なぜ、脳は神を創ったのか? (Forest2545Shinsyo 15)

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  • フォレスト出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894518155

作品紹介・あらすじ

生まれつき脳に刻みこまれた「死への恐怖」のために、脳は自ら神を創り、さらには宗教、国家を創ってきた!ベストセラー連発の脳科学者であり、オウム真理教の脱洗脳でも有名な苫米地英人が「脳科学」と「宗教史」が証明した「幸福な生き方」を初めて解説!「人間関係」「お金」「病気」「将来」…などの不安・恐怖・トラブルから、あなたを解き放つ最新の脳科学とは。

感想・レビュー・書評

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  • 権力によって隠された過去の事実を知ることで
    迷わず今現在の自分らしい選択を
    間違いなくするための知恵と知識満載

    なぜ人は宗教や信仰を求めてしまうのか?
    なぜ幸せを求める信仰心が人殺しにつながるのか?
    なぜオリジナルな仏教にはない「浄土』がうまれたのか?

    これらを脳科学・認知科学・分析哲学の視点から解明し
    宗教に頼らずにできる幸福な生き方を示している

    中でも108ページからが面白い
    宗教側の人間はあの世のことでイッパイだから浮世の大それた悪事に関心などなく
    宗教者の振りをしたビジネスマンや政治家が例外で
    世俗に執着する権力志向者にのみとてつもない極悪人がいるという

    1991年に神は正式に死んだという
    物理学における不確定性原理と数学における不完全性定理について
    運動の方向と速度がプランク定数よりも大きいという不等式を
    具体的で分かりやすい上に詳しく説明しています
    つまり時間にも空間にもゼロが無く不連続だということです
    掛け算でゼロになる事実はないということです
    全ては現象を成り立たせている物理の関係であり
    この関係性が《空》だという概念である
    ひも理論の紐が振動していれば《有》であり素粒子と呼び
    振動していない時は《無》であり真空と呼ぶ
    確率100%の現象はなく
    量子の状態は確率であり運命論で語れない

    https://www.youtube.com/watch?v=SbwRhjECwqM
    「釈迦は何を悟ったのか?」

    苫米地英人著『なぜ脳は神を創ったのか?』について

    釈迦が悟ったのは結果である《縁起や空という諭した言葉》でなく
    プロセスにある
    《釈迦は自分を完璧に見えた人》
    つまり自分を映し自分と対する宇宙を完璧に悟った人

    悟りは脳や体感で得た結果の言葉とか論理だけではない

    最後に
    般若心経の間違いを指摘して添削文を開示
    添削文        元の文
    色不異無 無不異色  色不異空 空不異色
    色即是無 無即是色  色即是空 空即是色
    空包摂色 空包摂無  なし   なし
    つまり
    現実は無と違わず 無は現実と違わず
    現実はそく無と同じ 無はそく現実と同じ
    空は現実をも含み包む 空は無を内包する

    これも目からウロコ
    コロンブスの卵
    何故気づかなかったのだろう〜

  •  最後のは苫米地さんのぶっ飛んだ持論が書かれてますけど、それ以外は神、宗教とは何かという事がいろいろと書かれてます、他の本と被ってる部分もありますが。
     インド人が奴隷として扱われたのは、バチカンがインド人はキリスト教徒じゃないから人間ではないと言ったからだそうで、おぞましくもあり得る話だなと思いました。
     精神世界とかに興味の無い人のほうが、信仰がどのように機能していたのかが冷静にわかって面白いと思います。信仰心のある人はそもそもこんな本は手に取らないと思いますけど。

  • 分かりやすい部分もあるし、分かりにくい部分もある。ただ、グリムの定理により1991年神が正式に死んだというのは僕なりに納得出来た。

  • 脳については昔から興味があり、この本の著者である苫米地氏の本を何冊か読んだことがあります。

    この本は、宗教や神がどのようにして作られてきたかについて解説してあり、それだけではなく、米国を支配している人たちがプロテスタントであり、実行部隊はカトリックであるなど、初めて知る内容もあり興味深かったです。

    苫米地氏が最初にコメントしているように、神は存在しないものであると証明されたとしても、最善を尽くしたのちの「最後の神頼み」は否定されるものではなく、今後も多くの人がお世話になることでしょう。

    また、日本が中国経由で輸入した仏教は、本来のものとは異なり、中国風にアレンジされているという内容は興味が惹かれました。

    以下は気になったポイントです。

    ・儲かりもしないのに国民の生命と財産を浪費して戦争をする国はない、やむをえない場合に戦争に訴えても良いというのは、国家が利益のために戦争を行い、そのためには罪もない人々を巻き添えにして良いという理屈である(p24)

    ・一度、脳に神の情報が入ってしまうと、神が存在する場合と存在しない場合との間に、差はいっさいなくなってしまう(p36)

    ・人間が信仰心を抱く理由として、1)自分が不完全なシステムであることを、何かをきかっけにして自覚する、2)巫女や祈祷師の能力によって成り立つ信仰心の醸成、3)死の恐怖、である(p48)

    ・世界の歴史に書かれてきたことは全て勝者の歴史であるように、宗教についても、勝者の宗教のみが記録されている(p62)

    ・原始キリスト教では、輪廻転生の概念があったが、現在のキリスト教では排除(553年にバチカンがコンスタンティノ公会議において聖典から外すことを決定)されている(p64)

    ・プロテスタントは、カトリックよりも厳しい戒律を持つ宗派である(p75)

    ・2009年夏に、原爆を投下したエノラゲイには13人目の人物として、カトリックの神父も乗っていたことを明らかにした、死刑執行の場に神父や牧師が立ち会うのと同様の論理(p86、99)

    ・貿易商は、バチカンが「現地の人は人間ではない」という正式回答を待って、現地の人間を奴隷という貿易品目に仕訳した、東インド会社の最大取扱品目は、奴隷貿易であった(p92)

    ・アメリカがドイツに原爆を落とさなかった理由、イラク戦争やアフガニスタン戦争で、原爆に劣らない大量殺りく兵器を使用している(それが許されている)のは、キリスト教徒以外は人間ではないという思想が流れているから(p93)

    ・アメリカの支配層は、WASP(白人:white、アングロサクソン:Anglo-Saxons、プロテスタント)であり、戦争の最前線に立たなければならない庶民は、たいていはカトリック(p94)

    ・大量殺戮の汚名は、WASPである国の指導者から、最前線で戦うカトリック兵士に付け替えた、ブッシュがオバマにツケを回したように(p97)

    ・神の存在を語るうえで、1)物理学における不確定性原理、2)数学における不完全性定理、という画期的な大発見(1980年代)は非常に重大である(p117)

    ・不確定性原理(ボーアとハイゼンベルク)を示す、「△Lx△v>h、△L:位置の分布、△v:運動の分布、h:プランク定数」は、「2つのものをかけて絶対にゼロにならない=位置と運動を同時に知ることができない」ということ(p119)

    ・量子力学の不確定性の公式:「△e x △t>h、△e:エネルギー分布、△t:時間の分布」は、1)時間には最小ユニットがある(△eも△tもゼロにならない)、つまり時間は不連続である、2)物質においても、ゼロの状態をつくれない、ということを示す(p124)

    ・この世の現象は、可能性が高いか低いかの違いはあるものの、すべて確率によって決まるという量子論は、宗教的な運命論を否定する、ハンカチを1センチ上から落としたときは、どこにおちるかかなり正確にわかるが、高いところから落とせばランダム性により(0.99x0.99x...=ゼロ)ゼロに近づく(p129)

    ・宗教では、人間の死は136億年前に決めましたというのが「宗教でいう神の思し召し」であるが、量子論では、この世の現象はすべては確率なので、量子論上では「神は死んでいる」ということになる(p130)

    ・チャイティンの不完全性定理は、例えとして、コンピュータプログラムでソフトをつくって「このプログラムにはバグはない」と証明できても、それを記述している言語そのものにバグがある可能性もある」というもの(p137)

    ・1991年に発表された「グリムの定理」は、「神を完全な系と定義すると、ゲーテル=チャイティンの定理により、神は存在しない」というもので、これを覆すことができる哲学者や宗教学者はいない(p138)

    ・ユダヤ教では、神の名前を口に出してはいけないが、神はキリスト教と同じエホバである(p145)

    ・釈迦は80歳で死んだが暗殺された可能性が高い、カースト制度を壊そうとしたガンジーが暗殺されたように(p155)

    ・仏教の出家者は、出家時に全財産を家族においていくか、地元の人に寄付しなければならないという決まりがあった(p159)

    ・日本に伝わった仏教は、中国がインドから輸入した瞬間に、道教にかわっていること、当時の中国には儒教と道教があり、インドのバラモン教(支配層向け)とヒンズー教(非支配者向け)の関係であった(p164、166)

    ・釈迦は苦行を徹底的に否定している、悟りを開こうとして餓死す
    る寸前まで苦行を行った結果、「苦行がかに無駄なことか」を悟り、それを語っている(p173)

    ・アメリカ企業では福利厚生費の圧縮が進み生産性が向上しているが、これは従工場牧師の導入によるところが大きい(p187)

    ・戦費は資本主義では売上になるが、共産主義ではコストにしかならない、だから長い冷戦でアメリカ経済は潤い、それは疲弊した(p204)

    2011年9月19日作成

  • 物理学における不確定性原理と数学における不完全性定理を根拠に、神はいないと主張している。そして、人生のゴールを宗教や政治よりも抽象度が高いところに置くよう説いている。

  • ここ数年のビジネス書ブーム牽引の立役者(と私は思っている)苫米地さんの本

    神様というものを非常に広義に捉えているなぁということが印象的でした
    当然ですが、神は必要とされて生み出されたもので、
    (実在しなかったとしても)神を信じるも信じないも自由であり、
    信じるものはバカで不幸で…ということなんてないよ、と言っている気がします
    ただ、それを利用する人には気をつけましょう、そういう奴は大体が極悪ですよ、と

    宗教にすがる(信仰ではなく)人を見るととても弱いなと感じてしまうところがあって
    彼らによって自分の弱さをくすぐられるから嫌悪感を感じていたような気がします
    だから神がなぜ作られたか(弱者の絶対視対象としての不可触的存在の必要から)
    ということをそれなりの人の意見として聴きたくて手に取った本でしたが
    それはメインじゃないんだな…と読んで感じた次第です

    価値観の多様性を認めるということはそこに優劣をつけないことだと思いました

  • この手のタイトルの本は出尽くした感あり。が、あえて読んでみた。
    多岐にわたる話題が提供されており、雑学としては面白かった。
    アメリカに冷戦を仕掛けられなければ、まだまだ共産主義が残っていたかも分からないというのは、随分乱暴な話しである。先日読んだハイエクの本には共産主義の明らかに非効率な部分がある。例えばある財やサービスの適正価格の決定である。しかしながら、氏が言いたいのは、共産主義の思想全てが全て悪かった訳ではないだろうということではないだろうか?アメリカに負けたという点では共産主義国家も日本も同様で、負ける以前の価値観はすべて悪しきものというレッテルが貼られ、無きことのように扱われる。最近になり日本の古き良き時代が見直されてきている。共産主義の良さもいずれはそのようにされることもあるのでは無いだろうか?私も共産主義者ではないので、特に共産主義を擁護したい訳ではなく、強者の論理だけを信じ込まされることに抵抗したいだけである。

  • 著者のウンチクがフルに回転しまくってます。まだ整理がついていません。
    この本、かなり面白いと思います。宗教の歴史、在り方と人間の思考の繋がりを著者お得意のマインドで描いています。お金の価値観の転換はこれからの世界の在り方を占っているのかもしれません。

  • 結構気になっている人で、これまたきになるタイトルなのですが、やっと読みました。
    大阿闍梨らしいけど、比叡山の酒井雄哉大阿闍梨と同じっていうことか。
    書いてあることは一部難しくてわからない。ちょっと衒学的?とも思えるのだが、それはこちらが理解できていないだけなのか。多分そう。

    非常に面白く読めました。
    オウムの洗脳を解いた人というくらいの認識しかなかったけど、宗教学の造詣も深いのですね。

    科学的に神の不在は証明された、で始まります。

    その部分の説明もなされてはいるのですが、今ひとつ納得できないんですよね。
    でも、そこを納得しないと先に進めないので。

    切り口としては目からウロコ。実際にアメリカにおけるキリスト教の実態というは、説明されているとおりだろう。
    先日池上彰さんが、宗教国家としてのアメリカをレポートしていたけど、着眼点は非常に似通っている。

    ひとつ思ったのは、苫米地さんを信じてしまうのもひとつの宗教ではないの、ということ。
    他の著作も読んで、ゆっくりと判断していけば、さらに面白いだろう。

  • 神は、存在しない。存在するのは、脳の中。
    色々論じられているが、なかなか理解するのは難しい。

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著者プロフィール

認知科学者(計算言語学・認知心理学・機能脳科学・離散数理科学・分析哲学)。
カーネギーメロン大学博士( Ph.D)、同 CyLab フェロー、ジョージメイソン大学C4I&サイバー研究所研究教授、公益社団法人日本ジャーナリスト協会代表理事、日本外交政策学会会長、コグニティブリサーチラボ株式会社CEO 兼基礎研究所長。マサチューセッツ大学を経て上智大学外国語学部英語学科卒業後、三菱地所へ入社、財務担当者としてロックフェラーセンター買収等を経験、三菱地所在籍のままフルブライト全額給付特待生としてイェール大学大学院計算機科学博士課程に留学、人工知能の父と呼ばれるロジャー・シャンクに学ぶ。同認知科学研究所、同人工知能研究所を経て、コンピュータ科学と人工知能の世界最高峰カーネギーメロン大学大学院博士課程に転入。計算機科学部機械翻訳研究所(現 Language Technologies Institute)等に在籍し、人工知能、自然言語処理、ニューラルネットワーク等を研究、全米で4人目、日本人として初の計算言語学の博士号を取得。帰国後、徳島大学助教授、ジャストシステム基礎研究所所長、同ピッツバーグ研究所取締役、通商産業省情報処理振興審議会専門委員、早稲田大学研究院客員教授などを歴任。また、晩年のルー・タイスの右腕として活動、ルー・タイスの指示により米国認知科学の研究成果を盛り込んだ最新の能力開発プログラム「 TPIE」、「 PX2」、「 TICE」コーチングなどの開発を担当。その後、全世界での普及にルー・タイスと共に活動。現在もルー・タイスの遺言によりコーチング普及及び後継者として全世界で活動中。一般財団法人サヴォイア王家諸騎士団日本代表、聖マウリツィオ・ラザロ騎士団大十字騎士。近年では、サヴォイア王家によるジュニアナイト養成コーチングプログラムも開発。日本でも完全無償のボランティアプログラムとして「PX2」と並行して普及活動中。

「2023年 『新・夢が勝手にかなう手帳 2023年度版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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