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- Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
- / ISBN・EAN: 9784894568273
感想・レビュー・書評
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中編「闇の司」と短編「水漬く屍、草生す屍」が収められている。
「闇の司」は著しくグロテスクだった。まともな目に遭う登場人物がいない。死のうが死ぬまいが地獄である。この手の残酷な死に様で連想するのが『ひぐらしのなく頃に』や『うみねこのなく頃に』だが比じゃない。映像化できない凄惨さだ。逆に文章で良かったと考えるべきかも知れない。
隔離された空間における陰惨無比の殺戮。中高生の頃は上記の作品の影響でグロテスクなものが好きだったのに、今は違う、ということに読んでいて気づいた。当時読んでいればもっと色々な感想が書けたかも知れない。
「水漬く屍、草生す屍」は黄泉を題材にしている。死後の世界を泉下と言うが、この作品の泉下には行きたくない。死体ばかりの地獄か死体すらない地獄か、悩み所だ。最後、全ては作り話だと判明するが、驚きのある明かし方だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示