- Amazon.co.jp ・本
- / ISBN・EAN: 9784893087492
感想・レビュー・書評
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セックスの体位を365カットもほんとうに演じている。
意外と性に奥手なアメリカで大ヒットしているらしい。
察するに体毛一つとしてないヨガやバレエでもやっているようなパーフェクトボディの女性とマッチョマンが、汗を掻かず顔も歪めず人体のコンポジションとして絡み合っているからではないかと思う。ここに湿度はなくて分泌液の匂いはしない。下半身の反復運動や心臓の鼓動、吐息や深層筋から湧きでる声もない。モードファッションのような崇拝の対象として沈黙のセックスが提示されている。
加えてキャッチーな名前とロマンティックな気持ちを高める解説文が性への罪悪感を美への憧れにすりかえる。その象徴としてバランスボールが頻繁に用いられている。これは日本語版の本書に医師が解説するに女性側が微調整をしやすくなるため満足度が高まるのだという。さらにベッドやイスを駆使した西洋の生活空間ならではの高低差のある体位が独自の多様性を成しているのが興味深い。
ちなみに分類するとすれば前、後、横、上下逆転、逆立ち、非挿入に、手や足の位置を細かく設定することで挿入度合いが変化できるといった展開。目隠しや緊縛その他は含まれていないので実際的にアブノーマルな印象はなさそう。巻頭巻末には東西の性生活の違いが論じられていて、つくづくセックスを知的なコミュニケーションに昇華する配慮がある。セックスへの痴的な恥は皆無。カップルが一緒に読むというより女子が回し読みして盛りあがってそうな内容。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ひとつの芸術作品です。
体位を扱っていますが
さほどエロくはありません。
むしろ一種のすばらしさを感じます。
おそらくモデルの神々しさのせいでしょうね。
でも、中には無理な体位もありますので
むやみに実践に移してはいけません。
やはりちょっとひねりを加えた程度の体位で
刺激をプラスして。
芸術としてのセックスの本です。