ベスト・エッセイ 2015

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制作 : 日本文藝家協会 編 
  • 光村図書出版 (2015年6月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784895289023

ベスト・エッセイ 2015の感想・レビュー・書評

  • 大勢の人が集まるパーティの中にいる自分を想像してしまった。
    (知らない人ばかり…。)と、グラスを持ったままガチガチの私に
    「こんにちわ。」と、次々に話しかけてくれる面々。
    その人達は
    惜しげもなくご自分の深い人生観や愉快な経験談、中には音声としては日の目を見ない楽しい妄想話など、
    ご自分を包み隠すことなく曝け出してくださるから、
    お一人につき、4~5ページ程のおしゃべりでも、
    (この方大好き!もっとこの人の事が知りたいな。)と、<顔>を覚えるには大変有意義なパーティーとなった。
    誰のエッセイが…。なんて事はどうでもいいくらい全員、本当に素敵な人ばかりだった。

  • 74人、74篇のエッセイ。本を読んだことがあるという人は10人くらい。残りの半分くらいは名前は知ってるというくらい。こんなにたくさん作家がいて、それぞれにファンがいるんだろうなと思う。当然のことだが裾野の広がりということを感じてしまう。
    日常のことから追悼、旅行の話、想い出とテーマは千差万別で一つ一つ世界が違うのが面白いとこなのだが、興味が全くないものも入るので、統一感がなくやはり好きな作家の書いたエッセイのほうがいいように思う。
    印象に残ったもののうち主なものは下記のものだが、ベストは「幸せな茉莉子/宇都宮直子」でしょうか。彼女の娘さんのことで本にもなってるそうです。


    「交渉/浅井鴨」祖父はケチでお布施をケチってお経は半分でいいとか、小さい声でやっていいとか言う。
    「球に込めたエネルギー/酒井順子」卓球の球が重たかった坂東眞砂子さんの想い出。
    「ある有料老人ホームの風景/山崎正和」大学の教授をしている人も老人ホームに入るんだ。資産家が多いので都会的なんだそうだ。
    「幸せな茉莉子/宇都宮直子」「茉莉子はこれまで、一度もくじけたことがない。愚痴を言ったことがない。人の悪口も言わない。とにかく、とてもちゃんとしている。それがダウン症だからなのか、個性なのかはわからないけれど、彼女は純粋で、なんというか慈愛に満ちている。まるで、世界でいぢはん大きな幸福を与えられた人のようだ。」通院が欠かせない身体でも「茉莉子は淡々と(ほんとうに静かに)、運命をそのまま受け入れる。」いじめについても「悪意となんて闘わなくてもいいのだ。氷のような人たちに愛されなくても、少しもかまわない。」「茉莉子に教えられ、私は生きている。与えられた人生を喜び、感謝することを覚えた。私は現在、重い病を抱え、治療を続けているが、幸せでない理由はひとつもなかった。」今回のエッセイの中でのベスト。
    「おわり-っ!/小倉紀蔵」「洗濯、おわり-っ!」というCM。
    「欲望の街マカオ/吉田修一」「マカオには何かを手にしたい人たちが集まってくるわけではなく、すでに何かを手にした人たちが集まってくる。」なのでギラギラした雰囲気が意外とない。
    「渡辺淳一先生の遺したもの/林真理子」「林君、伝記や歴史小説は、書くと誉められる。だけどね、作家にとっていちばんむずかしくて面白いことは、男と女の情痴を描くことなんだ。」
    「運動/岸本佐知子」運動不足王。やはり岸本佐知子は面白い。
    「昔話の「働き者」と怠け者」/富安陽子」「動物にせよ植物にせよ、本来仕事はしない。」なるほど。
    「まったりのんびり大相撲/中野翠」「朝から夕方六時までエンエンと繰り広げられている競技と言ったら相撲くらいのものだろう。」
    「字を書く楽しみ/津村記久子」万年筆。インクの種類が膨大で奥行きがあるとのこと。
    「不審者に似た人/穂村弘」着替えの時間を短縮するため家が近づくとボタンを外し始めるとか。さすがにそこまではしないな。
    「熊を食べるということ/平松洋子」イノシシや熊の肉がうまいという人、まずいという人がいる。ポイントは即死させられるかどうか。うまい肉をとるため即死を意識して銃を射つ人もいるとのこと。
    「ロマンティックな薄明り/中野京子」ヨーロッパのホテルなどは薄暗い。大人を感じる。しかしそれは目が青いため眩しさに弱いため。それでサングラスをする。日本人の黒目は陽の光に強いというだけのこと。
    「ネット断食のすすめ/藤原智美」3日でも断食すると生活が豊かになる。
    「脳内旅疲れ/三浦しをん」京都旅行のためにあれこれ調べてると飛び火して熊本の旅館を見てたり、ななつ星を調べたり飛び火する。やはり三浦しをんは面白い。
    「町の偉人/よしもとばなな」「生活の達人というか、人生を楽しんでいるというか、心の余裕が見... 続きを読む

  • 文は人なり。百名弱のエッセイをイッキに読むと、各々の個性は感じるのだが、大別すると1年齢2性別3家族関係に分類されるかな。人間はそれらに縛られながら生きていくという事なのだろうけど。

  • 紅顔の美文も、老練の達文も、いい顔したエッセイは、生きる喜びを教えてくれる-。朝井リョウ、広谷鏡子、坪内稔典、岡田光世、浅生鴨ら、一流文筆家の名文を収録。日本文藝家協会編纂のエッセイ・アンソロジー。

    本当に様々。
    その中にまさかの北大路公子先生。

  • まず目次に並んだタイトルが楽しい。
    普段エッセイは一作家の作品をまとめたものあるいはテーマの決まったアンソロジーとして読むことが多く個々のタイトルにはそれほど目が向かないけど、こういった形だとついじっくり目次を眺めてしまう。
    個人的好みでまず印象に残るのが"きらめきを食べる"(彩瀬まる)や、タイトル買い?で一番先に読んだ"熊を食べるということ"(平松洋子)。
    "美しい銀座の私"(田中慎弥)は川端康成か、"不審者に似た人"(穂村弘)はロアルド・ダール?...というパロディ系。"言葉は馬に恋をする"(蜂飼耳)など、詩人、歌人の付けるタイトルもおもしろい。はたまた"トレブリンカの入れ歯"(大江麻衣)や"「さすがにこれは」"(松田青子)といった、何だろうと興味を誘う系。

    実際に読んでみて心に残ったのは、"まど・みちをさんを悼む"(矢崎節夫)、"死の床"(野見山暁治)、"幸せな茉莉子"(宇都宮直子)。笑ったのは"交渉"(浅生鴨)。

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