鈴木いづみコレクション〈8〉 対談集 男のヒットパレード

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  • 文遊社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (411ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784892570292

作品紹介・あらすじ

十五歳のときの作品(詩四篇、小説)、ピンク女優・浅香なおみ時代の写真、自殺直前までの六年間の手紙など初公開資料収録 解説/吉澤芳高

感想・レビュー・書評

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  • 元AV女優で小説家、旦那様は坂本龍一氏にも絶賛(?)された、アルトサックスプレイヤー“阿部薫氏”の妻であった、鈴木いづみ(自殺しており、故人)。本の内容は、いづみさんと各著名人との対談集で、いづみさん自身のインタビュー記事も有。対談相手は、ビートたけし氏、坂本龍一氏、楳図かずお氏、などなどBIG(古)な顔ぶれ。

    …ってゆーか、いずみさんが対談内容を大衆的な読み手に伝えようと噛み砕いて表現しないせいか、私がただおバカなせいなのか、対談内容は「?????」ということろも多い。言葉のひとつひとつを、一生懸命考えて、消化してやっと内容が分かったかな…?どうかな…?というカンジ。いずみさんも、インタビューを受けた人も、私より『何階層も上』の人なので、その人たちが通じ合う視点と最小限の言葉で、対談が展開されているので、私的にはついてくだけでいっぱいいっぱい。

    でも、それだけに『大衆的に作り上げたのではない』『その人の素の言葉で』対談されているので、他の雑誌や本では見られない一面がとてもこの本の魅力だと思う。いづみさんと坂本氏の『感覚が一緒』といって話題が盛り上がってたりするところは、とても健康オタクな現在の坂本さんでは想像できないかんじ。やはりこういう人たちって『大衆』と『自分』のギャップの間でゆらゆらして、それを割り切るのか自分なのか、その選択を常にせまられてるんだなあと改めて感じた。今のたけし氏や坂本氏は『選択後』だけど、この本の彼らはまだ『選択を迫られ中』。ギラギラしてるし、油っぽいかんじ。今みたいにさらりとしてない。ただ、年齢のせい?

    いずみさんの作品(小説)はまだひとつも読んだことないけど、この本の印象では『とても美人で頭の良い頭身大の女性』という印象。また作品も読んでみたいな〜。鈴木いづみと阿部薫の生活を描いた映画『エンドレス・ワルツ』を観たけど、いづみ役の女優さんが信じられないくらいキレイだった!

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      ハヤカワ文庫で「女と女の世の中」を読んだ時は、スッゲーって思いました。。。
      本のタイトルが思い出せないのですが、鈴木いづみの本に岡田史子(知...
      ハヤカワ文庫で「女と女の世の中」を読んだ時は、スッゲーって思いました。。。
      本のタイトルが思い出せないのですが、鈴木いづみの本に岡田史子(知らないか)が挿絵(1枚だけですが)を描いてるのがあって、不思議な感じがしました。。。
      2012/06/01
  • このコレクションは、いろいろな読み物が雑多につまっている、他ではあまり見ない本です。
    <詩・戯曲・初期作品・写真・書簡・年譜・書誌他収録>

    鈴木いづみ…イメージ的にはとてもエキセントリックな像を思い描いてしまうけれど、実は至極まっとうな人間なのではないかと思う。基本的にまじめで、つきぬけた客観性を持っている人、といった印象。
    コレクション集に使われている写真がポルノ女優時代のものだったりするから、勝手にエキセントリックなイメージをつくりあげてしまっていたのかもしれない。それと、彼女の夫・阿部薫とのエピソードをいくつか知っていたから。(夫のために足の小指を包丁で切り落とした事件だとか)

    たくさん収録されているなかでも、友人・金子いづみへ宛てた膨大な量の手紙と、少女時代に書いたという小説や詩がとても興味深かった。
    世に発表するために書いたものではなく、とても個人的な手紙。だからこそ赤裸々でとても正直な思いがつづられているのだけど、手紙なのにとても知的で哲学的。そこがすごく興味深い。
    詩や小説は、少女時代に書いたとは思えない内容でした。才能のある人というのは、若い頃からやはり他の人とはちょっと違うところを持っているものなんだろうな、と改めて思わされた。

    この世界や時代に対する消えない疑問を抱き、生きることすら苦しいと感じながら、表現することで発散してなんとか生きているタイプの人間。私もそっち側の人間だということを自覚している。
    似たような性質を持っている人ならば、鈴木いづみの言葉に頷くことも多いと思います。

    “自殺する人”のことをも冷めた目線で分析していた彼女が、最期は自殺で生を閉じてしまった。そこにどんな感情が働いたのだろう。
    亡きあとなのでもうこれ以上作品が増えることはない。だからこそ残された作品をかみ締めるようにして、すこしずつ読んでいくつもりです。

  • 対談相手が豪華。80年代初頭のビートたけし、坂本龍一、楳図かずお等。自殺する1ヶ月前の書簡を読むと明るいんだ。それがとても哀しい。

  • 2009/5/27購入

  • こういう仕事してたんだな、って記録を見ているよう。

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著者プロフィール

ISS 及び日本コンベンションサービスの会議通訳者として稼働後、1978年に渡米。ミシガン州にて1984年、鈴木・マイヤーズ&アソシエーツ㈱を設立。1989年、アメリカ翻訳者協会(American Translators Association : ATA)に加入後、日英両方向の認定翻訳者となり、日本語部門長、理事、翻訳認定試験審査委員などを歴任。現在は認定委員会委員及び通訳方針諮問委員会委員(Interpreting Policy Advisory Committee)を務める。1991年に創立されたミシガン翻訳者通訳者ネットワーク(Michigan Translators/Interpreters Network:MiTiN)の発起人の一人で、長年会長を務めた後、現在は理事会アドバイザー。2003年、カリフォルニア州にて日英の認定法廷通訳人の資格取得。全国司法通訳者翻訳者協会(National Association of Judiciary Interpreters and Translators : NAJIT)会員。

「2016年 『裁判員裁判時代の法廷通訳人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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