「はらぺこあおむし」と学習権: 教育基本法の改定に思う

著者 :
  • 一ツ橋書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (63ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784891971236

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  • ひらがなを覚えた書けた整った一年生はちょうちょに変わる
      底押悦子

     ドキュメンタリー映画「かすかな光へ」(森康行監督、2011年)が映し出したのは、90歳を超える現在も講演や執筆をこなす教育研究者・大田堯の姿であった。
     教育史と教育哲学を専門とする大田は、1918(大正7)年、広島県生まれ。岩波新書「教育とは何か」ほか多数の著書があり、「『はらぺこあおむし』と学習権」は、エリック・カールの絵本を話題に、教育のあり方と学習権を解説したブックレットである。
     掲出歌は、そこに引用されていた新聞歌壇の投稿歌。字を覚えた子どもたちは、青虫から美しい「ちょうちょ」へと、みずから変身をとげてゆく。大切なのは、その「みずから」変身するという点だ。
     人間は、教えられて変わるのではない、と大田は説く。そもそも人間にはみずから変わる力があり、感じ、学ぶことで成長する生物なのだ。
    こんな歌も引用されていた。

      おのづから満ちくるありてをさな児は手を振り払ひ歩みそめにき
        穴澤芳江

     作者は「をさな児」の祖母らしいのだが、小さな生命は、祖母の手を振り払ってみずから直立二足歩行を選択している。
     生命の第一の特徴は、一人一人が「ちがう」ということだ。そのちがう一人一人に、自己創出力は備わっている。保護者や教育者が担当するのは、その自己創出力の介添えと、演出。シンプルだが、大切な発想であることに改めて気づかされる。

    (2012年7月15日掲載)

  • <はらぺこあおむしと学習権-大田尭>教育とは人間の自己創出力を補助するものという筆者の意見は他の著作でも述べられておりブレがない。子供を1つの惑星としたら、親や教員はその衛星であるという比喩が僕ぁ大好き。GTや農村の持つ教育の可能性を探る上で大田尭さんの著書は必読と最近よく思う。

  • <pre><u><h4 Align="center">教育のはなし〜公教育の行方〜</h4></u>
    <b>絵本「はらぺこあおむし」のあおむしのように、あら
    ゆる生き物は、自ら変わる力、自己創出力をもってい
    る。生き物のこうした自己創出力という自然の摂理に
    深く根ざす「学習権」の問題から教育について考える
    。</b>(TRC MARCより)

    資料番号:011005824
    請求記号:373.2/オ
    形態:図書</pre>

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