文学賞メッタ斬り!

  • PARCO出版
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感想 : 52
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  • Amazon.co.jp ・本 (391ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784891946821

感想・レビュー・書評

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  • 文学賞あるある。

  • まず、今までそれほど意識してなかった、文学賞がこんなにも沢山あるのかと驚いた。マイナーなものまでいれると500くらいあるだそうだ…。

    本書の「ROUND4」『選考委員と選評を斬る!』には、文学賞の選考会、選考委員の先生方の裏話が実にたまらなく面白く紹介されていて、笑ったのはいいが、どうにか私が知っている芥川、直木賞もこんなものなのかと考えこんでしまった。

    たとえば、

    『芥川賞は、目利きじゃない。村上春樹も島田雅彦も高橋源一郎も逃している。』だの『直木賞は賞を与えるタイミングを間違えている。』

    に、ぼんやりと思っていたことが当たっていて、ふーんそうなのかと。

    が、まあ、読むべき興味は、『はじめに』で大森望さんが

    『あくまでも、三度のメシより小説が好きな男女が語る、「小説好きによる小説好きのための小説賞ガイド」だと思ってください。』

    と書いていらっしゃるように、文学賞にまつわる、主な賞のなりたち、どんな本が賞になったか、裏話、ひいては文学におけるジャンルの話、(純文学、ミステリー、SF,ライトノベル、エンタテインメント、等々)外国の賞の話と盛り沢山ある。

    文学、本、小説の話題の嵐である。文学賞を語りながら、文学を深く語っている、しかも活きのいい現代のものを。著者の大森望さん、豊崎由美さんが本をよく、たくさん読んでいらっしゃること!ほんとの本好きだ。

    私にとって印象深かったのは(猫のゆりかごさんも書いてらっしゃるが)ジャンル・クロスオーバー傍流(スリップストリーム)小説のこと。純文学でもない、ミステリでもホラーでもない小説のことをいうらしい。これにファンタジーを加えて、それがこの頃の文学の主流ではないかと密かに思うのだが。

    ああ、やっとがわかりかけてきた……現代本事情のことが…。
    ほんとに、勉強になった。これは私にとっていい本だ。
    メモが厖大になり、真っ黒になってしまい、図書館で借りた本なのでやっぱり買わずばなるまい。(笑)

    かって私にとって、本の読み方のバイブルは二つの「文学入門」だった。伊東整氏と桑原武夫氏のもの。(ちょっと古いが 笑)今やとって代るかも知れない「文学賞メッタ斬り!」に。

    しかし桑原氏のお説、本を読む楽しさは「インタレスト(興味、おもしろさ)がなければならない。」は変わらないと思うよ。

  • 2004年3月18日、初、並、帯付
    2016年7月13日、伊勢BF

  • 帯の○○賞受賞作!!という文字に釣られて読んでみたものの、うーん、自分にはいまいち…なんてことがよくあるけれど、これを読んでなんか納得。でも、文学賞の多いこと多いこと!主なものには、ちょっとした解説があるので、これからは、この賞は注目しようかなというものがいくつかできました。
    個人的には、泉鏡花賞と山本周五郎賞の作品は結構好きなものが多いです。

    面白いのは何と言っても、審査する先生方についての章!
    読んだことがなくても名前は知ってるような大先生方が、ツモちゃん、ジュンちゃん(下半身担当)、テルちゃん(とにかく読まない、読めない?)ですから。これからは、選評欄も絶対読もうと思った。

  • 候補作をほとんど読んでいなくても楽しめる

  • ツモちゃん(津本陽)半端ないっ
    山田詠美ちゃんのエッセイを読みたくなった。


    好きな作家が評価されたり貶されてたり。
    結論として芥川と直木賞は信用ならないということか。

  • 2007/8/16
    L-T
    2007/8/17
    2007/8/28

  • 2007/5/28購入

  • 2007年5月22日(火)、読了。

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著者プロフィール

1961年、高知県生まれ。翻訳家。書評家。責任編集を務めた『NOVA』全10巻で第34回日本SF大賞特別賞を受賞。訳書にウィリス『航路』、劉慈欣『三体』(共訳)他。編著に『ベストSF』シリーズ他。

「2023年 『NOVA 2023年夏号』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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