タオのプ-さん

  • 平河出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784892031588

感想・レビュー・書評

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  • 老子の、自然の流れに身を任せ、その内の独自の性質に従えという、いわゆるタオイズムを、プーさんの物語を交えながら、分かりやすく書かれている。自分独自の性質というものを見極めることが大切で、その感覚に素直に従って、逆らわず生きること、すると、「なぜだか」万事うまくいく。

  • タオイズムをプーさんの世界で語る。
    参考になった点。

    ・<あらき>の原理―「彫られていない木(アンカーヴド・ブロック)」
     本来の素朴さをそなえているものには生来の力がある。

    ・内なる自然
     その人を唯一無二の存在としている特別な〈何か〉

    ・適材適所
     どんなものにもそれ相応の場と働きがある。
     自分自身の〈内なる自然〉を知り、それを尊重すれば、自分のいるべきところがわかる。自分のいるべきでないとこ ろもわかる。あるひとにとって良いものが、ほかのひとには悪いものになる事もある。

    ・限界
     賢明な心は、自分自身にはある一定の限界があることを心得ており、それ相応の行動をとる。ただしこれは、変化や向上を止める必要がある、というわけではない。そこにあるものを認める必要があるというだけのことだ。
     中国医の格言「一病長命、 無病短命」
     自分の悪いところを知っているものは、それ相応の注意をするから、自分は完全に健康だと思って、弱いところを軽視するひとたちよりずっと長生きする傾向がある、ということ。
     自分の限界を理解してしまえばそれと上手くつきあっていけるが、それを無視するからおかしくなる。
     必要なのは、〈内なる自然〉を認め、あるがままのものと ともにやっていくこと。
     
    ・科学
     近視眼的科学をまねる必要はない。科学は絶対わかりっこない答をさがして、かえって疑問をふやしてしまう。また、不必要な問いを発して無意味な解答を出す。

    ・短所
     生きていれば、遅かれ早かれ我々は自分自身について気にくわないところを見つけてしまう。しかし気づいてしまえば、それをどうしたいのか、決めることができる。
     否定的感情とされているものをなくそうとして苦労するかわりに、肯定的に利用するすべを身につけることができる。 
     自分自身に逆らうよりも、多くの場合、自分の弱点やいやな性質をいままでとはちがった方向に向けてやるだけでいい。
     マイナスをなくすもっとも簡単な方法は、多くの場合、それをプラスに変えること。


    ・アイデンティティ
     みにくいアヒルの子の物語で、みにくいアヒルの子がみにくいと感じなくなったのは、 いつだったか? 自分が白鳥だと気づいたときだ。賢明なひととは、あるがままのひとだ。かれらは自分のもっているものを使って自分にできることをする。
     自分自身には取り除く必要のある部分もあれば、変える必要のある部分もある。だからといって、あまりガムシャラに、冷酷に、闘争的になりすぎるにはおよばない。
     まずしなければならないのは、自分自身の内なる自然を認め、信頼し、見失わないこと。
     我々ひとりひりのなかにはなにか特別なものがあり、それを保ちつづける必要がある。


    ・無為
     行動するタオイズムの最も特徴的な要素。
     物事は、変に考えて干渉せず、あるがままに任せることで上手く進んでいく。
     無為の働きは、行く手の岩の上やまわりを流れる水にも似ている。
     自分自身の〈内なる自然〉と、そのまわりで働く自然法則とともにやっていくことを覚えれば、無為のレベルに到達する。 


    ・時間
     時間は節約などできない、使うことしかできない。
     報酬の為に時間を惜しんで(せかせかと)過ごす→イスガシ・スギカエル・・・これはタオイズムの対極にある
     本当に重要なのは、プロセスそのものであり、プロセスを楽しむこと。


    ・自信
     どんな人であれ、その人なりの能力と価値がある。自他を比較して羨んだり妬んだり競争したりしない。自信を持って自分の力で出来ることをしていけば良い。
     ほんとうに幸せになりたいのなら、自分が何者で、なにを持っているか、それを見る目をこやすことがその第一歩だ。

    ・太虚、無心、空
     からっぽの心、澄んだ心にこそ、知恵は宿る。
    知識、『りこうさ』、抽象的概念、といったものが詰まった心では、本当に価値のあるものは見えてこない。

  • 「くまのプーさん」と「プー横丁にたった家」を愛読していた人で、
    タオイズムのことを知りたいと思う、初心者にはとってもありがたい本だと思う。
    (という人って、そんなにいるのかしら? と、思ったらこの本、結構なベストセラーでロングセラーだった)

    そうか、タオイズムって、あのプーさんの「なんにもしないをする」って、ことなのか……。と、思いいたる。

    プーさんの言っていることって、時々わかんないなあ、ちょっと難しいかも……と、思っていたのが、この本を読むと「あ、だからか……」と合点がいくような部分があるように思う。

    子どもの本を侮るなかれ、子どもの本とは、大の大人が自分の哲学を子ども語に翻訳しているものなのだ。
    なので、哲学を持たない作者の児童書は、つまらないことこの上ないのだと思う。

  • プーさんを引用しながらプーさんの2次創作もしつつ、老荘思想を解説し、同時に現代社会を批判する本です。よくまとまっていて、読みやすい本です。あるがままの自分で無理なく進めば道はおのずとひらく、という内容には、まったくごもっともだと思いました。自分として生きてゆく力のような物をいただきました。

    ただ、翻訳のせいなのか、原著からしてそうなのか、はたまた時代の雰囲気なのか、口調にちょっと自分とは合わない癖のようなものを感じて星がひとつ減りました。

  • 2017/11/20 16:02:26

  • イスガシ・スギカエルの典型だと思いながら読んだ、自分が。

    だからもっと気楽にいきたいと考えたりつぶやいたりしていた、でもどうすればいいかわからなかった。
    この本を読んで少し考え方が変わった気がする、というか明確に変わった。

  • プーさんの話に基本線として横たわっている老子の"タオイズム"をフォーカスしています。大学生の時(20年以上も前!)に読んだ本で、当時は女子何人かに貸した記憶がありますが、本当に理解できてたのかなー???
    (とか疑わないのがタオイズムか・・・)

  • プーさんをなめんじゃねえぞ?ってとこでしょうか。でも、自分にとってはつまらなかった。内容がつまらなかったというよりも、筆者と気が合わないんだと思う。

  • バイブルの1つ。

    せかせかしたココロにゆとりを与えてくれる。

    大事な1冊。

  • プーさんを通してタオイズムを知る本。
    プーさんのおもしろさは よくわからないけど、解説部分は易しい。
    自然に任せて生きよう...みたいなことかなあ?

    これを読んでる間に爆笑問題の放送で「クマのプーさんが無職になったら、プーのクマさん」が頭から離れなくて、イマイチ読み込めなかった。

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