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- Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
- / ISBN・EAN: 9784892570827
作品紹介・あらすじ
パリ、1960年代-物への欲望に取り憑かれた若いカップルの幸福への憧憬と失望を描いた、長篇第一作。ルノドー賞受賞。徴兵拒否をファルスとして描いた第二作を併録。
感想・レビュー・書評
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2つの中・長編を収録。『物の時代』(原題は"Les choses")は、室内を眺める眼が見た記述から始まり、そこにある物が列挙されて行く。我々の生活はなんと物に溢れていることか。しかも、人間が物の所有を欲望するのではなく、物の存在が我々に欲望を喚起するというのが、まさしく現代社会の構造だ。小説にはジェロームとシルヴィという2人の主人公が登場するが、彼らの間に会話が交わされることはない。その意味では、この小説はいわばレシ(物語)の方法によって書かれているのだろう。そして、彼らは「私」であったかもしれない。
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