吉増剛造詩集 (ハルキ文庫 よ 4-1)

著者 :
制作 : 稲川 方人 
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 206
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894565708

感想・レビュー・書評

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    時代が最も大きく折れ曲がった60年代に登場し、「ぼくの眼は千の黒点に裂けてしまえ」と、鮮血のように熱く孤独な詩的シーンを疾走する詩人・吉増剛造。存在そのもの、行為そのもの、想いそのものが鮮烈な言語の体験となり、日本語のあらゆる要素を駆使することで、無限なる詩的宇宙を組み立てる。さまざまな都市や原野を移動し、ジャンルや境界を越える詩人の代表的な青春詩篇を集め、さらに写真作品やオブジェも紹介する。

  • 言葉の羅列、韻律、比喩、修辞。
    詩は詩でしか表せない世界があると感じさせる詩人の一人だ。

  • 今尚、活躍する詩人。難解かつ長い詩篇が多いが各代表的詩集から選りすぐっているので入門的作品集でもある。

  • 60年代の日本全体が熱い時代、若者文化やサブカルチャーが熱狂的に変化しつつある時代に書かれた詩の作品集。
    意図的に編集されているので、全体でよく考えられた一つの作品になっている。

    ところで、優れた作品を読んだり見たりすることは、こちら側の人間にも能動的に関わることを要求するーーたとえ拒否するにせよーーもので、この作者の溢れ出すエネルギー・情熱を受け止めるには、時代の背景や、個人的な思い入れを必要とすると思う。
    見もふたもない言い方をすると、今の私にはエネルギー不足で消化しきれんとです。
    もう少し若い人が読んだら、本当に良い本だと思う。

  • 編者の方によれば、詩人・吉増剛造の「青春期」にあたる作品群が収められた詩集。といっても30~40代に書かれているのだけれども、「青春」という言葉にふさわしい、清冽さと激しさ、そして、浪漫に満ちていた。日記形式の『航海日誌』も収められており、詩人の人となりがうかがえて、興味深い。
    詩人にかかると、言葉は、とても自由で、立体的で、時空を一瞬に曲げられも超えられもするものになるのだなあ。
    あと、『王國』という詩で反復される「古代殺人列車」という言葉が、意味全然わからないのに、どうにも気になってしかたない。

  • 一章 頭脳の塔
    ものすごくエネルギーにあふれていて、でもどうしていいかわからないような、もがき苦しんでいる様子。そしてもがけばもがくほど、己を傷つけさらに苦しむ。それを読む私も苦しい。

  • キリンジの「ニュータウン」って曲が、吉増剛造の「野良犬」って詩に似てるって聞いたから古本屋で探して買った。詩の内容は、似てなかったけど堀込高樹氏はこの本読んで作詞したのかもって〜。なんか、好きなミュージシャンが読んだ本を読んで、自分も同じ世界観に浸るのって、いいよね。吉増剛造の世界観には浸ることできなかったけど・・・ヨシゾウタケゾウで覚えたけど、ヨシマスゴウゾウだったのね。

  • 初期の感情と思考の生々しい吐露から、言語の実験場としての詩の前衛性を推し進めていく過程が面白い。構成もだんだんタイポグラフィカルになって行く。

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著者プロフィール

1939年、東京生まれ。1957年、慶應義塾大学文学部入学。在学中に岡田隆彦、井上輝夫らと「三田詩人」に参加、詩誌「ドラムカン」創刊。1964年、処女詩集『出発』。『黄金詩篇』(1970)で第1回高見順賞。『熱風a thousand steps』(1979)で第17回歴程賞。『オシリス、石ノ神』(1984)で第2回現代詩花椿賞。『螺旋歌』(1990)で第6回詩歌文学館賞。『「雪の島」あるいは「エミリーの幽霊」』(1998)で第49回芸術選奨文部大臣賞。2003年紫綬褒章。「詩の黄金の庭 吉増剛造展」(北海道立文学館/2008)。『表紙 omote-gami』(2008)で第50回毎日芸術賞。2013年旭日小綬章、文化功労者、福生市民栄誉賞。2015年日本芸術院賞、恩賜賞、日本芸術院会員。「声ノマ 全身詩人、吉増剛造展」(東京国立近代美術館/2016)。「涯テノ詩聲 詩人 吉増剛造展」(松濤美術館/2018)。映画「幻を見るひと 京都の吉増剛造」(2018)が国際映画祭10冠。七里圭監督作品「背」(2022)主演。映画「眩暈 VERTIGO」(2022)が国際映画祭50冠。『Voix』(2021)で第1回西脇順三郎賞(2023)。第6回井上靖記念文化賞(2023)。「フットノート 吉増剛造による吉増剛造による吉増剛造展」(前橋文学館/2023)。

「2024年 『DOMUS X』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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