- Amazon.co.jp ・本 (178ページ)
- / ISBN・EAN: 9784895957472
作品紹介・あらすじ
女子中学生たちが日常の些細な疑問を実験を通して解明した小さな大発見。
感想・レビュー・書評
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本やテレビやインターネットでも知識は得られますが、実際に体験してこそ五感を通して身に付くことは多いです。
例えば「猫吸い」。
実際に経験している人は、猫の暖かさやモフモフの毛の柔らかさ、匂いなどが合わさって心地よさまで感じていることでしょう。
言葉での説明しか知らない人は、「猫の体に顔をくっつけて息を吸う行為のこと」と無機質に覚えます。
動画でその様子を見ればより理解は進むでしょうが、温覚、触覚、圧覚、臭覚、味覚などは体験してこそ得られるものです。
女子中学生が実際に行った体験レポートを箇条書きで綴っただけの本ですが、思った結果と違ったり、新しい発見があったり、いろいろと楽しめました。
・Yさんの実験によると、ビニール袋は燃えるのに、水やお湯を入れたビニール袋は火をつけても燃えません。
油を入れてみたらどうかと言ってますが、危ないからやめてください。
・Kさんが、お風呂に30分つかっていたら手の指にしわができました。足の指にはできませんでした。
・Nさんは、ツバキは花ごと落ちるのになぜ実は出来るのか疑問に思っていましたが、花の落ちたあとをよく見ると、ちゃんとがくとめしべは残っていました。
・Mさんは、冬に駐車場の水溜まりに塩をかけているのを見て、塩を入れるとどうなるかを冷凍庫で実験してみました。塩水は凍らず、塩は凍りにくくすることがわかりました。
・Yさんがカエルを泳がせてみると、人間は平泳ぎで手を動かすけど、カエルは足だけで、他のところは全然動かしていませんでした。
・Wさんは、ドライアイスは冷凍庫の中でもとけることを発見しました。
私が中学生の時に、アニリンブラックという染料を作って、白い布を染めるという理科の実験がありました。
試験管の中にアニリンと希硫酸を入れて加熱して作るのですが、希硫酸でなく濃硫酸のまま加熱していたら爆発して天井まで溶液が飛びました。
天井が変色してしまったのを覚えています。先生もビビったでしょうね。
「濃硫酸は加熱すると超危険だ!」ということを学びました。
グループ毎に染色した布を教室のガラス窓に貼りつけて乾かすのですが、私のグループだけ白いままの布でした。
マグネシウムを水の中に入れると激しく燃焼する実験も、先生が見せてくれて「スゲーなー」と思いました。
バレーボールくらいの大きさのシルバーの球がついた静電気発生装置での実験も怖くて、実験台になるのは拒否してました。
身の危険を感じた実験ばかり記憶に残っていますが、今だと「危険だから」という理由で授業ではやらないのでしょうか?
カエルの解剖もやりましたが、今考えるとそんなにカエルが沢山いたのかな?と思います。
これも今だと、動物虐待などと言ってやらないのでしょうか? -
<気付き>や<発見>って、とても大事な事だと思うけど、
多くの場合それは発見者本人の、
「おっ♪」と、小さな評価を受けた後、
そっ…と、消えてしまう運命にあるようだ。
本書からいくつか例をあげてみると…
>Sさんがハムスターのひげの数を数えたら70本ありました。
>Uさんによると、ほうれん草の茎はストロー代わりになるそうです。
>Yさんはたらこの数を数えました。
40gのたらこ0.3g293個の卵がありました。
全部では39067個である事がわかります。
そんな気付きにひとつひとつ目を通してゆくと、
まず、したくなるのが、突っ込み。
「そんなん数えて何になるねんっ~」
ちまちまと小さな卵の数を必死で数え、やっと出た正解数。
その正解数が今後どのような形で世に役立つ情報として使えるようになるのか?を考えると…
いやいや、
すぐ(何かの役に立つ事じゃなきゃしたくない)なんて計算高さが発想の貧困さを招くのだ。
純粋に(ただ、知りたかったから…)
(数えてみたくなったから)
の閃きと行動がもたらす結果は劇的に面白いっ♪
中学生の先生が課題に出していたという「理科体験リポート」
知っている、聞いた事がある。
紙の上の知識を空で覚えるつまらなさと違い、
そこには不思議だな、と思う事を自らの手で解明していく、本当の意味での学ぶ楽しさがあった。
ここで、併読していた別の本に興味深いエピソードが書いてあったから、
メモっときます。
『ロウソクの科学』の著者である、マイケルファラデーは
ある婦人に
「そんな役にも立たないつまらない実験をして何になるというのですか?」
と、問われ
こう答えたそうです。
「生まれたばかりの赤ん坊が何の役にたつと言うのですか?」
こんな精神を持つ先生のもとで授業を受けてたら、
科学の授業もさぞ面白かったんだろうな。-
「こんな精神を持つ先生のもとで」
そんな先生が居ないコトが、子ども達の理科離れの原因かも。「こんな精神を持つ先生のもとで」
そんな先生が居ないコトが、子ども達の理科離れの原因かも。2012/08/28 -
nyancomaruさんへ
先生が自ら科学を楽しんでいる様な方ならきっと、授業も面白くなると思うんですけどねぇ。
あ、宮沢賢治先生なら理...nyancomaruさんへ
先生が自ら科学を楽しんでいる様な方ならきっと、授業も面白くなると思うんですけどねぇ。
あ、宮沢賢治先生なら理想的ですね♪
(授業受けてみたい。。。)2012/08/29
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女子中学生の理科のレポート報告を先生が簡単にまとめた本。微笑ましい素朴な疑問のほか、その発想はなかった!と思わず感心してしまうものも。理科の楽しさを再発見する本。夏休みの自由研究のテーマを考えるときにも使えそう。
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中学二年生の夏休み読書の推薦書リストの中にあった。中学生目線の科学上の発見を描く。大真面目な内容もあれば、滑稽なもの、間違ったものもある。
大真面目なものでは、サンマの骨の数、タラコの卵の数、トウモロコシの数、オニギリのご飯粒を数えるもの、危ういものでは炎色反応を確認するのに油を使いそうになるもの、ブラウン管時代のテレビに磁石を近づけるものなど。 -
2017年にTwitterで「まえがき」が話題になった本。
「予想どおりにならなかったのは、失敗ではなく成功です。何も変わらなかったのは、「変わらない」ことを発見したのです。本と同じ結果にならなくても、それは気づかないところで条件が違っていたからであって、自分のやったことも正しい結果です。たまに本が間違っていることだってあります。考え方がおかしいと言われても、「自分はそう考えた」というのは正しい事実です。」
静岡県の私立女子中学校に勤める著者(理科教諭)が、生徒たちに宿題として出した「自由研究」(「理科」に関する、簡単なレポート)の一部を紹介した本。 -
女子中学生侮れない。なんて暇なんだろうと感じたりもしますが、体を張って実験するところ、思わず大丈夫かと心配になりました。先生も勝るとも劣らぬ子供時代を過ごしておられ、楽しい理科の授業なんだろうと羨ましく思いました。
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本当に小さな、というかほのぼのしている。
・Kさんは、ネコにイカを食べさせると腰が抜けるのは本当か、スルメをやってみたら、ガツガツと食べました。もっとやろうとしたらお母さんに、もったいない、と言われてしまいました。腰は抜けませんでした。
・Eさんは、コンビニのおにぎりのご飯粒の数を数えました。3個の平均は2639粒でした。全部数えるのに2時間かかりました。
・Sさんがスイカ700gをクッキングシートに包んでしぼってみたら、450gも水分がありました。スイカがもったいなかったと言っています。
中学生ってこんな感じだなあ。 -
こういうのすごく好きだww
こういう自由研究なら、楽しいだろうなぁ。
科学を好きになる教育ってこういうことを言うんだろう。身近なことに目を向けてこそ、科学って面白い。
そして、彼女らの発想がまたいいw
ところどころ残酷で、素直だ。面白い。
中学生ってのがまた、いい年齢なんだろうね。
読んだんですね。
カエルの解剖やはりネットにきちんと載っていました。
杉並区はNPO法人の著名活動の成果で、2...
読んだんですね。
カエルの解剖やはりネットにきちんと載っていました。
杉並区はNPO法人の著名活動の成果で、2017年にカエルやコイの解剖が廃止になったようです。
それ以降、区内では次々と廃止の方向に‥‥。
思ったよりは最近というか、残念というか。
あれはなかなか人生観を変える実験で、あれで悪人になったということは聞いたことはないだけに、個人的には残念です。
子供はママごとで家庭生活の仕事を準備していたように、さまざまな残酷なまでの昆虫や爬虫類への実験で生命とは何かを考えているような気がします。それは兎も角、ザリガニをとったら三つに割いて白い身を餌にしてザリガニ3匹釣ってゆくという、「生産活動」を学んだのは、子供には理解してもらえない時代がやってくるのでしょうか。
カエルの解剖は我が子もしていなかったので随分前から学校では止め...
カエルの解剖は我が子もしていなかったので随分前から学校では止めたのかと思っていました。
私が小学生の時には筆箱にボンナイフが入っていましたが今では考えられないですよね。カエルの解剖ではメスを使うので、動物虐待ではなくて、子供が怪我をした時のクレーム対応がめんどくさいのかなとも思います。
それ以前に、東京では家の近くでカエルやザリガニを見ることすらなくなっていますね。