三国志 (4の巻)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 210
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894560529

感想・レビュー・書評

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  • これは本当に奥が深い!多くの視点から多くの人物を楽しめる。特にクローズアップされていたのが裏切りの連続で親殺しも関係なく無法者とされていた呂布の気持ちなど読んでいてよくわかる。池上先生のコミック「覇」にあるような荒々しい呂布とも違い男として時代を駆け抜ける彼の美しさに心震わされ、それに3兄弟の末弟として強さだけが誇張され続けた張飛の繊細さに心配り、そして人を愛する気持ちなどは彼が死ぬ時にすべて読んできた中の思いが一瞬で溢れてきて涙が止まらない!

    先日、北方先生の「黒龍の柩」を読んで山南と土方のお互いの見えない思いについて語ったが、やはりこの三国志も同様であって男性が読むには心を揺さぶるいい作品です。

    史実に沿った作品ではあるが、名前だけでしか知らなかった魏延・馬謖・姜維・王平・許褚・張遼・韓当・馬超などもっともっと知りたいと思える人物が本当にいた。話の中で作られた人物が何人も出てくるが、彼らがしっかりとサポートして史実上の人物をどんどんクローズアップさせていく。

    頭の中で多くのシーンがフィルムとなって映し出されたが一番は呂布の愛馬である赤兎馬が死に掛けた時に劉備の配下であった成玄固に赤兎馬の命を託すシーンなど今でも僕の勝手な映像として頭の中に残っている。

    元々は呂布の配下であった張遼。その後は曹操の勇将として知られるが、呂布軍の伝統を貫き闘志無敵の騎馬隊を率いる姿も忘れられない。やはり何度も言うが北方先生の作品を読むのはすべての先生の作品を読んだ一番最後が妥当だと思う。本当の漢達を読ませてくれます!

  • 官渡の戦いです。もちろんその前後や孫策の死などについても。
    改めてというか…人の生死が権力者によってどうとでもなる時代なんだなと痛感した。袁紹30万の大軍に対し曹操の10数万。とんでもない死人。勝手に疑われて斬首とか、見せしめに殺されることも。ちなみに、本書における官渡の戦いの両軍の兵士数は陳寿の「三国志」や「三国志演義」とは違います。
    鄒氏の虐殺や孫策の暗殺に、曹操(あるいはその配下)が関わっているとされていて…もともとは袁紹がけしかけたことが影響しているけど、それに対する曹操の優れた謀略が目立っていますね。
    また、相変わらず本作オリジナルキャラも良い味を出していて、特に張飛の従者である王安は印象的。愛情や感謝を表現するのが苦手な張飛、でもそれを知ってか、どんなシゴキにも耐えて付き従う王安。少しずつ認められるもまた突き放される。でも、そこで趙雲がいたわる。
    そういや、これもオリジナルだと思うのだけど、孫策が通っていた逢蘭も(孫策を知るためには)欠かせない人物だな。結局、この世から消える(?)ことになったけど、大喬とは違った魅力を感じた。
    (過去の読書記録登録のため評価なし)

  • なんかもうだらけてしまって、(いつまでも劉備が流浪の客将なので、)積読状態で読了とする。諸葛亮がでてこないところ。

    もう他の小説の方が面白いので、読まないことにした。

  • 陳宮といい荀彧といい、参謀や軍師が好きになる病気

  •  曹操は程昱をスパイに帝の立場を調整する。劉備や荀彧の考えもそこで描かれる。そして劉備は徐州を取るが、すぐに曹操に取り返され、袁紹の元へ。
     ってか孫策死んだーー!! いや史実に沿った流れだから生かしたら超えていい創作の範囲超えることになっちゃうから、しょうがないんだけどな。袁術の元を飛び出してからのワクワク快進撃が見れないと思うとやっぱ寂しいもんだ。
     王安と張飛の絡みは大好きだ。呂布と胡郎も良かったけど。
     賈詡が張繍の呪い(?)を解き、曹軍へ。そして烏巣の炎上と張コウらの離反で、官渡の戦いは結果が見える。

  • 呂布に続いて孫策の死!
    劉備より死んでいく者たちがかっこいい!

    映画「レッドクリフ」の場面が再認識。
    赤壁の戦いを読み終わったら、DVDを見直そう!

    孔明はいつ出てくるのだろう?
    赤壁はもう時期?

  • 曹操の知略が光る巻。三国志中でかなり重要な2人が死ぬが、ここからがいよいよ「三国」志といったところか。隠密と馬を重視しているところが北方らしい。曹操への恩義に報いる関羽が格好良い。

  • 曹操が力をつけてくる。呉では孫権の時代になり役者がそろってくる感じだけど、劉備だけは相変わらず負け続けている。

  • 関羽…!!

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著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章受章。『悪党の裔』『道誉なり』『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。

「2022年 『楠木正成(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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