- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784894569638
感想・レビュー・書評
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前巻の関羽に続き、張飛が死んだ。曹操も死んだ。ここまでほぼ主役に近い描かれ方をしていた登場人物たちだけに、今後、滅びに向けた物語が加速していくのだろう。
吉川版や横山版では、五虎将軍といわれる割には知らぬ間に物語からフェードアウトしていく馬超だが、今後、どのように物語に絡んでいくのか注目したい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
曹操、病によって死す。
張飛、暗殺によって死す。
英雄の死といえども、呆気ない。
劉備と張飛は、亡き関羽の弔い合戦を目論んでおり、
実行に移す直前だった。
呉が嫌われるのは、多分に裏切りと暗殺という
暗い一面を隠せなかったがゆえかもしれない。
しかし、国家を維持していくためには、
それぐらいの汚い手段は必要とされるとも思う。
むしろ劉備軍の在り方に不安を覚えた。 -
ついに曹操と張飛が死にました。この膨大な三国志は次々に魅力的な登場人物が現れると共に、次々に死んでいく話です。それにしても曹操は主人公・劉備のライバルとして、むしろ劉備以上に取り上げられて来ましたし、張飛に至っては著者がもっとも力をつぎ込んできた登場人物です。これで1巻から生き残っているのは、劉備と最近ほとんど登場しなくなった洪紀くらいではないでしょうか。
それにしても曹操も張飛の死も意外でした。二人とも見事な武将であり、激戦の中での死を予想していたのですが、曹操は病でひっそりと、張飛は妻を亡くし、失意のうちの寝室での暗殺でした。
とはいえ、いよいよこの長い物語の終焉に向かい最後の登りが始まりました。
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張飛の死が自分の想像以上に衝撃でした。思えば王安が死に関羽が死に薫々が死に、張飛の大切の人の死は全て衝撃でした。初めはがさつな印象でなかなか好きになれない人物でしたが、いつしか優しさと強さを兼ね備えた張飛を好きになってました。
劉備はもう孫権の首しか見えていない。これからの蜀はどうなるのだろうか。 -
分かってたけど、知ってたけど。
張飛にだけは死んでほしくなかった。。
蜀に暗雲が立ち込める。。。 -
関羽の死から、曹操の死、張飛の暗殺までが描かれている。曹操の跡を継いだ曹丕はなかなか陰湿な性格の持ち主で、全体的に暗い雰囲気が漂っている気がする。死にいく曹操の自己観察、本妻にしたいけど心を開いてくれない甄氏に対する仕打ち(曹丕曰く、心を攻める)、それに伴う曹丕の心境の推移を読んでいると気が滅入るかも(笑)諜略や「手を汚す」ということが何なのかを存分に味わえる一冊。また、曹操がいなくなったことで司馬懿が暗躍し始める。
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曹操が死しても魏に混乱は起こらず。なんだかんだと人材が豊富だ。
一方、張飛の死は痛い蜀。
どんどんと死んでいく。乱世だ。 -
前巻で関羽が死に、曹操、薫香がしに、張飛が壊れてゆく・・・。
一つの時代が終わってゆくのを感じた。 -
曹操、張飛が死んでいき、劉備の混乱の度合いが描かれていく巻。
北方三国志での張飛は、本当に魅力的な人物として描かれていました。誰よりも優しく、3人の役割を見据え耐えもする。それが、またも孫権、張昭によって崩されていく。酒に溺れて乱暴になる自分に困惑する姿には、涙を誘われます。