- Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
- / ISBN・EAN: 9784894567450
感想・レビュー・書評
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怪死を遂げた歴史学者。彼に死をもたらした古文書の謎を巡るミステリーホラーかと思えば然に非ず、本文のほとんどは古文書の中身、平安京に起こる怪事件を故あって厩戸皇子の舎人となった少年の目から描く王朝ホラーである。裏表紙の惹句からこの内容はちょっと想像しにくい、看板に偽りありな感じと、主人公の少年を馬鹿にして(どうしても我慢できなかった式で、愚行を繰り返す)物語を進めるやり方のせいでピンとこなかった。
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2017/6/29
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再読。珍しい歴史ホラー。
時代は古いが、人を人と思わない所業により普通の日常からいきなり地獄に突き落とされる怖さが生々しい。
現代パートの挿入で話に厚みが出たものの、疫病退治や怪しいと思ってた加留羅の結末はいきなり過ぎて詳細不明なままで釈然としなかったな。太子様も謎多きままだし。
悪人ながら猪喰の刀鍛冶らしい壮絶な最期だけが印象的。 -
鎌倉時代にリメイクされたという飛鳥時代末期
に書かれた書物を現代語に訳した原稿を受け取りに
別荘に赴いたら教授は首にナイフが刺さり死んでいた。
大半は、その原稿に書かれた犬君(いぬき)を主人公とした物語なんだけど
聖徳太子の魔物とも聖人とも取れるような描写が
不気味なまでに妖しくて、ゾクゾクしました。
最後は、教授の死の真相が書かれて終わるんだけど
最後に<本書は全てフィクションです>と書いてある。
それすらも疑いたくなるような面白さでした。 -
ホラーミステリ……でもホラー部分もミステリ部分もいまいち薄味。しいてジャンルを挙げるなら……伝奇、なのかな。
実は伝奇苦手なんだけど、物語としてはそこそこ面白く読めた印象。余計な薀蓄も多くなくって、読みやすかった気はするなあ。 -
この時代を舞台に、このテーマを扱うのは面白いと思う。それだけ。