三国志 11の巻

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 199
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894560598

感想・レビュー・書評

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  • これは本当に奥が深い!多くの視点から多くの人物を楽しめる。特にクローズアップされていたのが裏切りの連続で親殺しも関係なく無法者とされていた呂布の気持ちなど読んでいてよくわかる。池上先生のコミック「覇」にあるような荒々しい呂布とも違い男として時代を駆け抜ける彼の美しさに心震わされ、それに3兄弟の末弟として強さだけが誇張され続けた張飛の繊細さに心配り、そして人を愛する気持ちなどは彼が死ぬ時にすべて読んできた中の思いが一瞬で溢れてきて涙が止まらない!

    先日、北方先生の「黒龍の柩」を読んで山南と土方のお互いの見えない思いについて語ったが、やはりこの三国志も同様であって男性が読むには心を揺さぶるいい作品です。

    史実に沿った作品ではあるが、名前だけでしか知らなかった魏延・馬謖・姜維・王平・許褚・張遼・韓当・馬超などもっともっと知りたいと思える人物が本当にいた。話の中で作られた人物が何人も出てくるが、彼らがしっかりとサポートして史実上の人物をどんどんクローズアップさせていく。

    頭の中で多くのシーンがフィルムとなって映し出されたが一番は呂布の愛馬である赤兎馬が死に掛けた時に劉備の配下であった成玄固に赤兎馬の命を託すシーンなど今でも僕の勝手な映像として頭の中に残っている。

    元々は呂布の配下であった張遼。その後は曹操の勇将として知られるが、呂布軍の伝統を貫き闘志無敵の騎馬隊を率いる姿も忘れられない。やはり何度も言うが北方先生の作品を読むのはすべての先生の作品を読んだ一番最後が妥当だと思う。本当の漢達を読ませてくれます!

  • 北方謙三ワールド。とても面白い。
    劉備・馬良ら蜀軍と陸遜が指揮する呉軍。陸遜が血尿。こんなに苦しんでいたのかという描写。馬良は戦死。
    やはり趙雲は格好良い。一皮むけた陸遜が頼もしい。しかし孫権は…。
    歴戦の勇将が死んでいく。そして新たな人材も。世代交代。
    劉備の最期。感動だなぁ。華佗の弟子の爰京(えんきょう)も良い味出してる。

  • 関羽の裏切による死、張飛の暗殺での死による復讐の一途な想いから呉の荊州に攻めるも呉の若手将軍陸遜の戦略にはまって大負け壊走し蜀領土に命辛々辿り着く。その後、劉備は、病に倒れ死する。魏の曹丕も大軍で呉を攻めるも陸遜に負けて引返す。蜀は、諸葛亮、趙雲が残り力の回復を始める。劉備は、漢王朝復活の志半ばで死するも、関羽、張飛と生きた生涯に後悔は無し。

  • 泣き虫孔明と馬超爆発

  • 夷陵の戦い、劉備の死。劉備、諸葛亮、馬良、陸遜のためにあったような巻だったね。
    自分が読んだ三国志は、馬良があまり描かれていないものばかりだったので、少し嬉しい。早く正史が読みたいな。

  • 劉備が亡くなる巻。

  • 劉備が死んだ。
    って、毎巻ごとに言っている気がする。

    曹丕と司馬懿の陰湿主従がいい感じ。もっとも単純な陰湿というわけではなく、いいキャラだ。
    ポスト英雄時代ということもあってなのだろうけど、孫権もそっち系のキャラになっているのがかわいそうな気もする。

    あとやっぱり、馬超と「袁術の娘」が納得いかんなあ。
    張衛は育ててきたキャラで、その割にはいまいち輪郭がはっきりしなかった。最後になってあきれるほどいい悪役になったのに、扱いがあんまりだ。

  • 読了。そして劉備玄徳の死。病を押しながら瀬戸の際に 孔明に伝える遺志。群雄割拠 覇権を争ってきた 第一世代の世が終わる。やはり感じる。英雄たちの一人ひとりの最後に臨んで、北方氏はそれぞれの男たちの心の中を、生きてきた葛藤・後悔・無念の情 ただの人としての 裸の思いを顕にしていると・・・・・・。読むスピードピッチが上がってきた。

  • 英雄の相次ぐ退場。次世代は揃っているが、なんとなく、物足りない。張衛の扱いが馬超を動かすためだけのように思えて、それが少し気になる。

  • 関羽、張飛、そして劉備も死んでしまう。
    すでに曹操、孫堅もなく乱世を闊歩した者がいなくなり寂しい。しかし、それも新しい時代を迎える序章なのかもしれない。

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著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章受章。『悪党の裔』『道誉なり』『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。

「2022年 『楠木正成(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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