渡辺一夫 敗戦日記

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著者 : 渡辺一夫
制作 : 串田 孫一  二宮 敬 
  • 博文館新社 (1995年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784891779597

渡辺一夫 敗戦日記の感想・レビュー・書評

  • 夕日が射す居間にて読み終える。世間は三連休らしく、近所は静かで、西日だけがうるさい。わたしは先生の引くことばのように、太陽を直視することはできないらしい。南の空を見上げて、先生のことばを読み返す。

    「負けてはならない。さう思ふ。己の精神・思想に生きつくすのだ。死は恐ろしい。しかし、己の思想が敗れて死ぬのではなく、勝つならば死も欣ばしい。必ず勝つ。一日一日の情勢がこれを教へてくれる。決して情報局製の信念ではない。勝つものは勝つといふ現実の教へる確信だ。妻子に別れるのはつらい。しかし、これは思想の為に生き且つ死ぬ人間の忍ばねばならぬことだ。Rolland〔ロマン・ロラン〕のことばを想起せよ。封建的なもの、狂信的なもの、chauvinisme〔排外主義〕は、皆敗ける。自然の、人類の理法は必ず勝つ。Vive l'humanité.〔人類の栄んことを〕」

    まるで遺書を認めるかのような心、その底にある希望。正義は勝つとヒーローは高らかに笑う。実際の世界はべつとしても、それでも夢みるだろう。Vive l'humanitéと声をそろえるだろう。

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渡辺一夫 敗戦日記はこんな本です

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