いまどき真っ当な料理店

著者 :
  • ぴあ
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784892150432

感想・レビュー・書評

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  • 平成9年初版本を令和3年に読む

    当時読むのとは別の面白さになっているのでは
    東京に住む、少しグルメな人なら古本屋で見つけたら読んでみてもよいかと


    絶賛されながらもなくなっているお店もあり
    批判されていてもなお、今も変わらずあり続ける店もあり
    その背景には需要と供給、料理人の年齢、代がわり、店の土地問題など様々な側面があのだろう

    なくなってるお店の紹介文も読んでいて面白い

    サービス、店の雰囲気も食事のうち
    さりとて、ミシェランでも、味と、店の雰囲気、値段など項目別に評価しているように、総合的バランスが問題で一概に評価が難しい



  • 【090517】無理が通れば道理引っ込む


    :::::::::::::::::::::::::


    「コストパフォーマンス」
    という言葉を履き違えてはいまいか。

    「費用対効果」がよいとは
    決して「安くてうまい」と同義では無い。
    支払ったコストに対するリターンの問題であり
    期待以上の大きな効果が得られなくば
    敢えてこうして食事をする意味は無い。

    そもそも、
    物を食しながら、口に含みながら
    話しては罷りならぬと
    躾けられてもいないであろう輩に
    口を膨らませたまま
    「うまい」だの言われても説得力がない。

    本当に「うまい」ときには
    言葉など口から出ぬものだ。
    知らぬ間に顔が綻び
    至福に満たされる。

    真っ当な料理店たるもの
    客に至福の時を与えんが
    そもそも道理であろう。

    そしてそれは
    作り手と、
    供し手と、
    食べ手と、
    三位一体となって為し得る。

    しかしながら、
    最近は、
    作り手も、
    供し手も、
    食べ手も、
    道理を忘れている。

    そして
    こうして食事をしながら
    不平を垂れるのも
    また食べ手としての
    資質が失われていく様なのであろう。



    女は微笑んで言う。

    「バブル世代の方は
     これだから困ります。」

  • 田中康夫という人の真っ当さ、ということをいつも考える。それは、ある種の理想を信じ、それに向かって努力する、それを人にも強いる、ということだと思う。純真さ、正義感といってもいいかも知れない。だから、彼の小説よりも評論が面白い。彼の薦める真っ当なレストランよりも、彼が糾弾する不真っ当なレストランの記述の方が面白い。あたしは食べ歩きはしないので彼の薦めるレストランが参考になったりしないのだが。数少ない経験からこの本に付け加えると、『ロイヤル・デリ』は羽田店は素敵だが新宿店は未だに接客がこなれていない。目黒の『とんき』は、少なくとも昼は油が悪いことが多い。

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著者プロフィール

1956年東京生まれ。一橋大学在学中の1980年に『なんとなく、クリスタル』で文藝賞受賞。長野県知事、衆参国会議員を歴任。著書『昔みたい』『33年後のなんとなく、クリスタル』他、著書多数。

「2019年 『ムーンウォーク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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