風の日にララバイ (ハルキ文庫 ひ 1-1)

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.38
  • (2)
  • (6)
  • (18)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 55
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894563469

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 一見すると何事にも拘りが強くなく淡々と生きていて、なのに何故か女性にモテる主人公が、自分自身と向き合いながら事件を解決していくという樋口氏の作品に良くあるパターン。
    今回は主人公の年齢が高めとはいえ、どれを読んでも軽めながら静かなタッチのハードボイルドさに惹かれてしまいます。
    ずっと寡作ぶりを残念に思っていましたが、ここ数年は何故か執筆が盛んになってきて、昔からのファンとしては嬉しい限りです。

    • koshoujiさん
      初めまして。
      あまりにも樋口有介作品「ピース」の評価が低く、ファンとしてはまことにやるせなく、「樋口有介な人」を探していました。
      彼の作...
      初めまして。
      あまりにも樋口有介作品「ピース」の評価が低く、ファンとしてはまことにやるせなく、「樋口有介な人」を探していました。
      彼の作品はミステリーとはいえ、本質はハードボイルド小説。
      楽しむのは謎解きとかではないように思うのです。
      私が好きなのはあの独特の文体で、細かい情景描写や独特のシニカルな言い回し、会話を楽しんでます。
      暴論ですが、謎解きの面白さとかはどうでもよいのです。
      また、輪をかけて女性読者に評判が悪いのは、出てくる女性があまりにも都合よく美女ばかりということなのでしょう。
      おっさんにとっては、ロマンのあるヒーロー小説の一面もあるわけで(笑)
      若者が主人公でも、独特のヒロイズムとシニカルさが好きですが。
      彼の作品が好きな方に出会えて、少しホッとしているところです。
      2012/07/08
  • 再読。1990年の作品
    15歳の娘持ち、自称発明家の自堕落な中年男が、なぜかモテまくって探偵役をつとめるいつものパターン。
    今回は宝石店社長で5年前に離婚した元妻が殺された事件を扱うというシビアな設定なのだが、重さを感じさせないのも元妻を始めとして女性陣は美女ばかりなのもお約束。
    主人公の生活に困らず、自由な生き方が羨ましい。

  • 初春の花冷えの季節の東京が舞台。珍しいことに青山や渋谷と言った都心の描写が多かった。ハードボイルドっぽい発明家の主人公と彼を取り巻く美女達と言ういかにも作者らしいストーリーがよくあう舞台。犯人もどんでん返しの末にお約束っぽい人物だった。そこが難点ではなく、逆に安定したストーリー展開が楽しめる作品。

  • 樋口の作品のなかでは、設定が中途半端な気がする。

  • 2009/04/27

    再読

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

1950年、群馬県生まれ。業界紙記者などを経て、88年『ぼくと、ぼくらの夏』で第6回サントリーミステリー大賞読者賞を受賞しデビュー。『風少女』で第103回直木賞候補。著書に『礼儀正しい空き巣の死 警部補卯月枝衣子の思惑』、「船宿たき川捕り物暦」シリーズの『変わり朝顔』『初めての梅』(以上、祥伝社文庫刊)など。2021年10月、逝去。

「2023年 『礼儀正しい空き巣の死 警部補卯月枝衣子の策略』 で使われていた紹介文から引用しています。」

樋口有介の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×