終わりなき危機~日本のメディアが伝えない、世界の科学者による福島原発事故研究報告書~
- ブックマン社 (2015年3月11日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784893088390
感想・レビュー・書評
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拾い読み
日本の基準に比べてアメリカの基準が緩すぎるとか書いている人もいて、どこの人も自国の体制が嫌いなんだなあ、と思った。
チェルノブイリで自然が戻っているというのは、政府の宣伝だという記載が有った。
ジャーナリストのルポはあったが、たしかに、以前の状態と客観的に比べたものではなかった。問題は、そうう研究にはお金が出ないので、誰もやらないということらしい。 -
もう、たいしたことはないのではないか。
たまにニュースにはなるけれど、これ以上ひどいことにはならないだろう。
と、時間がたつことでなんとなく忘れたくなる出来事があります。原発事故がおきた直後は、あんなにみんながいろんなことを変えなければいけないと騒いだのに、数年たったら、以前よりももっと「もう事故はおきない。おきるはずがない」ということになっています。
捨てる場所のないものを、どんどん作りながら進んでいく怖さ。今すぐ止めてもなお、終わりなき危機は続きます。忘れないために、海外メディアの言葉を聞くことは、きっと必要なことなのだと思います。 -
大変なことが起き、その危機は続いている。
が、みんな忘れている。 -
この本を読むまでは、福島原発の事故は、広島・長崎に投下された原爆や、チェルノブイリ事故よりも酷くないと思っていたのですが、そうでもなさそうですね。
将来の日本は、危険な原発から脱却して、自然エネルギーや大気汚染のすくない日本独自の石炭火力発電所に変換していく必要があると思いました。
図書館から借りた本で、まだ全部読み終えていませんが、ここのまでの分で、気になったポイントと書き出しておきます。残りをいつ読めるかわかりませんが、順番が回ってきたら読みたいと思っています。
以下は気になったポイントです。
・福島のメルトダウンで放射性元素を取り込んだ住民には、癌が蔓延するだろう。チェルノブイリ事故で欧州大陸の40%が汚染された。ニューヨークアカデミィによれば、すでに100万人以上の人が直接的な影響で死亡している。これと同じことが日本でも起きている(P4)
・放射性元素が、肺、肝臓、骨やほかの臓器に入ると、長い時間をかけて狭い範囲の細胞を大量の放射線で被爆させる(p6)
・福島県で甲状腺の超音波検査を受けた18歳未満の、29万人のうち、89人が甲状腺がん、42人にその疑いがあると診断された。チェルノブイリでは、事故4年までには診断された例はない。日本の子供たちは、高レベルのヨウ素131に晒されたのはほぼ確実(p10)
・原爆投下後の5年間、何のデータも集めなかったので、極度に影響を受けたグループは調査より前に亡くなっている。こうした研究結果が、原子力監査機関によって「真実」とされて、医学界と原子力産業界の放射線被ばくガイドラインとなっている(p14)
・自衛隊による懸命の対応、状況がさらに悪化する前に原子炉に注水できたこと、4号機の燃料プールに水が奇跡的に残っていたことで、放射性物質の拡散は最小限にとどめられた(p27)
・国土の半分を失い、国民の半分を避難させるリスクを考えると、もっとも安全なエネルギー政策は、原発をなくすことという結論となった(p28)
・4号機は定期検査中でとまっていた、そのほかの5台は運転員が核分裂は止めた。5,6号機は非常用発電機が一基生き延びたため、最悪の事態は回避。1-4号機は崩壊熱を冷却できなかったので、1-3号機のメルトダウンを引き起こした(p32)
・1,2,3号機から放出された、セシウム137の量は、広島原爆の168倍。これは過小評価で、論文では400-500倍というものある、これと同量の放射性物質が、水中に溶け込み、地面と海に流れ込んでいる(p34)
・日本の法律を厳密に適用すると、1平方メートルあたり、4万ベクレル以上汚染された場所は、放射線管理区域に指定しなければならない。しかし、この面積は、1,4万平方キロになり、東北地方と関東地方の広大な地域が対象となるので、その地域には何もしないことを決めた。そして、原発周囲の1000平方キロのみ指定して、そこに住んでいた10万人以上を対象とした。本来の対象者は数百万人(p35)
・4号機使用済燃料プールから、共用燃料プールへの移動は、2013年1月から始めて、2014年11月に終了した(p35)
・ベルラーシにおける脂肪率は、1986年以降劇的に上昇したのちに、出生率は落ち込んだ。ウクライナの平均余命は減少しており、人口は700万人減少した、乳児脂肪率は、20-30%(p79)
2015年8月16日作成 -
日本でも情報操作か。
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【新着図書ピックアップ!】福島原発事故から4年。収束など有り得ない。世界中の科学者が、「医学」「生物学」「工学」という様々側面から、将来に向けて警鐘を鳴らす。
[New Book!] “Crisis Without End: The Medical and Ecological Consequences of the Fukushima Nuclear Catastrophe: From the Symposium at the New York Academy of Medicine” The scientists sound the alarm about the future of Japan.