「オトナ脳」は学習できない! (Forest2545Shinsyo 37)

著者 :
  • フォレスト出版
3.37
  • (5)
  • (5)
  • (13)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 85
感想 : 8
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (183ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894518377

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 確かに外国語の学習で、母国語を入れて勉強をしてはいけないのは、非常に納得がいきます。
    ただ、この学習方法が、語学を身に着ける上で、最も合理的だと知ってしまうと、
    多くの英語教師の人が失業してしまいます。
    それは、英会話学校にいるガイジンしかりです。
    なので、英語ビジネスが成り立たなくなってしまいます。

    実際、外国語の勉強は、最低限の文法レベルを知り、後は、多読に限ります。
    もちろん、その途中で音読するのも良いと思います。

    なぜか、日本では、英語を勉強している人は、多いのに、英語で発信している人は、
    本当に少ない。自称グローバル化を叫んでいる人も、英語で、発信したり、また違う外国語で、
    自分自ら、発信する人は、本当に少数派です。
    英語の重要性を、日本語で、語りつくすのが、日本のグローバル化の奇妙な対応です。
    もちろん日常で、英語を必然と使う環境は、日本で皆無です。

    日本語で、英語の重要性を、叫ぶ人は、
    たくさんいます。
    ただ、叫ぶのに、英語を使っては、発信しない。
    なんとも不思議な話しです。

    個人的には、語学のある一つの到達点は、
    当たり前のように、外国語の本を手にとって読んで、
    その内容を語ったり、また、レビューをしたりして、
    誰かと共有することだと思います。
    年に100冊ぐらいが妥当だと思います。博士は、1000冊という目標を上げてますが、
    一か月に100冊は、かなりハードルが高いと思います。

    資格取得の勉強を、一生懸命やるだけでは、
    この喜びは、得られないかもしれません。
    ただ、博士の勉強法は、教師いらずの外国語学習法なので、
    なぜなら、キンドルで、外国語の本をダウンロードして、できれば古典ですが、
    それを英英辞典で調べながら、ひたすら読んでいくわけですから。

    これを長く続けると、「面白い」と感じるようになっていきます。
    面白いと感じることがないならば、個人的には、母国語のレベルが低いからだと思います。
    母国語以上の語彙力を、成人近くか開始して獲得する人は、ほぼいません。
    しかし、母国語の並みの語彙力を獲得する人はいます。
    母国語の運用能力が、外国語の運用にも影響を与えるのは、少し考えれば納得がいくでしょう。
    実は、母国語こそが、外国語学習にあたっても、非常に重要な所です。

    面白くなれば、100冊、200冊も、1000冊も、読み進めていけます。
    10年もしないうちに、ネイティブとは、また違った外国語を身に着けることができます。
    ここは、非常に重要なことで、外国語学習の目的は、ネイティブを目指すことではなく、
    自分の人生を豊かにすることです。「ネイティブ並み」の語学力を目指すのは、
    正直、意味がありません。日本では、なぜかネイティブ並みの発音を目指すとか、
    表現方法を目指すとか、血のにじむような努力をしますが、
    正直、ずれているなと思います。

    たくさん読めて、発信できて、時たま、内容のなる話しができる人と見つけだすほどの、
    語学力を目指すべきです。それこそ、人生が本当に豊かになるわけですから。

著者プロフィール

認知科学者(計算言語学・認知心理学・機能脳科学・離散数理科学・分析哲学)。
カーネギーメロン大学博士( Ph.D)、同 CyLab フェロー、ジョージメイソン大学C4I&サイバー研究所研究教授、公益社団法人日本ジャーナリスト協会代表理事、日本外交政策学会会長、コグニティブリサーチラボ株式会社CEO 兼基礎研究所長。マサチューセッツ大学を経て上智大学外国語学部英語学科卒業後、三菱地所へ入社、財務担当者としてロックフェラーセンター買収等を経験、三菱地所在籍のままフルブライト全額給付特待生としてイェール大学大学院計算機科学博士課程に留学、人工知能の父と呼ばれるロジャー・シャンクに学ぶ。同認知科学研究所、同人工知能研究所を経て、コンピュータ科学と人工知能の世界最高峰カーネギーメロン大学大学院博士課程に転入。計算機科学部機械翻訳研究所(現 Language Technologies Institute)等に在籍し、人工知能、自然言語処理、ニューラルネットワーク等を研究、全米で4人目、日本人として初の計算言語学の博士号を取得。帰国後、徳島大学助教授、ジャストシステム基礎研究所所長、同ピッツバーグ研究所取締役、通商産業省情報処理振興審議会専門委員、早稲田大学研究院客員教授などを歴任。また、晩年のルー・タイスの右腕として活動、ルー・タイスの指示により米国認知科学の研究成果を盛り込んだ最新の能力開発プログラム「 TPIE」、「 PX2」、「 TICE」コーチングなどの開発を担当。その後、全世界での普及にルー・タイスと共に活動。現在もルー・タイスの遺言によりコーチング普及及び後継者として全世界で活動中。一般財団法人サヴォイア王家諸騎士団日本代表、聖マウリツィオ・ラザロ騎士団大十字騎士。近年では、サヴォイア王家によるジュニアナイト養成コーチングプログラムも開発。日本でも完全無償のボランティアプログラムとして「PX2」と並行して普及活動中。

「2023年 『新・夢が勝手にかなう手帳 2023年度版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

苫米地英人の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×