「平穏死」 10の条件 胃ろう、抗がん剤、延命治療いつやめますか?

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  • ブックマン社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784893087775

感想・レビュー・書評

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  • 人は誰しも必ず死にます。年がら年中死について考えるのは病的ですが、全く考えないというのも、なるほど病的なのかもしれません。
    1970年代後半を境に、自宅で亡くなる人の数と病院で亡くなる人の数が逆転したそうです。昔は自宅で家族に見守られながら、自然に平穏死する人が大半だったのです。
    どうすれば平穏に最後を迎えられるのか。誰もが、一読して考えるべき重要なテーマです。

  • 死の外注化
    自分はどこで死にたいのか、家族をどこで看取りたいのか
    他人にお任せ、身近な人の死に直接かかわろうとしない

    平穏死について事例を通してわかりやすい文体で説明
    がん末期の場合、老衰の場合、臓器不全の場合など
    在宅療養で痛みのコントロールできること、救急車を呼ぶ意味、リビングウィルの表明の重要性、看取りの心構え

  • 良書。
    今は2018年。
    これは2012年の本なので、これまでの6年間と今後とに法改正などもあるだろうから、もう少し先にまた長尾先生のご著書で同様のものが出たら購入しようと思う。
    私自身は長尾先生が書かれているような終末を望むが、夫や子供達に理解してもらう為に読んでもらいたいから。
    また、夫自身はどうしたいのかも考えて欲しい。
    私が片付け本や終末医療本を沢山読んで方法を模索しているのは、自分の親が反面教師となっていて、私のような大変な思いを子供達にさせたくない為。

  • 義父の癌闘病、病院での様子を見ていて思っていた疑問がこの本で、説明されていて、とても為になりました。
    義父を看取った義母の『自分への延命治療はいらない』という言葉の重みを感じています。そして、自分も今から”Living Will” 生前意志を書き留めて、家族に伝えておかなければと思いました。

  • 今時の私たちに死は遠い存在で見ないし、考えない。でもラストのイメージを共有する事はきっと安らかな老いへとつながっていく。人生後半を意識したら是非読みたい一冊。
    8割の人が老衰や認知症の終末期での延命治療を希望していないにも関わらず、現実は8割の患者さんに何らかの延命治療がされているとのこと。
    自然死を待つ人でも緊急時には家族は思わず救急車を呼んでしまうだろう。それが正しいか否かではなく、そうすることが皮肉にも自然死させない状況をつくってしまう。それを心得ておかなければならないのを今さらのように気付き、在宅医療の大切さを感じたのであった。

  • 医師にとって「やらない」「さわらない」分野である在宅でのみとり。往診でそれにこたえる医師。

    延命治療に入ってしまうと中断するのは難しい。しかし、今日まで普通に生活していた人がもちをのどに詰まらせたり、誤嚥性肺炎を起こすことでいやおうもなく、救命⇒延命治療へ。

    私もできるなら平穏死を選びたいが実際に頭の中でシュミュレーションをしてみると…難しいかもしれない。

  • この本を読んだきっかけは、
    病院のお見舞いで延命処置を受けている方を見かけたことです。
    体も顔も動かせず、管と機械につながれて生存を保っておられましたが、
    その表情は苦痛と悲しみに満ちておられるように見えたのです。
    大変衝撃を受けました。
    なぜ?もう治る見込みもないのに、いたずらに苦しみを延ばされている、
    何のために、誰のためにこんな処置が行われているのか?
    可哀想だね…帰り道、家族全員がその話題で話し合いました。
    直後に、医療関連サイトで著者の長尾医師のインタビューを読み、
    この本を求めました。
    なぜあのような状況がたくさん病院で見られるのか、
    その理由と、現在の状況下でそうならないためにはどうしたらいいか、
    がこの本には書いてあります。
    平穏死とは、望まない延命処置(その大半は苦痛を伴う)
    をせずに最期を迎えること。
    本当に読んで良かったと思います。

著者プロフィール

1958年香川県生まれ。医学博士、医療法人社団裕和会理事長、長尾クリニック院長。東京医科大学卒業後、大阪大学第二内科を経て95年に兵庫県尼崎市で開業。一般社団法人 日本尊厳死協会副理事長・関西支部長。日本慢性期医療協会理事なども務める。ベストセラーとなった『「平穏死」10の条件』(ブックマン社)、『病気の9割は歩くだけで治る!』(山と渓谷社)など著書多数。

「2022年 『完全図解 介護に必要な 医療と薬の全知識』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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