経済大国なのになぜ貧しいのか?

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著者 : 苫米地英人
  • フォレスト出版 (2012年3月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894514935

経済大国なのになぜ貧しいのか?の感想・レビュー・書評

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  • 東日本大震災を機に発生した原発事故では、多くの情報が隠蔽されていて、後になってから少しずつ真実の情報が出てきました。この本の著者である苫米地氏によれば、メディアが流す情報も常にウソ(選択された情報のみ開示等)が含まれているそうです。

    この本では苫米地氏が巷に出回っている経済に関する8つの定説について、本当の情報は何かと解説しています。メディアが伝える情報と彼の内容とどちらが正しいのか即断できませんが、彼の主張には納得できるものが多かったと思います。

    彼はこの本で提案してくれた「賢く生きる生き方」について、私も納得したうえで「後悔しない、楽しかった、充実していた」と最後に思えるような生き方をしたいと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・リーマンショックの原因は、金融機関の巨大損失ではない、アメリカのテレビ局が「たいへんだ、低所得の移民にサブプライムローンで家を売って、破産者が続出している」と報道したことが発端、その後に投資家が不安(投資家心理)になって破綻へ向かった(p23)

    ・リビアは世界で唯一の国家所有の中央銀行を保有してアメリカのドル支配に抵抗、原油の金決済も主張し、アフリカ共同体を創設する計画を進めていて、民主化運動が起きた(p26)

    ・経済学の価格形成理論は、1)経済主体が経済合理性のもとに行動する、2)完全情報が存在する、という大前提が理論構築の基礎である(p35)

    ・デリバティブは上場市場でなく店頭で相対取引、なので取引情報が開示されない(p37)

    ・マイルドなインフレが良いというのは騙されている、安定しているのが一番良い、インフレを経験するようになったのは、19世紀末から(p59)

    ・現代でもアメリカにはFRBの存在を違憲として、通貨発行権を国家に取り戻すべきという主張をしているロン・ポール議員(共和党)がいるが、日本のマスコミは取り上げない(p63)

    ・日本のバブル崩壊は1990年の総量規制と考えられているが、それよりも大きな要因として、1988.7の第一次BIS規制(欧州の抜け穴:証券化)があった(p72)

    ・現代の日本はデフレとは言えない、物価下落率が為替変動率よりも小さい(p76)

    ・2012.2下旬には、年金資金:2000億円を 300倍近いレバレッジをかけて、57兆円のデリバティブ取引をしていた AIG投資顧問が破綻した(p102)

    ・デリバティブ市場を縮小させれば、金融市場は逆回転をして、景気回復や雇用増大に注いだ努力が水の泡になることがオバマ大統領も理解した(p103)

    ・日本国債がデフォルトするというデマは、日本国債のいい出物を拾いたい投資家が日本人向けに流しているデマ、その証拠は、長期金利が1%と低いことと、円高(p106)

    ・一般会計は90兆円だが、特別会計は210兆円であり、合計300兆円(p120)

    ・日本の純負担率(=税・社会保障負担率-社会保障給付率)は 17.8%であり、スウェーデン:13.2%よりも高い(p125)

    ・ギリシア財政が破綻するような状況になった理由の1つに、税金を徴収することのできないアングラ経済の肥大化がある、客に消費税を要求しない店があり公務員も黙認していた(p140)

    ・転換国債をは行する、100年国債(永久国債)保有者には相続を無税とする、現在の相続税は1.4兆円程度なので問題ない(p147)

    ・日本のGDP:570兆円のうち、輸出分:67、輸入分:60兆円で、円高で悪影響を受けるのは輸入と輸出の差額の7兆円、10%進むと7000億円を損することになる(p155)

    ・円高の流れは止まらない、日本企業決算期にあたる3月、欧米の12月は資金決済に日本企業が円を売ってドルを調達するので円安になることもある(p163)

    ・国力を測るもっとも根本的なものは、識字率(p164)

    ・かつて日本が三流国の場合は、一流国に渡り苦労して外国の支店長になるより、国内で出世した方が良かったが、今は日本が一流になっているので自分たちの価値観を海外に広めるべき(p169)

    ・サブプライムローンが盛んだったころ、アメリカの銀行は準備預金の50倍を貸していた(20万円の元手で1000万円)ので、1000万円貸した相手から2、3か月分の金利で回収が終了、それ以降は丸儲け(p184)

    ・アメリカの住宅ローンはノンリコースローンなので、返済不能なら不動産を銀行に渡せば借金はチャラになり、50倍に貸した元を金利でとれるだけでなく元本まで回収可能、帳簿上は不良債権なので損金処理できるので税金も払わなくても良い、これが大増益のカラクリ(p185)

    ・高収益をもたらしていたカラクリを崩壊させたのは、投資家がサブプライムローン債券を含むCDO(資産担保証券)を売り始めたから(p186)

    2012年3月24日作成

  • 世界経済を読み解く上で、大きな全体像が簡単に理解できる。
    著者の推論力に圧倒的な力を感じる。

    サブプライムローンの問題から、戦争と経済成長の話まで、この世がいかに経済支配者に操られているかがよく理解できる。

    私個人としては、経済を俯瞰する読書トリップを楽しめた。

    また、読みたい。

  • 経済大国であるという国の財布と個人の財布にお金があるかは全然別の問題だと思いつつ、共通点も多いですよね。どっちも、何かやりたいことや必要に迫られたことができたときに対応できるだけの余裕は必要だと思う。そのために、国の一般会計と特別会計の特性を明らかにしながら、どんな策があればもっと豊かさを感じられるようになるかを検討してみたのがこの一冊。個人的におもしろいと思ったのは、国家がはじめるクリエイティブなファイナンス。これができるようになったら、税金だけでなくいろんなお金の作り方が考えられそうだし効果もありそう。だからこそ逆に、財務省ってできることまだまだやってないんじゃないの?増税だけが手段じゃないでしょと思いもしました。まぁ、自分についてもそうですね。今見えている手段だけでなく、もっと個人の財布についてもできることを探してみたいと思います。

  • 経済の事がよくわからないので読んでみた。
    昔の経済学は、前提となっている場が今とは全く違うので、今の世界経済の動きにはあてはまらないのだそう。世界経済はやはり巨大資本を動かす銀行家達に支配されているのだろうか?
    印象深かったのは日本の借金を何とかする方法。
    税収と普通の国債発行のみで解決しようとするのは時代遅れな発想だそうで、例えとして国の無形資産の命名権を期限付きで売る方法、相続税のかからない税収受取権付き転換国債(期間100年)の発行などの案が挙げられていた。
    命名権などは、気の利いた地方自治体などでもすでに採用されているし、そんな国債があれば相続に頭を悩ませているお金持ちが買いそうな気もする。
    面白いアイディア。
    国力を何ではかるかというと、筆者は識字率ではないかと述べている。その説に従うと日本はきっと悪い事にはならないだろう。
    ほんの少しだけ経済の事がわかったような気がする。

  • 世界経済においても、「カースト制度」が存在するとして、新聞・メディアの流す様々な嘘を暴く。
    具体的には、デフレ論、増税論、マネーストック、銀行、財政再建、円高悪玉論、投資、経済成長必然論等に対し、歴史や具体的対策も交えながら、論考している。
    事実だとすれば、日本はますます元気になれるということだが・・・。

  • "苫米地さんの本はよく読みますが、
    これもわかりやすくて理解しやすい本出す。
    カネ余り経済の中、今後リーマン・ショック以上の
    世界的な金融恐慌が起こるであろうと予想している点。
    これは自分も同意見です。"

  • 目から鱗の諸説に疑いの余地が存在するのかと思う程である。著者の本は何冊か読了しているが、ほとんど今までの常識的発想ではなかなか頭がついていけない内容なので、今一度金融・経済についての基礎知識を見直したい衝動に駆られた

  • 経済学とは本来、こういう話なのではなかろうか。
    陰謀論と切り捨てるのは簡単だが、俯瞰の視点を与え、盲点を外してくれる、現代では稀有の啓蒙書と言えるのではないか。
    この人、やっぱ面白いから国政に送り込みたい。

  • 苫米地さんは、著作の範囲が広く何の専門家か分からないトンデモな人という先入観を持っていたが本書を読んでそのイメージが消え去った。
    新聞をいくら読んでもこういう視点はないので、貴重な本だと思います。

  • ありきたりの経済学者でない、脳機能学者・計算言語学者・分析哲学者・実業家である著者ならではの、所謂、経済現象の分析・評価・将来見通しについては、納得できるところが多い。

    世界経済のカースト制度がわかれば、資産を守れるとまえがきにあり、カーストのトップに位置する欧米巨大銀行オーナーの力が続く限り、戦争もなくらなないメカニズムが理解できる。

    リンカーン、ケネディが主張し実行した法貨の発行が如何に紙幣をするまくり利益を得るカーストトップのご機嫌をそこねるのか、恐ろしいばかりである。

    FRBの設立の加担したウッドー・ウィルソン大統領が死ぬ前に残した言葉「私は、いやいやながらも、私の政府を冒涜してしまった」が象徴するように、国民が選んだ為政者トップに対する欧米巨大銀行の横暴はそんじょそこらのものではないのでしょう(怒)。

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経済大国なのになぜ貧しいのか?の作品紹介

天才脳機能科学者、ノーベル経済学賞を多数輩出するカーネギーメロン大学博士、財務担当としてロックフェラーセンターの買収に関わった金融の専門家でもある苫米地英人が「お金のウソ」をすべて暴く。

経済大国なのになぜ貧しいのか?のKindle版

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