- Amazon.co.jp ・本 (96ページ)
- / ISBN・EAN: 9784893096005
作品紹介・あらすじ
20言語で翻訳出版、世界中で話題の絵本がついに日本上陸!ハンブルグからニューヨークへ小さなネズミが、大西洋を飛んだ!!
1927年、リンドバーグが初の大西洋横断飛行に成功。本書はその15年前、1912年のハンブルクが舞台。知りたがりやの小ネズミは、人間の図書館で何日も本を読みふけっていた。ある日、仲間のところに戻ってみると、ネズミは1匹もいない。「ばね式ネズミとり」が発明されて犠牲になり、仲間たちは住みにくい町を捨てて、自由の町NYへ旅立っていったにちがいない。しかし、仲間を追って港に向かった小ネズミはネコたちに阻まれ、乗船もままならない。追いつめられたあげく、ふと前をよぎるコウモリを見て、ひらめく。
「そうだ! 大西洋を飛んでいこう!」
小ネズミの試行錯誤が始まった。本を読み、材料を集め、飛行機をつくる日々。1回目の飛行、ハンブルク駅舎から飛んで落下したとき、目の前を走る蒸気機関車を見て、蒸気の動力を利用することに思いつく。
2回目の飛行、ハンブルク港では機体が重すぎて失敗。しかし、その飛行が新聞記者にスクープされて街中の話題になり、人間ばかりかフクロウやネコの追跡を受けることになる。
そして、ある霧の濃い日、子ネズミは意を決して、町で一番高い教会から飛び立つ。追いかけるフクロウたち、かろうじて逃げ切った小ネズミは、西を、NYを目指して飛行を続ける。朝、摩天楼のそびえ立つNYに到着。空を見上げて驚いた人間たち、そしてネズミたち….やっと仲間に会えた。
「ときとして、最も小さきものが、壮大なことをやってのける」
ヒーローとなった小ネズミは、アメリカの町から町を巡って、航空ショーを披露した。街角でそのポスターをくいいるように見つめていた少年….彼の名前は、チャールズ・リンドバーグ。
感想・レビュー・書評
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勉強好きで好奇心旺盛な小ネズミが、仲間たちに会いにいくために、空を飛んでアメリカを目指そうという、大胆な発想から展開していく、レトロなSF感が好きな人にはたまらない発明大冒険もの。
内容に、あまりフィクションっぽさを感じなかったのは、写実的な絵の表現にあると思い、ネズミの視点から見た、動物や人間の怖さを感じるような表現が、やけに現実味を帯びていて臨場感があり、絵のサイズの大きさもあって、迫力満点です。
更に、写真風のカットや新聞記事といった、絵本としての表現方法も多彩で面白く、古書のような本自体のデザインも雰囲気あって良く、他の作品も読みたいと思いました。 -
ドキドキわくわくが詰まっていて、とても面白かった!
主人公がネズミっていうのもまたいい。 -
原画展で1枚1枚の絵を見ながら、その横に書かれた文章を読んでいるような感覚になる絵本。
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小ネズミのリンドバーグは、たいへん知識欲があり、図書館でこっそり本を読みふけっていた。
しかしある時、まわりに自分以外のネズミがいなくなっていることにハタと気づいた。
一体どこにいってしまったんだ?仲間のネズミたちは。
リンドバーグは思った。
「もしかしたら、アメリカへ?」
そうして、リンドバーグのアメリカへたどり着くための冒険は始まった。
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ネズミたちが見あたらなくなる光景は、人間にとっては喜ばしいことでしたが、小ネズミ・リンドバーグの視点に立ってみると、なかなかの恐怖でした。
リンドバーグは「もしかして皆、アメリカへ?」と言っていましたが、
賢いリンドバーグですら、アメリカへの渡航に何回も何回も失敗しているくらいですから、きっと仲間たちは絵が示唆している方向へ消えてしまったのではないかと思います。
リンドバーグはアメリカへは最終的にたどり着くのだろうなと思いながら、読みましたが、何回も何回も渡航に失敗する様子を見ていると、ハラハラドキドキし、「リンドバーグ、がんばれ!」という気持ちになってきました。
絵も、ネズミ目線や鳥目線のアングルが多く、他の動物たちや人の姿が、たいへん不気味に見えました。
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小3の娘に読み聞かせをしましたが、途中から娘が「リンドバーグのセリフはわたしが読む!」と言ったので、任せました。
しかし小3ではまだ習わない漢字、しかもふりがながながない言葉が多かったため、わからないところは教えながら読んでもらいました。
そのため、なかなか分量のある絵本ですが、ひとりで読むのは小学高学年~がオススメです。
途中途中に絵だけのページもあり、特に娘はフクロウの絵を見て「本物みたいに見える!」と叫んでいました。
本物みたいに見え、しかも小ネズミ目線で見るフクロウは、とっても怖く感じました。
原画展で見たくなるような絵に、ロマンある小ネズミ・リンドバーグの大冒険が広がっていた1冊でした。 -
・エレガントな水彩画で描かれる冒険譚。ココロ踊るストーリーテリングもさることながら、絵本というメディアとして心惹かれる点が4つあった。
①水彩ならではの光の影の表現。光の溢れるような眩しさの表現がすごく良い。レトロなんだけど懐古的ではなくCGが当たり前の時代の絵作りのセンスになっている。
②ダヴィンチのような、飛行機関のラフスケッチ。エンジニアリングとプロダクトデザインの知識を、絵で表現することの美しさ。
③大胆な構図とレイアウト。描写が丁寧な上に記号的にもなっていて、構図の効果がバツグンに活きている。
④リンドバーグへとつながるオチと、巻末にある過去の「先人」へのリスペクト。その中に著者自身も含めてしまうユーモア。最後までピクサーや任天堂なみに完成度が高い。
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ハンブルグの街に住む小ネズミは好奇心に溢れ、図書館で人間の本を読みふけっていた。
ある日図書館から帰って小ネズミは驚いた。
仲間のネズミが誰もいなくなってしまっていた。
小ネズミは考える。仲間たちはネズミ取りとネコやフクロウから逃げるために、海の向こうのニューヨークに行ったに違いない。僕も行こう、海の向こうへ。
でも船はネコが見張っている。それならどうやって?
空だ、翼を作って大西洋を飛び越すんだ。
小ネズミは機械を集める。
ネジ、モーター、ヒモ、タイヤ…
小ネズミはついに飛行機を作る。
小さな車輪、幅の広い翼、パワーのある蒸気エンジン、
食べ物や予備の部品を積むスペース、もう本物の飛行機だ。
雨やフクロウや猫を避け、小ネズミは飛び立つ。
大西洋をニューヨークへ、仲間たちの元へ。
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挿絵が繊細かつ詳細でお話に寄り添うように物語ります。
全てのページがまるで絵葉書のようです。
ページを覆い尽くすネズミ取り、小ネズミの集めた小物達、
小ネズミを狙うフクロウの大きさ、
小ネズミの飛行機から見える陸地、
いよいよ海へ。うちの次男はこのページでかっこいい…と言っていた。 -
惹き込まれる素晴らしい絵とネズミの壮大な物語。読み終えたあとのなんとも言えない虚無感。もう少しネズミの旅に自分もご一緒したいと思った。
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ハンブルクの薄暗い図書館にかよっては、人間の書いた本を読み耽る<知りたがり屋の子ネズミ>の大冒険絵巻です。人が住む街なかは暖かくて、美味しい食べ物がいっぱいあって、おなかを空かせたネズミたちにとって格好の棲家だったけれど、恐ろしいネズミ捕りの道具の出現で、仲間たちの姿が消えていきました。〝何処へ? もしかしてアメリカ?〟港には腹を空かせたネコが船を見張っているし、地下の下水道にはコウモリたちが飛び廻っている〝そうだ! 空を飛んで行こう〟幾多の困難をのり越えながら、大西洋横断飛行の夢に挑むのでした・・・。
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細部までこだわりのあるイラストが素晴らしく、熱中する。いつか、そのこが目標を達成するための、上等なキックスターターになるだろう。小さなこだわりの芽を伸ばそう。
長いけど、一度は目に触れさせたい二冊だ。
個人的には「楽園のカンヴァス」は最高傑作だと思いますよ(≧∇≦)b
私が行っている地区センタ...
個人的には「楽園のカンヴァス」は最高傑作だと思いますよ(≧∇≦)b
私が行っている地区センターには何冊かあるんですが、人気作家ですもんね...
いく層もの色の空に、影富士!
様々な姿を見せてくれる空って幻想的ですよね。
いく層もの色の空に、影富士!
様々な姿を見せてくれる空って幻想的ですよね。