、わからないが、難解であると同時にその風土さえ思い起こさせられる。
    久々に硬質な文章に触れられ、個人的には満足だった。

  • ボラーニョの興奮を引きずったまま、積読からもう1冊南米文学。こちらも初オネッティ。収録作3編で、いずれも主人公あるいは語られる人物が何らかのオブセッションにとらわれている話。表題作『別れ』は面白く読めたが、あとの2作、特に最後の『失われた花嫁』は少しわかりにくかったので、他のオネッティの作品を読んでから、また再読したい。

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別れ (フィクションのエル・ドラード)の作品紹介

田舎町のホテルにひとりの男がやって来た。無愛想な人柄…若い娘との待ち合わせ…妻子の来訪…町人たちは噂し、疑り深い語り手は男の背景にひとつの物語を紡いでいくのだが…語り手の視点から言葉巧みに読み手を作品世界へと誘い、作者自らこの作品を偏愛した秀逸な中編。表題作のほか、モンテビデオで起きた実話を憎愛と復讐の物語へと変貌させた「この恐ろしい地獄」。婚礼というオブセッションに取り憑かれた狂女を幻想的に描いた「失われた花嫁」の傑作短編を収録。

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