日本のアジア外交 二千年の系譜

著者 :
  • 藤原書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894349025

感想・レビュー・書評

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  • 日中韓の過去2000年にわたる外交を歴史的に検証している。
    古来からの外交の流は現在に至るまで同じような状況が繰り返されていることがわかる。
    この3か国は常に内政、外交の流れの中で複雑に絡み合い何度か戦争になっている。
    過去の状況は現在の悪化した3か国の状況に酷似しているのではないだろうか。

  • ふむ

  • 構成も文章も読み辛いし、内容も説得力があるとは思えない。
    現在から見れば愚かな選択としか思えないのだが、なぜ戦前の日本が朝鮮を併合して大陸へ進出したのか、その理由を知りたくて本書を手にとったのだが、全くわからなかった。
    歴史的事実とその周辺事情を並べただけでは読み通す気力も失われてしまうと感じた。

    2016年11月読了。

  • 元外交官ならではの視点で過去2,000年の日本のアジア外交を1つの軸で総括。白村江、元寇、明との戦い(朝鮮出兵)、日清戦争、韓国併合・日中戦争。外交とは領土的単位ではなく、思想・理念・道義の影響力の増大を図る価値観外交。国家統一等で国内の価値観が統合される時期は影響力の範囲を広げようという行動に移りがち。特に隣国の統治が不安定な時にはなお更。これに地政学、汎アジア主義、反中・反西欧といった視点を加えて説明。説明軸が発散することはあるが、なにせ2,000年分の総括なので多少の無理はやむを得ない。日中韓の歴史を、西洋的国際秩序の中で解釈するのではなく、あくまで北東アジアの長い交流の歴史の中でたまたまここ1世紀に西洋がスパイスとして入ってきたという目線で整理。元々、地政学的に韓国・朝鮮は中国か日本の影響下に入り易いが、対中・対露への牽制的意味合いで朝鮮侵攻が起きたという解釈は、そうなんだろうと思う。

    またインドは日本が語るアジアの周辺に位置されることが多いが、アジアの国々の連帯は歴史的にみると反植民地主義や風俗習慣上での共通性や経済的交流の深さで語られることが多いが、そこにはっきりとした価値観やアジアの思想が体現されることは稀。ただインドがアジアを語る時は、近代文明の物質主義や功利主義に対するある種のアンチテーゼを含む。そうした思想性や精神性は、アジアを越えて世界的な思想として共有され得る。アジアの精神を世界化するための良き触媒でありうるという指摘は全くうなづける。インドは深い。

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著者プロフィール

青山学院大学特別招聘教授、元フランス大使
1938年生まれ。東京大学法学部、英国ケンブリッジ大学経済学部卒業。1962年外務省入省。文化交流部長、経済局長、外務審議官、駐ベトナム大使、駐韓国大使、駐フランス大使などを歴任。2003年10月から 11年9月まで独立行政法人国際交流基金理事長を務める。東京2020オリンピック・パラオリンピック招致委員会評議会事務総長

「2017年 『朝鮮半島 地政学クライシス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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