ブランドなんか、いらない: 搾取で巨大化する大企業の非情

  • はまの出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (437ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784893613257

作品紹介・あらすじ

英「タイムズ」紙が「いま35歳以下でもっとも世界で影響力のある人物」と評する若きジャーナリストが、いまや世界的となった反ブランド運動の背景と実態を解説する。

感想・レビュー・書評

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  • 20年前の本。搾取で巨大化した大企業を見苦しいとみんな感じてはいるけれど、政府が止められない。
    そして今、大企業はより巨大化・GAFAになりほとんどの人が搾取される側になってしまった。この時にきちんと法で対処していれば、こんな世の中にはなっていなかったのかもなー、と切なく思う。

  • 内容 :
    ブランドなんか、いらない 搾取で巨大化する大企業の非情

    著者 : ナオミ クライン


     2008/4/2 読み終わる。

  • FF9というゲームが大好きなんですが、あれの最終戦を思い出してこの本を読むと何か背筋が寒くなる感じ お金なしで人は生きていけないのだけど、お金がありすぎてもどうするのだと思うよね はあ…

  • アンチブランド、アンチ大企業という著者による本だが、読めば読むほどブランドへの理解が進む。
    著者は基本的にアンチ大企業のアジテーターという立場なので、書いてあることは全てが真実ではなく、アジテートしているという立場を忘れずに読むこと。

    しかし、アンチの立場の人のブランド論を読むほうがブランド理解が進むというパラドックスが面白い。

  • 10年前の本であるにもかかわらず、今の日本に通じるところが非常に多いと思った。
    豊富な事例と、調査によって膨大な量になっている本書は読むのに少し根気がいるが、5章からの展開が非常によかった。

  • 武力によってではなく、経済による現代の植民地支配

  • 反グローバリゼーション運動で有名なナオミ・クラインの代表的著作の一つ。ナイキ・シェル・マクドナルドといった多国籍企業たちがブランドを利用して如何に先進国の人の精神を貧しくしているか、そして、ブランドの影で途上国の人たちを安価な賃金で利用し、搾取しているかを説いている。
    多国籍企業批判に終始するあまり、そのプラスの側面には目をつむっているし、途上国の人が搾取されるばかり、先進国の人はブランドに洗脳されるばかりという一面的な解釈が鼻についた。
    本書に書かれていることが事実ならアメリカの企業というのは悪魔的な感じがするが・・・。実際には多国籍企業は大金持ちのCEOが運営しているのではなく、普通のサラリーマンが運営しているので、そんな酷いことにはならないのではと感じた。

  • これはすごい。けどこういう流れは日本では生まれないだろうなあ。

  • 「現代の支配者が着ているのは軍服ではなくイタリア製のスーツ。銃の代わりにエリクソンの携帯を持っている」



    国ではなく、企業の植民地支配(南米、中国、ベトナム、フィリピン、インドネシアなどの自由貿易地域・輸出加工ゾーン)について知る事が出来る。ただヒステリックに企業批判をしているだけの本とは違う。




    ディズニー:「ポカホンタス」のパジャマを作るハイチの工場。最低賃金すら支払われず、労働者は赤ん坊に砂糖水しか飲ませる事が出来ない悲惨な状況。

    ナイキ、アディダス、リーボック、アンブロ:これら一流ブランドのサッカーボールはパキスタンの工場で全て一緒に造られる。労働者の時給6セント。しかもそのほとんどは奴隷の様に売られてきた子供達。

    スターバックス:顧客が生産者に会う事が可能なこのチェーンだが、「グァテマラ労働教育計画」によると一部のコーヒー豆の生産に子供が関わっており、危険な農薬も使われている。また、賃金が基準に達していない現場も。

    GAP、DIESEL、GUESS:フィリピンの縫製工場では私語が許されないばかりか、トイレに行く時間すら与えられない。労働者の一部は機械の下のビニール袋に用を足す。

    トイザらス:(報道の中でこの会社の名前は伏せられたが)バンコク「ケイダー玩具工場」の火災では、使えない非常口と、組合化を防ぐために常に鍵の掛けられたドアのせいで188人が死亡。殆どが19歳前後の女性。中には14歳も。

    IBM:モニターを作るフィリピン工場。ここでの「時間外労働ボーナス」はドーナツ、そしてペンが一本。

    女性問題も忘れてはいけない。

    GE、パナソニック、GM…などなど:ホンジュラスの下請け工場では経営者が女性労働者に中絶を迫り、メキシコのある工場では女性は毎月屈辱的なチェックを強いられ、生理がきている事を証明させられる。スリランカの工場では解雇を恐れた女性が、産まれたばかりの赤ん坊をトイレで溺死させた例も。




    この本に書かれている事全てを信じる必要もないし、突然生活を変える事は難しい。
    けれど事実として、アジアの虎、韓国、台湾の台頭を最後に途上国の産業確立は頭打ちの状態、5つの途上国のうちの4つが、70,80年代に比べて賃金が低下し続けている。

    エコノミストは企業の飼い犬。「アジア、中南米、アフリカへの投資が自由と民主主義をもたらす」なんて嘘を平気で言う。

    世界経済を動かす投資家は、途上国の軍事政権と仲良くやるが、良い製品をただマジメに作り、労働者を大切にする企業を嫌う。




    買う物を選ぶ事は出来る。

  • ドイツ人の女性ジャーナリスト

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著者プロフィール

1970年、カナダ生まれのジャーナリスト、作家、活動家。デビュー作『ブランドなんか、いらない』は、企業中心のグローバリゼーションへの抵抗運動のマニフェストとして世界的ベストセラーになった。アメリカのイラク戦争後の「復興」に群がる企業の行動に注目したことがきっかけとなった大著『ショック・ドクトリン――惨事便乗型資本主義の正体を暴く』は、日本でも多くの読者に受け入れられた。『これがすべてを変える――資本主義 vs。気候変動』は、「『沈黙の春』以来、地球環境に関してこれほど重要で議論を呼ぶ本は存在しなかった」と絶賛された。2016年、シドニー平和賞受賞。2017年に調査報道を手がける米ネット・メディア「インターセプト」に上級特派員として参加、他に『ガーディアン』『ネーション』などさまざまな媒体で記事を執筆している。

「2019年 『楽園をめぐる闘い』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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