手話を言語と言うのなら

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制作 : 森壮也  佐々木倫子 
  • ひつじ書房 (2016年12月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894768291

手話を言語と言うのならの感想・レビュー・書評

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  • ネットで書影を見たときには、ハードカバーかと思いましたが、実物は「ブックレット」と言われるフレキシブルな本でした。執筆者紹介まで入れて105ページと、思っていたより薄い。しかし、物理的にはフレキシブルで薄くても、内容はハードでとても濃いのです。

    「『手話が言語』であるのなら、これまで特定の言語について条例/法律をほとんど持たなかったと言って良い日本で、何を考えなければならないのか(p3)」という問いは、ほんとうに重いです。手話初心者の自分などには、とてもとても簡単に理解できるものではありません。それでも、「条例ができた、よかったね」で終わりじゃないということ、賛否両論様々な意見があるということだけでも心に留めておいて、折に触れ考えていかなければと思いました。

    教員採用試験に受かり、3月に配属先がろう学校と決まり、手話の研修もなく仕事が始まってしまった先生の話(p69)は、読んでいて胸が苦しくなるほどでした。「明日の授業で使う手話はどこも教えてくれません。どうしたらいいんですか」って、こんな切実な問題、本当にどうしたらいいんですか。この言葉コピーにして、ポスター作って、文科省内に張り巡らしたいです。

    また秋山さんのパートですが「派遣通訳は(中略)単発の通訳で終わるので人間関係を後に引きずることはない。一方、学校での手話通訳は手話を読み取れる人が多くいる中で通訳をすることになる。(中略)同じ職場で通訳がうまくできなかったことが重なると、精神的な負担がかかってくることも想像できる。(p72)」とありました。常に針のむしろ状態の職場……。あ、でも、単発でないからこそ、後で訂正ができるという利点もあるのでは? そんな考えは甘いのかな……。

    ひつじ書房さんのHPに「『手話を言語と言うのなら』への久松氏の批判とそれに対する反論」というページがあります。合わせてどうぞ。
    http://www.hituzi.co.jp/hituzi_rondan/syuwa/syuwahanron_20170501.htm

  • 偶然にも書店にあったため、買っておいた一冊。

    日本手話、日本語対応手話、インターナショナル・サインの3つの事柄を知ることができたのが良かった点。

    先日読了した"「人間らしさ」の言語学"のあとに、このブックレットを読めたのも、理解が混乱せずラッキーだった。

    もはや、統語論的にも日本手話等は、独立した文法体系を持つ少数言語なことは明らかだと思う。

    そして、地理的にいう日本という場所で話されているのが日本手話。イタリアならイタリア手話、といった具合に一般にいう言語体系になぞった形で手話が表出してるところにも言語らしさを感じる。
    「全世界で1つ」にはならず、それぞれの文化を反映してるあたり、意味論的にも言語といっていいのではなかろうか。


    一旦の結論としては、日本手話はもっと研究されなくてはならないと思う。

    日本語対応手話は、言語習得装置が母語として日本語を習得した人たちが扱う表現の1つであるから、そちらは現状で問題ない。

    日本手話に代替するなんらかの方法を創出する可能性だってあるかもしれない。

  • 言葉がストレート過ぎるほどなので厳しいのだけど、内容は考えないかん現実だし、できることをしたいなと思った。

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