あおいくも

  • ブロンズ新社
3.39
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本棚登録 : 149
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (1ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784893095008

作品紹介・あらすじ

むかし、ちいさなあおいくもがいた。くもはしあわせでみちたりていて、雨をふらせない。しかし、あるとき、地上があらそいごとにみちていることにきづき、心をいためたちいさなくもはだいじなけっしんをした-。トミー・ウンゲラーが色にこめた平和への想い。『すてきな三にんぐみ』の著者&訳者コンビが贈る21世紀の寓話。

感想・レビュー・書評

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  • 『すてきな三にんぐみ』の青に惹かれた私は本書の青がとにかく見てみたい!というのが動機で読んでみた。期待通り美しかった。

    本書は、作者が比較的晩年に書いた本で、戦争のことを伝えるために書かれた『オットー』と対をなし、平和のことを伝えるために書かれた、と理解している。

    主人公のあおいくもは独立心が強く、群衆の同調圧力に屈することがなく、その自由気ままさは周りを感化させる力を持つ。

    黒と白と赤と黄色の人間たちが互いに殺し合うのに心を痛めたあおいくもの力で、みんな青色に染まり、平和に暮らすようになる、という筋。

    「みんな青色に染まる」というのは多様性を尊重していなくて嫌だという感想も目にしたけど、「みんな違いはあるけど、根本的には同じ人類だよね。みんな同じ仲間だという前提をまず共有した上で、その中での違いを尊重していこう」ということなんじゃないかな、と個人的には思った。

    分かりやすい絵本かと言うとそうではなく、「どういう意味だろう?」と考察が促される一冊だった。
    ウンゲラーらしいユーモアなディテールも織り込まれている。

  • うーん、これは解釈に迷うものがある。
    ウンゲラーさんが、平和を願って書いた作品には違いないのだが、どうにもストーリーに無理がありそうで。
    「すきなように すきにいきていて ほかのものが なにをしているかなんて ちっとも きにならなかった」という雲が、人間界の争いを見て、我が身が消え去るほど雨を降らせるものだろうか・・しかもこれは自己犠牲と言えるほどのものだろうか。
    そもそも、そこまでするのは何故なのか、動機らしきものが何一つ出てこない。

    そして、雲の青色を与えられて青一色になった人間たちが争いをやめて穏やかに暮らすようになったという結末も、何だか納得がいかない。
    それぞれの肌の色を認め合い受け入れあって暮らすのが平和というもので、そのための努力を惜しんではいけないと思うのだが。
    世界中みんな同じになって、果たして真の幸福と言えるのだろうか。
    いやいや、それとも私が考えすぎなのかな。
    こういったテーマをやけに好むひとがいるのも事実。
    ま、私は決して読み聞かせには使わないが。
    これは大人向けの一冊という事で棚にあげておこう。
    (他のウンゲラーの作品は、カテゴリーの一番下「トミー・ウンゲラー」からお入りください)

  • 最後まで読んで欲しい。胸にじーんと思いが詰まってきます。あおいくも。きっとすぐ近くにいるんだよね。

  • きわめて一神教的で、ある意味怖い話
    ブルーならぬブラックユーモアなのかも

  • 特別に青でなくてもよかったのかな~でも真っ黒い雲はイメージが悪いからなあ。

  • あおいくもがかつやくしました

  • 母が見ていたらこどもも近づいてきて見ていた。平和を考える絵本。

  • むかし、
    ちいさなあおいくもがいた。

    くもは、しあわせで、
    いうことなしーーーーだ。

    という言葉で始まる絵本。
    のんびり、ほのぼのとした絵本かな、
    と読み進めてみたら、
    そうじゃなかった。

    ある日、
    地上では
    白、黒、赤、黄の人間が殺しあいをしていた。

    それを見たあおいくもは、決心します。
    雨を降らせて、
    何もかも真っ青にしたのです。
    すると、
    みんな争うのをやめて、なごやかに暮らした、というお話です。

    みんなが同じなら、争いがなくなる。。
    というアイデアには大賛成というわけではないけど、
    まぁ、段階として、ひとつの方法かも知れない。

    ただ、ひとつだけ気になったのは、
    平和になって、青い人たちがお祭りをしているページで、左端にいる男が、一人だけ緑色だということです。傘をさしていて、青い雲の雨に濡れなかった様子です。
    不気味なことに、手には斧を持ってるし。。。
    一人だけ、青に染まっていない。

    ウンゲラーさんの物語ほ、一筋縄では行かないようです(笑)

  • 2016/06/19

  • あおいくも。まちの争いを身を持って無くした。
    大切なことを教えてくれる本。

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