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- Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
- / ISBN・EAN: 9784894347182
感想・レビュー・書評
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「私の名は赤」と双璧を成す歴史小説、とはまさしく。ボリュームは少ないものの、素晴らしい読書体験だった。トルコという国が「異教徒」として見つめる西洋の叡智への複雑な好奇心。長年、敵でありながらも交易を通して意識せざるを得ない西洋とトルコは、互いに張り合うよく似た兄弟のようだ、と極東に住む私には思える。その2つの対比だけでなく、知を持つものが陥る愚者への蔑み、知の生み出す暴力としての兵器、権力を持つものと大衆の罪、何より自己と他者という2つの対比を思わせる。そして、そういうものの深淵を覗き込みつつ、こんなのは全部うそですよ、と言わんばかりに、人が想像をしたり物語をすることが必要なのだ、と読者を翻弄してみせる。素晴らしかった。
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