- Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
- / ISBN・EAN: 9784894567719
感想・レビュー・書評
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SF/ファンタジーの短編3編。
原住民の少年たちの前に現れた女性。彼女は15人の少年たちの母親代わりとなるだけでなく、戦いのノウハウを教え、森の中に散財する敵たちを殲滅していく。一体彼らはなんのために戦っているのか…。
表題作は、重めのアクション中編であるが、あと2本はショートショートである。特に1本目は、何だこれ?いや、まさかなあ、という展開で、一読の価値はある。
ただ、1本目と表題作は結構、暴力のシーンがあったり、性描写があったりして、もともと少年向けの作品として書かれていると思うのだが、ちょっとばかりやりすぎではないかと思うところもある。
3本目はオカルトを全面に取り入れた、現代ファンタジーといった類のもので、暴力描写はなく、展開の意外さや斬新さはあまりないが、非常に良くできた作品である。
あとがきにはエルフという懐かしのPC-98のアダルトゲームについて、予想外に長々と語っていたのが印象的であったが、具体的なSF的展開については、ほんの少しほのめかす程度で終わってしまった。古いゲームなので確認しようもないため、そこでオモシロイと思ったSFの要素についてももう少し解説してほしかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
聖母の部隊 (ハルキ文庫)
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桜庭一樹の個人的な文庫オールタイムベストテン
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短編集。
表題作は、「子ども兵」の話であり、人を道具として使うことに関する話として読めた。 -
「お母さんと僕たち」の美しい世界。
性に傾倒しているけど、不快じゃない。
中国史じゃなくても、作者の語りが文中に顕れていなくても、やっぱり酒見賢一。表題作もですが、最後に掲載されている『追跡した猫と家族の写真』もとてもよかったです。『童貞』とは違って、だいたいラストはこんな感じかな、というのはどの小篇もある程度予測できてしまうんですが、内容に文句のつけようがないので問題なし。 -
凡作。表紙はどうなんだこれ。
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ある夜集落が突然襲撃され両親が死んだあと、僕ら15人の前には肌色の違う「お母さん」が現れた。そのあと身を守るためにと戦闘の仕方を教えてくれたお母さんだが、僕らが成長するにつれ、お母さんの様子が変わっていった……という表題作。
その他に猫に関わるファンタジーや、なぜか地下街に悪の巣窟がある話など、『後宮小説』や『墨攻』とはだいぶ趣きは違いますが、独特の視点は健在。中国もの以外も面白い作家です。 -
4月3日購入。4月4日読了。酒見賢一作品なの?って感じです。
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酒見賢一の聖母の部隊を読みました。酒見賢一のSFです。他の古代を舞台とした作品群とはまた違った面白さがあります。4編収録されていますが、SFと言ってもそれぞれテイストの違う物語でした。心が温かくなる物語や、ハチャメチャな物語なども収録されていて面白く読むことができました。