進撃する相場の投資術

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  • フォレスト出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894516724

作品紹介・あらすじ

27年ぶりに日経平均が12連騰!日本に本物の強気相場がやってきた。今こそ自信を持って投資するときがきた。なぜならば…「伝説の当たり屋」が市場のウラ側を読み解く、超強気の投資術!

感想・レビュー・書評

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  • 今年(2015)の7月に書かれた本です、この数年間の動きを見る限り、金価格が下がって日経平均は上がっているのは実感するところです。

    この本の著者である今井氏は、実際の銘柄を挙げて、上がる見込みのある会社を推奨しています。また、この本では、なぜこの時期に株価があがるかの解説をしています。

    今井氏によれば、まだ株価が上がる時期には時間があって、この時期に仕込んでおくとよいとアドバイスをしているみたいです。数年間はこの本で推奨されている10銘柄については意識しておきたいと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・日経平均が上昇するのは、GPIF(年金管理運用独立行政法人)の買いも理由の一つだが、外国人投資の資金流
    入が大きい(p3)

    ・原油の過去100年の平均価格が2ドルであること、米国の物価水準の変動を考慮すると、20ドル程度まで下がっても不思議でない。と、中原氏は述べた(p20)

    ・実際に現地調査を行ってみると、シェルーガスを採掘すると一緒にシェールオイルも採れるので、それを合わせると生産コストは1バレル=20から30ドル程度、掘削技術が進んでいることもある(p23)

    ・古い油田に炭酸ガスを閉じ込める方法で、日量30万バーレルの原油が汲み出されている。(p27)

    ・アメリカは39年ぶりに、サウジアラビアを抜いて原油生産量1位となった(p30)

    ・原油在庫、トレーダたちが投げ始めた原油を保管する場所がいまのアメリカに見当たらなくなったので、2014年7月に原油輸出解禁した(p32)

    ・日本は、原油安に加えて、円安、金利安というトリプル安になるので、GDPを1.6%程度上げる可能性がある(p36)

    ・本国投資法(HIA)により、海外留保利益総額の1兆ドルのうち、3000億ドル程度が本国に還流した(p75)

    ・FRBの金利正常化と、HIA2法案成立がダブルでやってくるので、2015年後半には1ドル125円の円安が起きている可能性がある(p77)

    ・貿易赤字が昨年後半からどんどん縮小して、ついに黒字化した。これが円高を招く可能性もある。また国内回帰の動きも要因となる(p81)

    ・アパレルの本場中国からアパレルメーカーが日本にやってきて工場を設立する。メイドインジャパンというブランドを手に入れたいのが第一の原因、賃金は殆ど中国と同じ、土地の利用料が中国よりも足利市のほうが安い(p82)

    ・ECBがマイナス金利のドイツ国債を買い続けているのが異常な政策、7年モノの金利がマイナス0.048%、日本の10年国債は0.3%程度(p87)

    ・秋にかけて円安が起きるとすれば、GPIFに追随する形で保険会社、かんぽ生命、ゆうちょ銀行が資産の組み換えを行うので(p99)

    ・AIIBの行うアジアインフラ開発は、プロジェクトに金をつけ、それによって中国が抱える余剰鋼材を消費させるための構想である(p120)

    ・中国が資本金の30%を出資、出資国が増えてもそれを維持する方針。重要案件の議決は75%以上の賛成が必要なので、中国が反対すれば通らず、実質上の拒否権を持っている(p122)

    ・14年末の中国の外貨準備高は、3.8兆ドルで半年で、0.15兆ドル減少、景気低迷による資産流出が0.4兆ドル以上ある。この結果、中国は外界資産よりも借金のほうが多い状況となる(p123)

    ・金融緩和により、2016年まではもつ。しかし2017年は危ない(p125)

    ・金融規制改革法における新ルールとは、1)銀行あるいはそれに準じる金融機関のヘッジファンドへの経営参加の禁止、2)銀行によるデリバティブや商品先物への投資を禁止(p161)

    ・実施時期は、当初2015年7月であったが、2017年7月に再延長となった(p163)

    ・ネットキャッシュの多い企業として、古河財閥系のファナック(9287億円)以下、任天堂、キャノン、信越、キーエンス等がある(p174)

    ・日銀の異次元緩和は、2015,16年度は問題なく、2017年度いっぱいは、何とかもつだろうと予測される。株式投資を行う絶好の機会である。2万8900円程度まで上がるだろう(p180、188)

    ・日本の純債務はGDP比較で234%と大きいが、日銀・政府機関の保有分を相殺すると94%となり、米英なみとなる(p183)

    ・現在は戦後17番目の景気拡大期にあたる。これは56年前の1959年と同じ位相と考えられる(p191)

    ・40か月程度のキチンサイクル(在庫循環)、ジュグラーサイクル、およそ20年のクズネツクサイクル(建設循環)、50-60年のゴンドラチェフサイクル(長期循環)のすべてが上昇期に入るゴールデンサイクルに、日米同時に入る(p196)

    ・アメリカ経済の回復が見込まれるときには、日本の一流どころで割安な電子部品株(ダイキン、京セラ、キーエンス、サンケン等)が上昇するだろう(p215)

    ・推奨10銘柄以外には、JPX400のETF(日興、野村、大和等)(p228)

    ・大成建設:リニア新幹線のトンネル掘削工事、東レ:水処理用逆浸透膜・炭素繊維、日医工:ジェネリック医薬品、ヒロセ電機:自己資本率高く、キャッシュリッチ、ファナック:工作機械とロボット、日東電工:ニッチ製品で世界トップ、ビジョン:育児用品、ユニ・チャーム:衛生用品、ミクシィ:スマホゲーム(p238)

    2015年10月10日作成

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著者プロフィール

国際エコノミスト。マネードクター。1935年東京生まれ。
浦和高校、慶應義塾大学経済学部卒業後、山一證券入社。山一證券経済研究所、山一投資顧問を経て、日本債券信用銀行顧問に転職。「証券から銀行への珍しい転職」として脚光を浴びると、英国との合併会社である日債銀ガートモア会長、日債銀投資顧問専務、慶應義塾大学商学部講師、白鴎大学経営学部教授などを歴任。 証券と銀行の両業務を経験、一貫して、「情報」と「市場の資産運用」をつなげる仕事に携わる。
また、世界で初のヘッジファンドについての書籍を執筆、日本で初めてヘッジファンドを買った人物としても知られる。TBS「サンデーモーニング」、テレビ朝日「サンデープロジェクト」、テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」などの番組で活躍、自身の名を冠した「今井澂の美女とヤジ馬」は好評を博し長寿番組に。
現在も、講演を年間80回以上行うなど、活発に活動。公益財団法人年金シニアプラン総合研究機構理事、NPO法人金融知力普及協会理事を務める。


「2016年 『恐慌化する世界で日本が一人勝ちする』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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