傷だらけの店長 〜それでもやらねばならない〜

著者 :
  • パルコ
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本棚登録 : 351
感想 : 72
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784891948245

感想・レビュー・書評

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  • 本が大好きで本屋が大好きな店長の奮闘記。

    愛ゆえに怒り、落ち込み、傷つき、読んでいて楽しい本ではない。
    でも店長の真摯な思いは素晴らしいと思った。

    私も本屋が好きだ。
    本屋で働きたいと思ったこともある。
    自分の好きな本屋で本を買い続けるために、客の立場から出来ることは何だろう?

  • 話題になってから、随分時間がたってしまったけど、読了。
    書店の店長さんの飾らない本音がぐっと胸にくる。それだけにタイムリーな時期に読み、現役の書店員さんの感想を聞いたり、見たりしたかった。
    著者の「本」に対する思いに共感。
    また、書店の「棚」というのをあらためて見てみようと思った。各書店ごとに、あるいは各担当者ごとに、随分と差があるのだろうか?
    まずは自分の仕事にも関連する「酒・ワイン」の実用書関係の棚を中心に都内の書店をいくつもいくつも見てみることにする。

  • 書店員の隅っこで働いてる私も共感いたしました。2010年のベスト1です

  • 二十年間書店員をやってきて、何処に辿り着いたのか。胸を突く一冊

  • いやぁ、きつかった。本をこよなく愛し、本屋ということに高いプライドを持つ男の戦いの毎日。これを読むには力がいります。精神状態がよくないときに読んだので、…つらかったです。でも、いい本。

  • 書店で働いた体験をありのまま書いている。

    書店員の悲しさが書かれているが、文章に迫力がなく、あっさりしすぎだ。もう少し文量が欲しい。

    本をいくら読んでも文章は上達しないんだなと改めて感じる。

    不器用な生き方ではあるが、芯がある。葛藤が人間味あっていい。

  • 途中までは実話だとは思わずに読んでいました。例えば出久根達郎氏の古書店ものがフィクションとノンフィクションの間を行く作品であるような感じであると。現実は厳しいのですね。結局自分の周りでも、「街の本屋さん」は姿を消している。大きな街の「ナショナルチェーン」の本店や支店で本を購入するか、ネットで入手しているものな・・・。

  • 書店の仕事って大変だったんだ(;・∀・)
    どこも書店でもこだわりをもった人がいるのかな?
    私は大手の本屋さんでも、質問してもよくわかってないパートのおばさんみたいな人しか知らないけどな。
    でもどの業種でもきっと同じことがあると思うし、書店に限らない話のようなきがする。

  • 地元の書店(小規模チェーン店)の店長が、日々の仕事の悩みや苦しみ、怒り、無力感、大型店との競争に敗れた挫折感までを赤裸々につづった本。出版業界紙「新文化」の連載の単行本化で、「最後まで抗い続けた書店店長のどうしようもなくリアルなメッセージ」が帯のコピーである。

    「本」に携わる人間のひとりとして、ときに怒り、ときに涙し、ときに微妙な距離感を覚えながらも、一気に読み終えてしまった。ぐいぐいと引きこまれる力のある文章で、知っているようで意外と知らない書店の現実に目が見開かされる思いがした。

    出版不況に先行する形で、書店はずっと数を減らし続け、完全に斜陽産業となっている。雑誌はとうの昔にコンビニに奪われ、コミックの売上も落ち、活字離れで本も売れない。大型チェーンが増床・新規出店をくり返す一方で、地元の書店は淘汰され、ネット書店がその間隙を縫って台頭する。

    さらに、電子書籍の大波が近い将来、出版流通を大きく変えるといわれている。物流・小売部門の取次・書店だけでなく、製造部門の印刷・製本、さらには出版社さえ「中抜き」される危険があるという。中間利益を搾取する古くさい産業は去れ、という声は根強い。

    そうした抽象化された議論の背後には、しかし、圧倒的な現実がある。そこからあぶれた人たちの苦労があり、生活があり、職業人の誇りがあり、挫折もある。そのことの重みに胸が苦しくなる。

    でも、とつぶやく私もいる。これって「本屋」が舞台だから「本」になっただけで、小売店はどこでも経験してきたことじゃないだろうか、と。

    近郊に大型のショッピングセンターが進出したために、地方の駅前に生まれたシャッター商店街。コンビニやマクドナルド、牛丼、スタバなどの全国チェーンに蹴散らかされて消えていった地元の商店。ブームに乗って一旗揚げようと無数に乱立したあげくに淘汰の波にさらわれたラーメン屋、カフェ、居酒屋などの飲食店。

    そこにはそれぞれ泣きたくなるようなストーリーがあったはずだけど、そうした顛末に、本にするほどの価値はほとんどない。残念ながら、読者はつかない。

    もうひとつ。ここには電子書籍はおろか、アマゾンもブックオフも登場しない。ナショナルチェーンの大型店が近所にできただけである。それでも、この店は潰れるしかなかった。どれだけ思い入れがあっても、どれだけ嘆こうとも、逆にどれだけ力を入れても変えられない運命だった。そういう突き放した見方もできる。

    閉店間際。スカスカになった棚を見て、「クソだな」「本屋の体をなしていない。こんなの俺の店じゃない」と毒づく主人公。しかし、どういうわけか売上は、丹誠込めて棚を作り込み、ぎっしりと本が詰まっていた時期とそれほど変わらなかったという。
    「結局、俺の自己満足だった、ということなのだろうか?」とは、そのときの主人公の述懐である。

  • 書店の置かれた厳しい立場は分かるけど、読んでると愚痴に聴こえてしまう。
    俺は連休も取れない、朝から晩まで働いてるんだ、って。
    筆者がそれをアピールすることを目的として書いたのではない、ことは分かるのだけど、どうにもその事が強く主張され過ぎてて好きではなかった。

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著者プロフィール

だて・まさひこ Masahiko Date 尚美学園大学教授。
共編著、執筆書に
『ゴーレムの表象  ユダヤ文学・アニメ・映像』
(大場昌子・坂野明子・伊達雅彦・佐川和茂 編著、
 南雲堂、2013年)、
『ユダヤ系文学に見る教育の光と影』(広瀬佳司・
 伊達雅彦・佐川和茂 編著、大阪教育図書、2014年)、
『ユダヤ系文学と「結婚」』(広瀬佳司・
 佐川和茂・伊達雅彦 編著、彩流社、2015年)、
『ホロコーストとユーモア精神』(広瀬佳司・
 佐川和茂・伊達雅彦 編著、彩流社、2016年)、
『ユダヤ系文学に見る聖と俗』
(広瀬佳司・伊達雅彦 編著、彩流社、2017年)、
『衣装が語るアメリカ文学』(西垣内磨留美・山本伸・
 馬場聡 編著、金星堂、2017年)、
『ホロコースト表象の新しい潮流 
 ユダヤ系アメリカ文学と映画をめぐって』
(佐川和茂・坂野明子・大場昌子・伊達雅彦 編著、
 彩流社、2018年)、
『ユダヤの記憶と伝統』
(広瀬佳司、伊達雅彦 編著、彩流社、2019年)、
『ソール・ベローともう一人の作家』
(日本ソール・ベロー協会 編、彩流社、2019年)、
『ジューイッシュ・コミュニティ  ユダヤ系文学の源泉と空間』
(広瀬佳司、伊達雅彦 編、彩流社、2020年)など。

「2022年 『現代アメリカ社会のレイシズム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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