カンパネルラ: 機械仕掛けの少年の魔法の角笛

著者 :
  • エフ企画
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784894192409

感想・レビュー・書評

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  • 背中で錆びついている羽音が、遠い眠りの空で剥がれ落ちるような気配を感じた。
    少年だけが持つことのできる翼。闇が裏返る晩には、月は磨きあげられた一枚の鏡になる。額縁の中に収まっているのは、春の日の「少年たち」。一つの宇宙を創造し、破壊する者。月光の匂いがする手紙を置いて、姿をくらました片割れの行方について思いめぐらすことは、夢の重さと永遠の重さとの誤差を計ることと同じくらい詮無い。逡巡は常に懐疑の貌をさしだすが、その裏面には冀望がある。視線の軌道が交わるように、太陽光を三稜鏡で屈折させて奇跡のすきまを探すのさ。

  • タイトルからしてそうだけれど、宮沢賢治的な世界観。とにかく七戸優の少年のイラストがいい。

  • まず絵がどツボである。
    人間または動物の何処かに少しずれがあり違和感をおぼえる。それはあからさまによりも、微妙なずれの方が奇怪で尚魅力的だ。
    この本で言うなら、掌よりも明らかにでかい頭とか、頭の角度とか。
    文は詩的で何を言ってるのかその実意味不明なのだが、僕は「大人になりゆくぼく、を見つめる今のぼく」だと思うことにした。
    それにしても、好き過ぎる絵である。
    表紙の坊やなんて美川憲一の髪型だし、頭から蓄音機生やしてるカラスも撫でたい位愛しく可愛い。

  • 不可思議ワールド再び!!
    細かい描写とシュールな世界観であなたもきっと目がそらせなくなります!!!

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著者プロフィール

訳*天沼 春樹 (あまぬま はるき)
1953 年、埼玉県川越市生まれ。作家・翻訳家・ドイツ文学者。『グリム童話全集』『アンデルセン童話全集』(全3巻)の翻訳をはじめ、著書として小説『くらやみざか』(いずれも西村書店)をはじめ、幻想小説でも独自の世界を描く。飛行船の研究家としての著作も多数。

「2020年 『アンデルセンの夢の旅』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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