翻訳家じゃなくてカレー屋になるはずだった

著者 :
  • 牧野出版
3.39
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本棚登録 : 141
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784895000833

作品紹介・あらすじ

江國香織との対談、古橋秀之・秋山瑞人との鼎談を含む、著者初のエッセイ集。翻訳の悦びと悩ましさ、世界文学との出会いから、青春時代の思い出まで。

感想・レビュー・書評

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  • どうしてその道を選んだのかが気になり、翻訳家のエッセイを読みたくなる。金原さんは岩波少年文庫のホラー短編集が楽しくて注目し始めた。強力なサービス精神が翻訳業と合っているよう。ミステリー の趣味や日本語の特異性の話も楽しい。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      111108さん
      猫は随分前に文庫で読んだのですが、実は悪口が耳に入っていて、どんな方なんだろう?と凄く興味が湧いて、、、
      で、此の本を...
      111108さん
      猫は随分前に文庫で読んだのですが、実は悪口が耳に入っていて、どんな方なんだろう?と凄く興味が湧いて、、、
      で、此の本を読んで「妬まれた?」と思っちゃいました。
      その後「BOOKMARK」を発行されて、その心意気に感動しちゃいました。
      2024/03/12
    • 111108さん
      猫丸さん
      まぁ、そんな裏事情があったとは‥。確かにこの本でも、面白いことはどんどんやっていこうという気概のある人という印象受けましたから、妬...
      猫丸さん
      まぁ、そんな裏事情があったとは‥。確かにこの本でも、面白いことはどんどんやっていこうという気概のある人という印象受けましたから、妬まれたこともあるかもですね。翻訳業の枠に囚われない活躍ぶりはこちらもわくわくしますね♪
      2024/03/12
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      111108さん
      > そんな裏事情があったとは‥。
      猫の曖昧な記憶なので、発言意図は違っていたかも知れませんが、、、
      「学生に下訳させ...
      111108さん
      > そんな裏事情があったとは‥。
      猫の曖昧な記憶なので、発言意図は違っていたかも知れませんが、、、
      「学生に下訳させて数をこなしている」みたいな感じ。
      2024/03/19
  •  翻訳家金原瑞人さんのエッセイ。金原さんは私にとって数少ない「名前と芸風をなんとなく知っている翻訳家」のひとり。エッセイも、飾らずバシバシ本音を綴っている(かどうかは知らないがそう見える)ようなところが、期待通りで面白い。
     翻訳の世界はひとたび注目してみると果てしなく奥深いが、でも本書で金原さんが「翻訳はその場しのぎ」「翻訳家は立場無き者」といっているように「原作」や「作家」の圧倒的な存在感に比べると、ニッチな、裏方的な世界だなあと改めて。翻訳家を目指す人へ向けたメッセージも、年収のシミュレーションなど現実的。
     という認識は改めて持ちつつも、「立場無き者」と言いながら翻訳家が海外旅行のトラブルの思い出を語ったりするエッセイ本が読めちゃうわけだから、豊かな世界に感謝である。
     Iやyouの話、赤木かん子さんとの丁々発止(?)な関係の話、横書き小説のベストセラーが出たら縦書きなんて意外とあっさり無くなるぜの話、が特に面白かった。

    • 111108さん
      akikobbさん♪
      早くも読みましたね!「名前と芸風をなんとなく知っている翻訳家」のひとり←確かに「芸風」笑わかりますね。IとYOUの訳し...
      akikobbさん♪
      早くも読みましたね!「名前と芸風をなんとなく知っている翻訳家」のひとり←確かに「芸風」笑わかりますね。IとYOUの訳し方とか、赤木かん子さんとの繋がりとか、私も面白く読みました。金原さんの熱さが伝わってきましたよね。
      2024/03/12
    • akikobbさん
      111108さん、
      タイミングよく借りられました♪
      私も金原さんの翻訳作品をたくさん読んでいるわけではないのに、ホラー短編集のあとがきやブッ...
      111108さん、
      タイミングよく借りられました♪
      私も金原さんの翻訳作品をたくさん読んでいるわけではないのに、ホラー短編集のあとがきやブックガイドの文章などからなんだか気になり、なんだかパワーを感じる翻訳家さんです。熱さありますよね!
      きっかけありがとうございました!
      2024/03/12
  • 幾つかの出版社の採用試験に落ちて、妹と妹の彼氏を巻き込み<屋台のカレ-屋>をやろうと決めたが、大学で卒論の指導教授とばったり出会ったことがきっかけで<翻訳家>の道を歩むことになった金原瑞人(カネハラミズヒト)氏のエッセイ集です。一人称<I>の翻訳<ワタシ・アタシ・アタイ・ボク・オレ・オイラ・ワシ・ワレ・ジブン・・・>の悩ましさ、原題と翻訳タイトルの狭間、翻訳稼業だけでは食っていけない裏事情など、汗と涙とユーモアで綴る翻訳家の一代記です。

  •  日本に英米を中心としたヤングアダルト小説を数多く紹介している翻訳家であり、古橋秀之・秋山瑞人のお師匠さんであり、金原ひとみの父。トークショーに行く前の予習として読んでみた。読みやすく、やさしい文章。トークショーでもあまり前に出すぎないタイプの人だったけど、著書でも同じ印象を受けた。
     翻訳の技術論みたいなものは、きっと公の場では言わない人なんだろうな。そこらへんがこの本の読みどころかもしれない。〈翻訳なんて、新しいものがいいに決まっている〉〈そもそも翻訳というのは、あくまでも「間に合わせ」にすぎない〉と書かれている。だから、「自分の文体」「自分の翻訳」のようなものにあまりこだわらず、共訳も多くて、スピードが速い。純粋に、翻訳を技術職と考えているから、機械翻訳にだって遅いか早いかの問題くらいに考えているというところが、おもしろかった。

  • 三鷹図書館での講演会にお邪魔しました。センセってば、意外に長身。でもってスマート、実年齢より若く見える。お話もさすが現役の先生らしく、講義っぽく次から次へと固有名詞が飛び出す。昨今、すっかり固有名詞が出なくなった同世代としては脱帽モノ。

  • ヤングアダルトの父、金原瑞人さん。
    小学生から中学生にかけて、夢中で読んでいた本の翻訳者。気づけば、ぜんぶ金原さんだった。
    翻訳ではなくエッセーながら久しぶりに金原さんの文を読みながら、とても読みやすくてなんだかうれしくなった。
    もっと金原さんの本を読もうという気持ちとともに、少なからず中学高校と英語を勉強した者として英文に触れたいと思った。

  • タイトルで引かれて。
    金原瑞人の来歴から翻訳にまつわるあれやこれや、江國香織との対談などなど、ごった煮なエッセイ集です。
    一人称やら固有名詞やら、翻訳にまつわる小ネタはどれも興味深かったですが、一番目から鱗だったのは、「翻訳の寿命」のはなし。
    翻訳は「その場しのぎ」のものだから、時代に合った新しい訳の方が良い、というのに驚きました。なるほど食わず嫌いせずに『キャッチャー・イン・ザ・ライ』読むか。

  • 801.7

  • 翻訳家、金原瑞人による翻訳に関する悲喜こもごもエッセイ。
    赤木かん子さんへの親しくも辛辣なコメントににやり。

  • 金原さんにお世話になった人は多いはず! 翻訳に関する「へえ」と思うようなことが書いてある。洋書を読めるようになりたい……。

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著者プロフィール

1954年生まれ。翻訳家、法政大学社会学部教授。フィクション、ノンフィクション、児童書など、多ジャンルにわたって翻訳を手がけ、特に海外のYA(ヤングアダルト)作品を精力的に翻訳し、日本に紹介。訳書は550点以上。主な訳書に『武器よさらば』(ヘミングウェイ)、『青空のむこう』(シアラー)、『月と六ペンス』(モーム)、『このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる/ハプワース16、1924年』(サリンジャー)、『リズムがみえる』(アイガス)など。エッセイ集に『サリンジャーに、マティーニを教わった』『翻訳家じゃなくてカレー屋になるはずだった』など。日本の古典の翻案に『雨月物語』『仮名手本忠臣蔵』『怪談牡丹灯籠』など。ブックガイドに、『10代のためのYAブックガイド150!』、『13歳からの絵本ガイド YAのための100冊』、『翻訳者による海外文学ブックガイドBOOKMARK』など。

「2020年 『ゴーストダンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

金原瑞人の作品

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