- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784893096203
作品紹介・あらすじ
人気料理家・高山なおみの原点!わたしはこどものころどもりでした。なんでもなめて、なんでもさわってたしかめた。全身で感じたことを、もっともっといっぱい伝えたい!子どもの中の強烈な野生をとらえた絵本。
感想・レビュー・書評
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高山 なおみ (著), 中野 真典 (イラスト)
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すごいワイルド
ほとばしるかんじ
パワーがすごい
最後のお話したかった気持ちの放出はわかるが、うんちまで食べちゃったの!?ってのはちょっとハラハラしてしまった -
絵が印象的。料理家の著者が、なぜ、この絵本を書いたのか、知りたい。
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高山なおみさんが「吃音の子についての絵本を描きませんか?」と打診されて、「それは自分の宿題だと思っていた」ことだと即決して受けたという絵本。
高山さんもこどもの頃は、吃音があったのだそう。
しゃべりたいこと、気持ちが溢れてくると、口が追いつかなくて、吃音になってしまうらしい。
他の子みたいに上手にやらなきゃと思うのもその原因だったかもと別の本で高山さんが書いてたことがあったなと思う。
「日々ごはん」の中に、この「どもるどだっく」を作っていた頃のメモが載っていて、それによると、なみちゃんの身体のあな(鼻の穴、口の穴、耳の穴・・・)で感じることを書くというアイデアがそのひとつだったみたい。
ああ、素敵だな。
大人だって、そんなふうに自分のいろんな穴に入ってくることを全身で感じて生きていたいと思う。
絵がまたすごい。
もう、この本の四角の中に収まってないじゃんって感じる。
いや、確かに収まってるんだけど、すごいなんていうか、はみ出してるんです。
飛行機と鳶の音をなみちゃんが耳の穴でたくさん感じて口の穴からその音を出すところ。
あのページなんて本当に空がぐわん!って本から飛び出て自分の周りにあるみたいだった。
人が自分の心と身体の真ん中を使って絵本をつくると、こういうことになるのだ!
という感じ。
野生の、毛がボーボー生えた、愛!
いつか高山さんのことをファンの人がそんなふうに言っていた下りがあったけど、ほんと、それ! -
ストレートな 絵本!!
長男が 小さい頃の一時期、どもっていた事を 思い出しました。あの時の 彼も こんな 心情だったのかな!? -
高山なおみという人は、名前を知っている程度で何の予備知識もなかったが、料理研究家のはずの人が絵本を出し、しかもこの強烈な絵とタイトルなので、好奇心で読んだのだが、衝撃を受けた。
タイトルから吃音の女の子(もちろん作者自身)の物語だろうと想像し、それは外れてはいなかったが、予想を遥かに越える内容だった。文章がます、すごい。非常に感覚的で、子ども(と元子ども)の心にストレートに届く。味や匂いに異常なほど興味があり、食べ物だけでなく、あらゆるものの味や匂いを堪能していく少女。大人が知ったら腰を抜かすようなものも、子どもの歯止めを知らぬ好奇心から味わっていく。そしてその体験の驚きや興奮があまりに大きく、子どもには表現しきれないため、吃ってしまう。
しかし、タイトルとはなっていても、吃りは最後にさらりと描かれているところがいい。吃りで辛い思いをしたこともあったかもしれないが、この本でそこは描かれず、本能的に気持ちの赴くままに好奇心を満たしていく子どものパワーが、絵とともに圧倒的な力を持って伝わってくる。
たくさんの思いがありながら、それを伝えることはできない子どもには、救いとなるような本。子どもを持つ大人としては、娘の好奇心をへんな常識で抑制せず、吃ってしまうときも、落ち着いて愛情を持って接している母の姿に、教訓を見いだした。作者が長じて料理研究家となり、作家となったのはこういう子ども時代があったからだと、深く納得した。高山なおみの他の文章も読んでみたくなった。