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- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784892030307
感想・レビュー・書評
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色々と示唆を受けた。このようなスタイルの本はアカデミックな世界から敬遠されがちだろうなとは思われる。実際、実証主義的厳密さがどこまで保たれているかは疑問の残ろところではあるのだろう。但し、そうした研究としての厳密さについてはコックス自身が本書でも言及している通り、いわゆる東洋的宗教実践を理解しようとするなら、方法は二つある。徹底して客観的であり続けるか、自らもそれを実践するか、だ。前者は研究としての厳密さを保証するように思えるが、もしかしたらそうした客観性からこぼれ落ちてしまう何かもあるかもしれない。後者は、実証性を疑われるかも知れないが、当代の言葉でいえば「当事者性」を持った研究としての面白さはあるのかも知れない。いずれにせよ、ここに書かれているエスノグラフィーは、1960年代から70年代あたりのアメリカにおける東洋主義運動という特異ではあるが興味深い現象の優れた記録となり得ているのは確かだと思う。その時代の雰囲気を感じさせる良書ではないだろうか。
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