日ロ現場史 北方領土―終わらない戦後

著者 :
  • 北海道新聞社
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  • Amazon.co.jp ・本 (612ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894537149

作品紹介・あらすじ

戦争を原因として、日本は二つの領土問題を抱えた。米国の管轄下に置かれた小笠原や沖縄など「南方領土」と、ソ連に占領された千島列島南部(南千島)の国後、択捉両島と、色丹島、歯舞群島の四つの島「北方領土」だ。領土問題に限ると、南方領土は1972年5月15日に施政権が返還されて解決した。一方、北方領土問題はいまだに解決していない。戦後は終わっていない。2013年度新聞協会賞受賞。領土問題がクローズアップされている今だからこそ、読んでおきたい1冊!

感想・レビュー・書評

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  • 薄い

  • 北海道新聞で2011年~2013年に連載された日ロの北方領土の問題にスポットを当てた記事の集大成。

    日ロの領土問題が北海道漁業や日本の漁業、そして領土問題に至るあらゆるところで障害となり、日本が対応していったその歴史をロシア(ソ連)側の情報やアメリカの情報も網羅して書かれた重たい一冊です。

    日本が敗戦で失った北方領土はソ連の一方的な第二次世界大戦の終戦間近の参戦と攻撃によって奪われたという現実が日本としては納得のいかないものであり、それ故譲歩も歩み寄りも出来ない国内事情があるのかもしれないが、これだけの歴史を経て、いまだに進展しない領土問題は非常に重たい問題です。

    ただ、日本はポツダム宣言を受諾して無条件降伏したのだから、何か固執しすぎたと感じるが、その裏にアメリカの冷戦時代の思惑などあり、こういう歴史をたどらなければいけなかった事情もあるようです。

    これから、9条を変えアメリカべったりになればなるほど北方領土問題は前に進みにくくなるような気がしました。

  • 北方領土の海域での操業は拿捕や銃撃の恐れが絶えずあったので、ソ連側に日本の情報などを与える見返りに安全操業が保障される「レポ船」や「特攻船」という密漁船によって根室の街に巨額の金が落とされていたことを知った。 日本政府は1955年ロンドンで日ソ交渉が始まったときは歯舞・色丹の2島返還で平和条約を結ぶことが国益と考えていたが、その後自民党の党内抗争、日ソ和解を阻止したいアメリカの思惑などもあり4島返還に変わった。国際環境が変われば国の外交政策は変わらざるをえず、地元住民はその都度一喜一憂したのだ。

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著者プロフィール

 所  属―北海道新聞社編集局報道センター編集委員

「2014年 『領土という病』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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